1327 流石に、それはいやだぁ~~~!!

 素直ちゃんの卒業の件が丸く収まりそうな雰囲気の中。

再び笠原さんが口を開いたのだが、一体、彼は、この場でなにを言うつもりなんでしょうね?


***


「「「「「なんだよ?オマエ、まだゴチャゴチャと文句を言うつもりなのか?」」」」」」

「いやいや、そうじゃねぇんだ。素直ちゃんの卒業は、もう俺も十分に認めてる所だから、これ以上四の五の言うつもりはない」

「「「「「ふむふむ、じゃあ、なんなんだよ?」」」」」

「いやな。確認の為に、どうしても、その眞子って女の実力を、もう一回拝んでみたいんだが。なんとかなんねぇもんなのかぁ?っと思ってさ」

「「「「「あぁなるほどなぁ。そりゃあ一理ある話だな。確かに、生で、もう一度、眞子ちゃんの実力を確認したいよな」」」」」」


ヤバイ……ヤバイヤバイヤバイ!!

笠原さんって人が何を言い出すのかと思ったら、この状況下で、そういう事を言いますか?


あれだけの大見得を切ってステージを降りたって言うのに、この後に、もう一回ステージに上がるのなんてまねだけは、絶対に嫌ですよ。


流石に御免被るよ。

そこまで恥知らずじゃないからね。


なので私は、まだ誰にも気付かれない今なら、コソッと逃亡を図らうと思い、その場を後にしようとする。


天はまだ我を見放さず♪



「眞子。どこ行くの?一緒に帰るって言った」

「えっ?あぁ~~~っとねぇ。なんて言いますか、あの、その……」


捕まった!!

まさか、ステージの裾に一緒に居た運命と言う名の予想もしなかった伏兵に捕らえられた!!


矢張り、天は我を見放してたか……_( _´ω`)_ペショ


なんて、アホな事を言ってる場合じゃないよね。

ヤバイ……、この状況下で、運命にどう言い訳しようかなぁ?


そうやって言い訳を考えてる間にも、ステージ上では……



「あぁ、そうだねぇ。確かに、素直ちゃんのファンとしては、そこは確認して置きたい処だよね」

「そうなんだよなぁ。あの子が登場した瞬間は、かなり注目してたんだけどな。それ以降は、矢張り、素直ちゃんを集中して見てたからな。実力があると言われても、なんか記憶に薄いんだよな」

「そっか、そっか。まぁ本人がゲストだってのを凄く意識してたから、自ら目立たない様にしてたみたいだしね。……でも、怒って、帰っちゃったからなぁ。流石に無理かなぁ」

「そっか……」


よし!!話自体は進んでるみたいだけど。

この由佳ちゃんの言い様だと、3B-GUILDの面々は、私がステージの裾に居る事には、まだ気づかれてない様ですね。


ふふふ……天は、まだ我を見捨ててはいなかったぁ♪


なら、このチャンスを最大限に生かす為にも、此処は一気に運命を説得して!!



「由佳ニャン、さっきから、なにを言ってるでありんすか?」

「へっ?」

「眞子様なら、ステージを降りられてからも、ズッと、そこでワッチ等を見守ってくれてるでありんすよ。……ほら、そこに居るでありんすよ」


ぎゃ~~~!!

木根さん、私の存在に気付いてたのねぇ~~~!!


ってか、琴ミンって、ホントよく周りが見えてるよね。

あの状況下で、私の行動を見逃さないなんて、中々の観察眼ですよ。


・・・・・・


うん?いや、ちょっと待って。

……って事はですよ。

さては、さっきの私を褒め千切ってた言動も、私が此処に居る事を裏打ちしてたからこその言動って事に成るよね?


しかも、この冷静な対応から見ても。

絶対に、さっきの卒業の話も、琴ミンだけでも解決できてたんじゃないの?


もぉ、本当に腹黒なんだからぁ。



「あっ、本当だ。眞子ちゃんがまだ居る」

「当然でありんすよ。ワッチが敬愛して止まぬ眞子様は、そんな無責任な真似をするお方ではないでありんすよ」

「そっか。そうだよね。言われてみれば、確かにそうだ。……って事で、眞~~~子ちゃ~~~ん」


ヤバイ!!

本気でヤバイヤバイヤバイ!!

琴ミンの余計な考察をしてる間に、自らの首を絞めちゃったよ!!

この様子じゃあ、どうやら投げっ放しに失敗したみたいだし、それに伴って運命を説得する時間もなくなちゃったみたい!!


なら、もぉ此処で残された道は1つしかないよね。


逃げろ!!

なにもかにもかなぐり捨ててでも、全力で逃亡ですよ!!


そんな風に危険を感じた眞子は、本能の赴くまま咄嗟に逃げ出した。



「ニャ!!」


しかし、気が焦ってしまい、足が絡まって見事にコケた。


ねぇ……ちょっと聞いていい?


これ、なんの女神転生なの?

逃亡の際にコケるって、明らかに初代女神転生(ファミコン)の「逃亡失敗シーン」だよね。


マジで逃げたいんで、今はこう言うのはイラナイんだけど……


そして、そんな風に大きな隙が出来てしまった私に追い打ちを掛けるが如く。

舞歌ちゃんが『ヒュッ!!』って風を切る音と共に、ダッシュで此処まで走って来て、簡単に眞子は御用と相成ってしまいました。


その速さ、水滸伝の登場していた神行太保・戴宗か……と思うぐらい素早い動きだった。


……って、そんな事を呑気に考えてる場面じゃないよね!!

どうやっても、この場から逃げ出さないと、ステージに連れ戻されると言う最悪な場面なんだから!!


なんて思ったので、必死に抵抗してみたものの。

舞歌ちゃんには腕をガッチリとロックされてしまっていて逃げ出せない……


ヤダぁ~~~~!!


誰かたちけて~~~!!


この神行太保・戴宗をなんとかして下さいよぉ~~~(´;ω;`)ブワッ


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


【後書き】

最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございますです♪<(_ _)>


( ´,_ゝ`)プッ

逃亡しようとした眞子。

周りをよく見てる腹黒琴ミンと、神行太保・戴宗こと舞歌ちゃんによって、結局は捕まりましたね(笑)


ある意味、見事なコンビプレーでした♪


……とは言え、眞子も当物語のヒロイン。

舞歌ちゃんに捕まった程度では、そう簡単に諦める訳もなく。


次回は、舞歌ちゃんの説得を敢行し様と企んでおりますので。

良かったら、また遊びに来て下さいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾

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