第3話
『君たちが大人になった時、このままだと税金とか当番とかがすごく増えちゃうのはずっと前から分かってたんだ』
「えー、それならなんで大人は何もやってくれ無かったの!?」
『大人も一人ひとり頑張っていたと僕も思いたい。けど一部の大人はやり方を間違えているんだ。』
「やり方?」
『また例え話になるけど、君たちの給食でデザートが出る日はある?』
「「金曜日!」」
『金曜日は楽しみだよね!デザートがいつも児童の分10個用意されているけど、実は1人だけいつも2個貰っている人がいたらどう思う?』
「えー、ずるいー」
「僕も二つ食べたい!」
『だよね!でもそういうズルをする大人がいるんだ…』
「子どもじゃなく大人なの?」
『ああ、学校の給食を注文しているのはだれかな?』
「校長先生とか?」
『仮に校長先生だとしよう。児童が本当は10人だけど11人いる事にしたらデザートは一個余るよね。』
「余るー」
『そして一個余ったデザートをこっそり家に持って帰って、校長先生の子どもが小学校にいたとしたら…』
「1人だけデザート二つだ!』
「でもそんなのすぐバレるんじゃないの?」
『バレるさ。でもバレにくくする事はでき
る』
「どうやるの?」
『例えばデザートを週2回にする。みんな喜ぶよね?もちろんデザート代はみんなの家から集めるから、実際はみんなの家で出るデザートは減るかもしれない』
「それじゃ意味ないじゃない」
『ああ、意味がないんだ。元は自分達のお金だからね。でもデザートが週二回ってだけ聞いたらどう思う?』
「そりゃやったーって思うよ」
『だよね。そこを強く言ったらみんな賛成してくれる。でもお金が今までより必要って事はあんまり言わないんだ。』
「そんな事ができるの?」
『できる。しかもその時にこっそりデザート代を1個余るように増やしたら…。』
「デザート代が余分に少し上がっても気づかないかもしれない…」
『もちろん君たちの校長先生はそんな事はしないと思う。でもそういったズルをする大人は結構いるんだ。』
「僕のお父さんお母さんがそうだったらやだなー」
「確かに…。でもそんな大人が結構いるっておかしくない?学校でずるしちゃダメって教わらなかったのかしら…」
細身の映像の男は一息つきこう言った。
『今から学校で教えてくれない大事な話を伝えます。心の準備はいい?』
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