1324 素直ちゃんの言い分

 自身の安易な行動をステージ上で謝罪した素直ちゃん。

そして、それに伴って、3B-GUILDの面々も同じ様に頭を下げた。


それを見たファンの一人が、彼女達に声を掛けてくれ……


***


「「「「「「えっ?」」」」」」

「だから、なんなんだよ?って聞いてんの。その、す……素直ちゃんの辞める理由って、なんなんだよ?なにが不満で3B-GUILDを去るって言うんだよ?」

「きっ……聞いてあげてくれますか!!」

「あぁ……会場に居る他の奴等は知らねぇけど。きっ、聞くだけなら俺は聞いてやる。理由を聞かねぇと、流石にコッチも収まりが付かねぇからな」

「……笠原さん。こんな自分勝手な事を言った僕の話を聞いてくれるんですね。ありがとうございます」


あっ……3B-GUILDの面々が全員、彼の事を苗字で呼んだって事は、この人は常連のファンの人なんだね。


コアなファンなんだ。



「そりゃあ聞くさ。俺だって、素直ちゃんが好きで、このグループの追っかけをやってるんだからさぁ。ちゃんとした理由を知らなきゃ、納得なんて出来やしない。それで、このまま芸能界を辞められたら堪ったもんじゃないからな」

「あっ、ありがとう……ございます」

「「「「「「だったら、ソイツだけじゃなくて、俺達にも聞かせてくれよ」」」」」」

「「「「「「俺達だって、辞める理由が、ちゃんと知って置きたいからな」」」」」」

「「「「「「そうだそうだ。ファンとして、ちゃんと教えて貰わなきゃな」」」」」」

「ぐすっ……皆さん」


あぁ……良かった。

この笠原さんって人のお陰で、皆さんが、ちゃんと素直ちゃんの話を聞く体勢に入ってくれた。


まぁそりゃあね。

会場内には、まだ素直ちゃんの卒業が納得出来なくて、声を上げてない人も居るだろうけど。

笠原さんって人が上手く先導してくれたので、最低限、会場内に居られる6割から7割の人が聞く体勢に入ってくれてる。


これは、もぉ理由を話をしても問題無い数だと思う。


だから後は素直ちゃんの話の持って行き方次第で、良いか悪いかが決まる。


勿論、上手く行けば、ほぼ全員が納得してくれると思うから、頑張って!!



「……っで。結局、その辞める理由って、なんなんだよ?」

「あぁ、はい。僕が、このユニットを卒業させて貰おうと思ったのは他でもないんです。先程、私達を叱咤してくれた眞子ちゃんと、僕はバンドがしたいんです」


へっ?


今、素直ちゃん……なんて言った?

聞き間違いじゃなきゃ『私とバンドがしたい』って言った様に聞こえたんだけど……


・・・・・・


いやいやいやいや……ちょっと待ってくれるかな?


なにその話?

私、そんな話、素直ちゃんから1度も聞かされた事がないんだけど……初耳なんですけど。



「はぁ?さっきの生意気な女とバンドがしたいって、どう言う事だよ?それが3B-GUILDを去る理由だって言うのか?」

「あぁ、はい。もぉご存知の方も居られるとは思うのですが。僕は、元々バンド出身の人間なんです。だから……」

「いや、ちょっと待ってくれよ。確かに俺も、素直ちゃんがバンド出身だって事ぐらいは、当然知ってるけどな。だからって、3Bを辞める理由には成らないんじゃないのか?」

「そうなんですけど。僕は、この3B-GUILDのみんなや、支えて下さった皆さんに教えて貰った事を胸に。もぅ1度、バンドの世界に身を投じたいんです」


そう言う事か。

なんで急に『私争奪戦』の話が出てきたのかと思ったら、そういう理由だったのかぁ。


まぁ、これは予想の範疇を超えないんだけど。

素直ちゃん自身が3B-GUILDで活躍する内に、ある程度、自分の描いていた実力が付いたから。

まずは、その腕試しに『私争奪戦』に身を投じて、再度バンド活動に復帰しようって事か。


そんで、その良い機会として『私争奪戦』が有ったから、それを『卒業の理由』に使おうって腹みたいだね。


なるほどね。

一応は理に適ってる以上、悪くない提案だとは思う。


でも、言い訳としては、ちょっと苦しいかもね。

なんせ、その名目になってるのが『私争奪戦』だもんね。


世間的にも、価値が薄過ぎるし。

なんと言っても、遊び半分でもない限り、メジャーの人間がチャレンジする様な事じゃないと思うよ。



「いや、けど、それってさぁ。別に3B-GUILDでも出来るんじゃねぇの?あの女に拘る必要はねぇんじゃねぇの?」

「あぁっと、そこは、ちょっと違うんです。確かに、音楽と言うカテゴリーで見たら貴賤が有る訳じゃないんですが。世間の認識では、アイドルと、バンドの間には、どうしても埋められない大きな溝があるんです。だから、バンドをしたいならバンド。どうしてもアイドルじゃダメなんですよ。それにですね。眞子ちゃんの音は、凄く心に響くんですよ」

「なんか良くわかんねぇけど。それって、音楽性の問題か?」

「そうなんです。確かに、この1年間、3B-GUILDの一員として、沢山みんなと楽しい時間を過ごさせて頂いたのですが。矢張り、なにかが違うんです。僕は、やっぱりバンドがしたいんです。これが自分勝手な我儘な言い分なのも重々に承知してるんですけど。もぉ自分の気持ちが抑えられないんです。だから皆さん、どうか僕の卒業を認めて下さい」


う~~~ん、やっぱりまだ言い分が、ちょっと苦しいかなぁ。

例え、本当にバンドがしたいとしても、説明が、まだまだ足りてないんじゃないかなぁ。


熱意は伝わったとは思うけど、それじゃあ、此処に居る全員を納得させれないとも思うよ。


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


【後書き】

最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございますです♪<(_ _)>


なんと!!

あの素直ちゃんが、眞子争奪戦を上手く使って、この場を凌ごうと考えたみたいですね!!


……っと、アホの眞子は考えてるようですが「んな訳あるかぁ!!」

偶にトンデモナイ毒を吐く事があるにせよ、素直ちゃんがそんな邪悪な事を考える訳がないでしょうに!!


眞子はアホですね(笑)


それに眞子争奪戦に関しても、業界内でかなり話題に成ってる訳ですから。

仮に素直ちゃんが言い訳に使っていたとしても、既に問題ないレベルに成ってますしね。


ホント眞子はアホですね(笑)


アホって二回も言われた!!(/ω\) ('ω'*)アホ(三回目(笑))


さてさて、そんな中。

アホの眞子は放って置くとして、素直ちゃんの言い分は観客の皆さんに届くのか?


次回は、その辺を書いて行こうと思いますので。

良かったら、また遊びに来て下さいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾

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