第10話:姫巫女様の衝撃的告白。

遊星んちへ帰ってきた遊月と遊星。

勾玉のことを知って、召喚士と神霊はとって神聖な関係だと知った。

神聖なんて言葉は遊星には興味がないくらい程遠い言葉だった。


「遊星、遊星と私、切っても切れない関係になっちゃったから、このまま

付き合っていって・・・ゆくゆくは私、遊星の完全な恋人になってもいいって

思ってるんだよ」


「それまじで?・・・俺勝手に遊月ちゃんのこと彼女だって言ってるけど」

「まじ恋人になってくれるの・・・あ〜おしっこチビリそう」


「なんだけどね、遊星ショック受けちゃうといけないと思って黙ってたんだけど」

「告白しちゃうとね、私、神の国に許婚いいなずけがいるの」


「なに?いいなずけ?」


まじでの上にまじでが乗って・・・でもってもう一個まじで、が乗ったくらい

流星には衝撃的な告白だった。

そんな耳を疑うような告白を聞かされて遊星は、体から一気に力が抜けていく

のを感じた。


「遊月ちゃん今、いいなずけって言った?」

「俺と遊月ちゃんの間に人間関係の障害なんてないと思ってたのに・・・

終わった・・・俺の人生終わった・・・」


「あのね、ちゃんと説明聞いて?」

「私たちの住む神の国にも、なにがしか悪い神の存在があるの・・・」

「どんなに平和を保っても、ゴミのようにかならず悪神は現れるのね」


「悪神は基本的に抹消することはできないから現れる度に神々は協力して

封印してきたの」


「それはもう何万年と続いてることなんだ」


「神の力も万能という訳じゃないからね」

「神の持つ力は、本来男女の結びつきによって増幅しより強固なものになるの」

「ひとりよりふたりのチカラ」

「だから男女が契りを結ぶことによって自身の持てる力をより強くして防御力を

高めるの」

「そうやって悪神を封印してきた歴史があるんだよ」


「そう言うことだからね、神の国の男女の婚姻は子供の頃から定められているの」

「分かった?遊星」


遊月が一生懸命説明してくれたが遊星の耳には半分も入ってなかった。


「その結婚の相手って、よく知ってる人なの?」

「その人のこと遊月ちゃんは愛してるの?」


「はいよーく知ってるよ、でもその方に対しての私の愛情はないの」

「ただ定められた相手ってだけ・・・だからその人には勾玉は渡さす

ことはなかったの」


「そんな知らない男と、愛情もない男となんで一緒になる必要があるの?」

「おかしいよ」

「たしかに俺だって遊月ちゃんのこと片想いかもしれないけど誰にも負けないくらい君のことが大好きだし、愛してるよ」

「俺は納得できないよ・・・どうしてもその人と結婚しなくちゃいけないの?」


「しきたりだからね・・・従わないと・・・」


「そんなの絶対おかしい・・・考え直せない?」

「遊月ちゃんだって、好きじゃない人と結婚なんかしたくないだろ?」


「そうだけど・・・」


「そうだ、阿加流姫あかるひめさんだって神羅さんって恋人がいるじゃないか」

「彼女だって神の国に帰ったら、許婚いたんじゃないの?」


「アカルちゃんにも許婚、今でもいると思うけど・・・」


つづく。


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