第11話:彼氏、彼女の関係。

「そうだ、阿加流姫あかるひめさんだって神羅さんって恋人がいるじゃないか」

「彼女だって神の国に帰ったら、許婚いたんじゃないの?」


「アカルちゃんにも許婚、今でもいると思うけど・・・」


「でも、私たちとアカルちゃんでは事情が違うの・・・アカルちゃんは比古神家

との繋がりが強いからね」

「アカルちゃんは比古神家と契約が結ばれてて先祖代々召喚されてきたからね」

「瑠璃の勾玉の存在が神羅さんとアカルちゃんの結びつきを強くしてるの」


「じゃ〜俺だって君からもらった翠宝すいほうの勾玉があるじゃん」


「そうだね・・・私は深く考えずに軽い気持ちで遊星に勾玉渡しちゃってた

から・・・」

「今はもう遊星は私の召喚者だから許婚より繋がるが強くなってるの」


「じゃ〜、その許婚のことろに・・・神の国に帰らなくていいの?」

「許婚のことそんなに簡単に無視しちゃっていいの?」


「遊星、なにそんなこと気にかけてるの?私に彼女になってほしんでしょ?」

「って言うか・・・彼女ってことはもう恋人と同じだからね」


「俺としては許婚さんとは別れて欲しいって思ってるけど昔からの決まり

破っちゃっていいの?」


「許婚のことなんかどうだっていいの・・・」


「え〜?どうだっていならなんで俺にプレッシャーかけたの?」


「一応ね、遊星には私に許婚がいるってことだけは知っておいてほしかったから

話しただけ・・・」

「だって遊星・・・心配させると必死になって面白いんだもん」


「え〜〜〜なにそれ・・・あのさ、俺で遊ばないでくれる?・・・遊月ちゃんは

やっぱりどSだよね」

「そんな体に悪い精神的プレッシャーいらないよ」


「ヘタレな遊星、いじめ甲斐あるし、楽しいからやめられないもん」

「ってことで遊星が私の彼氏になった以上もっとじめてあげるからね〜」


「あのさ、ひとつだけ腑に落ちないんだけど・・・なんで急に俺たち彼氏彼女

の関係になったの?」


「だって、勾玉を持った遊星が第三者の前で私の彼氏だって宣言しちゃった

んだもん・・・」

「召喚者がそう言ったら、私はその人に従うしかないの」


「第三者って?」


「私のことアカルちゃんの前で《はじめまして、俺、天河 遊星です、遊月ちゃんの

彼氏です》って、はっきり言っちゃったでしょ」


「ああ、言ったねたしかに・・・」


「でも・・・遊月ちゃんが俺に従うって言っても、それって召喚するものと

召喚されるものの決まりごとみたいなもんだろ?」

「強制的ってことであって愛情からの結びつきじゃないんじゃないの?」


「そんなことないよ・・・私、遊星のこと好きになりかけてたから」


「まじで?・・・いつから?」


「遊星が私のこと《片想いかもしれないけど誰にも負けないくらい君のことが大好きだよ》って言われた時、私のハートがキュンってなっちゃったの・・・」

「そんな涙が出そうなこと言われちゃうとね・・・好きになっちゃうよ」

「そんなこと今まで言われたこともないし・・・


「だからそのまま進んで行っててもいずれ私は遊星に恋してたと思うけど

「それが遊星の勾玉の彼氏宣言によって私たちの関係が早まっただけ」


「あ〜・・・そうなんだ・・・」


「なんだ、俺バカみたいじゃん・・遊月ちゃんになんとか彼女になってもらおうと

必死になっちゃって」


でも、その必死な一生懸命さが遊月にちゃんと伝わっていた。

最初、遊星は自殺願望の軽くてウザい男だと思っていた遊月・・・でも、これまで

遊星は遊月しか見てなかった。

まっすぐで一途な想い・・・いつしか姫神様の心を動かしていた。



つづく。


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