第4話

『多くの人間は個の利益を全体の利益より優先してしまうんだ』


「「…」」

2人はぽかーんとしている。

細身の映像の男は慌てて続けた。

『難しかったよね…ごめんね。さっきのデザートの話で説明すると、みんなのお金からデザート代を集めてデザートを買ったり増やしたり出来るのは分かった?』

「「分かったー」」

『その時に集めたお金の使い方を決めれたのは?』

「「校長先生ー」」

『君たちの校長先生は違うと思うけど、さっきの話の校長先生はズルしてデザートを余分に貰ってたよね。その時に損をしていたのは誰かな?』

「えっとみんなかな?」

「一個分みんなで余計にお金払う事になった!」

『そうだね。でもみんなは気づいてない。ちょっとぐらいバレないならいいよねー、って考えをしてしまう大人はいる。これが個の利益を全体の利益より優先してしまう、って事』

「なんとなく分かった!」

と合点いった太郎に対して

花子は腕を組んでしばらくして口を開いた。

「それってダメだよね?」

細身の映像の男はニッコリと笑い答えた。

『ああダメだよ!子どもが考えても分かる事を分からない大人が多いんだ。特にみんなから集めたお金の使い方を決める事ができる、この話の中の校長先生みたいな人はズルしちゃダメなんだ!』

細身の映像の男は続けた


『みんなから集めたお金の事を税金と言う。そのお金の使い方を決める人を政治家と言うんだ』


「なんかニュースで聞いた事ある、政治家が裏金ってズルしてるんだよね!」

「学歴さしょうとかパワハラとか!」

細身の映像の男は苦笑いをして

『あんまり印象は良くないのは分かったよ。でもその政治家を選んでるのって誰が知ってる?』

「え、誰だろ…。

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AI石丸伸二 @007904

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