1328 説得すれど説得される
素直ちゃんの卒業は、キッチリと認められたものの。
『その対象となっている眞子の実力を知りたい』っと騒ぎ出す観客達。
だが、流石に現状でステージに戻りたくない眞子は……
***
「ガッチリGETしたよ、由佳チン」
「流石、舞歌、動きが早いね」
「なんの、なんの」
なんの、なんのじゃないから!!
離せ~~~い!!
そう簡単にGETされて堪るかぁ!!
私は、崇秀さんだけの専用ポケモンなんだい!!
彼以外に、GETなんてされてたまるもんですかつぅの!!
「じゃあ、舞歌、眞子ちゃんをステージに連れて来て」
「はいは~い」
ハイ、ハ~イじゃないちゅ~うの!!
嫌だぁ~~~!!
絶対にGETなんてされたくないから帰るの!!お家に帰るぅ~~!!
……っと言っても。
これはジタバタした所で、逃がしてくれそうにないから。
此処は1つ、伊藤さんに交渉を持ち掛け、なんとか束縛された手を放して貰うしかないみたいだね。
これしかない!!
「ははっ……舞歌ちゃん、その手を離して欲しいなぁ。ちょっと手が痛いんだけどなぁ」
「うん、ダメだから」
「あの、だったら、せめて力入れるの緩めてくれないかなぁ。緩めても逃げないから、絶対に逃げないから」
「虎を捕まえたのに、捕縛を緩める人なんて、この世の中には居ないよ」
そのセリフ……曹操に捕まった呂布奉先か私は!!
それに誰が虎ですか!!
そんな狂暴でもなければ、アホちゃんでもないわ!!
失礼な!!
でも……此処は本気で逃げたい所なんで、なんとか伊藤さんを上手く説得しないとね。
「友達……だよね?だから勿論、逃がしてくれるよね。罪を憎んで人を憎まずだよね」
「うん。眞子ちゃんには罪も無きゃ、憎んでもいないから、だから一緒にステージに戻ろっか」
「あの、お家に帰りたいです。門限過ぎてるんで、怒られちゃいますから」
「眞子ちゃん、一人暮らしだよね。それに今日は、特別な日だから、私が門限を破りを許可します」
「ダメだよ、ダメだよ。自分で決めた事は、絶対に守らないとダメなんだよ。だから逃がして。……お願い」
「はい、ダメェ~~」
「うわ~~~ん!!意地悪ぅ~~~~!!」
『呂布は説得に失敗しました』
……って、誰が呂布じゃあ!!
お馬鹿な私ですね。
すみません。
でも、だったら、せめてですね。
私を呂布だと言うなら、曹操閣下(崇秀さん)に差し出して下さいよぉ。
それなら史実通りだと思いますんで。
なんて思っていたら……
「「「「「「ぷぷぷ!!……あははっははっはっははっはっはっははは……」」」」」」
「「「「「「さっきは、あんな嫌な感じだったのに、そんなキャラなんだ」」」」」」
「「「「「「いやはやいやはや、こりゃあ、完全にやられたって感じだな」」」」」」
「「「「「「ホント、ギャップが有って、面白い子だな。良い感じじゃね」」」」」」
突然、会場内が爆笑の渦に包まれた。
なになに?これは一体何事?
ってか、なんで観客の皆さんはそんなに爆笑してるのかな?
これじゃあまるで、今の会話が筒抜けに成ってるみたいな感じなんですけど?
確か私のヘッドホーンマイクは、運命と話す為に、此処に来た時点でキッチリOFFにした筈だから此処での会話が筒抜けになる事はない思うんだけどなぁ?
おかしいなぁ?
「うん?なにか会場の方が騒がしいけど、なんかあったのかな?……あっ、マイク入ったままだ」
ドジっ子か!!
って言うか、この状況は伊藤さんのせいだったのか!!
もぉ……
「最悪だよ。もぉ、なにもかもが台無しだよ」
「……ごっ、ごめん。でも、強制連行ね」
そうやってキッチリと謝罪はしてくれてるのに、どうやっても手の拘束は一切合切緩めてくれないのね。
これじゃあ、どうやっても逃げようがない。
……ホント最悪だよ。
「眞子……」
「あぁ、運命!!」
なになに?これはひょっとして救世主の登場なんじゃないですか?
私を捕まえてるドジな怪力娘を、運命が私に代わって説得してくれるってパターンなんじゃないですか?
だとしたら、運命、頑張って、頑張って!!
この虎痴(許猪)並の怪力娘の力が一瞬でも緩める様な説得をお願いします!!
その隙さえあれば、なんとか逃げれると思うし。
「頑張って」
『ガクッ』
……いや、あの、運命さん、ひょっとしてそれだけですか?
出来れば、頑張って欲しいのは私の方なのですが、どうやら此処は、逆に『応援されただけ』って事だけみたいですね。
(´Д`)ハァ…
そうやって私が、伊藤さんによりステージに強制連行されようとしたら。
突然、運命が声を出して、ガッツポーズと共に、そう言ってオチを付けたんだけどね。
多分これは、マイクの事を気にしてて、今まで一切喋らなかったのかもしれない。
『そこまで徹底して表舞台には立ちたくない』っと言う気持ちの表れなのかもしれないしね。
……でも、敢えてそんな状態であっても。
此処で私に声を掛けたと言う事は、その気持ち抑えてでも、私を応援したかったのかも知れない。
もし仮にそうだとしたら……いや、私がそう感じたのであれば。
そんな気持ちに応えるべく、運命の分まで頑張るってのが筋ってもんだよね。
そっかそっか。
んじゃまぁ、ちょっとややこしい状況ではありますが、一丁やってみますかね。
「そっ、そぉだね。出来るだけ頑張ってみるよ。ははっ……」
「そぉ、眞子頑張って」
もう一回声を掛けてくるって事は、やっぱりそうみたい。
だったら私が運命に代わって、此処から十分な程に活躍してみせるよ。
とくとご覧あれ♪
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
【後書き】
最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございますです♪<(_ _)>
結局、伊藤さんの説得に失敗した上。
逆に運命ちゃんの意図をくみ取って、説得される形に成ってしまった眞子なのですが。
こうなった眞子は『後は野となれ山となれ』主義なので強いですよぉ♪
さてさて、どんな演出を見せてくれるのか。
次回は、その辺を書いて行こうと思いますので。
良かったら、また遊びに来て下さいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾
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