化物

転生して初日、猿を撃退してから1日経った。

今日で三日目だ、昨日は拠点から近くの場所き行ったら、例の猿が2匹襲ってきたが、レベルが上がったからか、襲ってきた2匹とも《頭突》1発で仕留める事が出来た。

俺が言うのもなんだが、恐らくあの猿は相当弱い。


今のステータスはこうだ。


____________________________________

種族:ストーンディア【変異種:晶】 ▼


状態:無


Lv:13/15


HP:30/30

MP:26/26


STR:25

DEF:72

INT:35

AGI:73


ユニークスキル

「水晶の輝き」


スキル

「敵感知Lv7」 「疾走Lv4」 「頭突Lv4」

称号

大いなる迷い子

特殊変異種

脱兎

ヘッドスラム

______________________________________


ステータスはかなり上がったし、スキルもちょいちょい上がった。

悪くは無いのだが、レベルがそろそろ上限に届きそうな事に少しの懸念がある。

色々考えたが…とりあえず上限まで行ってみて

から考えることにした。


拠点からでて、太陽を拝む、今日はいい天気だ。

何か良い事がありそうだな。


じゃあ、今日も狩りに行きますか。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


少し木々が深くなった場所に着いた、この辺りは犬なのか狸なのか分からない様な小動物や鳥を除いたら、猿しか居ないのかと言うほど大きい生き物が居ない。

そうすると、俺はどこから来たのだろうか、1回も同族と会った事が無い。

この森がどれだけ広いのかは知らないが、パッと見た感じに、ここら辺には存在しないらしい。


小動物も仕留めようかと思ったのだが、どうやら俺は食欲がなく飯が要らない。

そんなんでどうやって動いているのか自分でも分からないが、経験値の為に無闇に殺しまくるのは気が引けたので、襲ってくる猿だけにした。

後、普通に素早くて、俺でも追い掛けるのが大変だ。


暫く、「敵感知」を使いながら、森を歩き続ける。

すると、前方から2つの反応があった。


猿が…2匹か?群れているのか?


今まであった猿は単独で、仕留めた後も群れが報復に来るとかも無かったので、恐らく単独で生活する生き物らしい。

やけに倒木が多いので、警戒しながら進むと、反応が強くなったので、ゆっくり歩きながら、その場所へと進む。

すると、違和感を感じた。


…?え?反応が1つになった?


さっきまで、2つあった反応が1つになった、意味が分からなかった。


ちょっと、確認しに行くか…。


前方にはかなり高低差のある斜面のになっており、人だったら歩くのも大変そうな道になって行った。


「敵感知」にある、謎の反応にかなり近づいてきた。

斜面下のすぐ下に反応があるので、上から下を伺うようにその場所をチラリと確認する。


…は?なんだ


反応の先、俺の目下には全長は…分からない、奴の横のに生えてる木より少し大きいくらいか…形は不定形、デカいアメーバの様な……、

森の生き物と言うには余りにも削ぐわない、気持ちの悪い生き物が居た。


…おいおい、絶対ヤバいって、アイツ。

この森の主的な奴か…?


俺が言うのもなんだが、この世に存在していい生き物なのか?

身体?の至る所に触手の様な物を伸ばし、木をボコボコに殴り倒している。


理性が無い化け物じゃん…。


化け物をよくよく見ると、身体の中に骨が入っているように見える。


あれ、猿食ってんな…。


じゃあ、さっきの反応は猿とコイツで、猿は食われて死んで、反応が消えたのか。


なるほどなと考え事をしながら、木陰に隠れて化け物を斜面上から見ていると、奴の身体のグチャグチャがピタッと止まった。



?なんだ―――




奴に目が無いなんてのは百も承知、だが関係無い。

本能が超特急で伝えて来た。

全力で身体を反転させて、本気で逃げる。


奴は…!ダメだ!

奴とは戦えない!


目こそ無かったがのような物を感じた、その時にそう思った。

野生動物の勘とでも言うべきか、もしかしたら見つかってないかも、という楽観的な考えすら湧かなかった。


バレてた…!完全に…!


追ってくるなと、思いながら全力で森を走る。

しかし、そんな思いとは裏腹に、「敵感知」には奴が、後方からは木が潰れるバキバキと音が聞こえてくる。


「キャァン!!《コイツ…マジかよ!!》」


あの図体でかなり速い…!!


逃げ足だけはかなり速いと思っていたのだが、俺はジグザグと木を避けながら進んでいる。

しかし、奴は木などお構い無しの直線ルートでこっちへ向かっている。


差が、広がらない!!


奴が諦めてくれるのを待ちたいが、そんな悠長な事はしていられない、このままいけばジリ貧だ。


何か、何か、無いか…?!


その時、俺の全力で走っている前方に、猿が現れた。


な、なんだ、コイツは!!


全力疾走で考えを巡らせている中、目の前に猿。

「敵感知」では猿を捉えていたようだが、そんな事気付きもしなかった。

ブレーキをかける暇は無い、時間的にも状況的にも。

俺もビックリだったが、猿もビックリした様な顔をしていた。

そして、そのまま衝突した。


ぐっ…!こんの…!!


猿は吹っ飛び、俺は転んで木に当たった。

大したダメージは無かったので、怒りを抑えて直ぐに立ち上がり、前方に吹っ飛び気絶した猿を越えて逃げる。


《レベルが15に上がりました。》

《進化可能レベルに到達しました。》


あの猿が…!

このままじゃ、追い付かれるぞ!


そう焦りながら、暫く走っていて気付く。


…「敵感知」に反応が無い…?


徐々に、速度を落としながら後ろを向く。

後ろから追ってくる気配も無い。


諦めたのか…?


暫く警戒していたが、奴が追ってくる事は無かった。


た、助かった…。


木に寄り掛かり、息を吐く。

転生して初めてこんなに動いた。

身体も心もかなり磨り減った。


なんだったんだ…アイツは…!


太陽が頂点に有り、まだ昼だということを示していた。

拠点戻ってもやる事も何も無いが、安全第一だ。


…帰るか…。


少しの間木に寄りかかって休憩し、拠点へと足を進めた。



…今日は最悪の一日だ…!

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