1325 届け!!素直ちゃんの決意!!

 笠原さんと言うファンの人が率先して、素直ちゃんの話を聞いてくれ、流れとしては悪くない状態には成ったのだが。

眞子には、どうにもまだ説明不足のように感じてると……


***


「……そっかぁ。まぁやりたい事を抑えてたら、今度はストレスが溜まる一方だよな。それに、それが3B-GUILDにも良い影響を与えるとも思えないしな。なら、俺は賛成かな。自分の人生は、自分で選択したいもんな」


あっ……なんか笠原さんって人が自己完結して、話を上手い方向に持って行ってくれたね。


文句は多いけど、本当に良いファンの人だね。

奈緒ネェの所で言う、鮫島さんみたいな感じかな。



「あっ……ありがとうございます」

「でもな。俺自身がバンドに興味が無いから知らないだけなのかも知れないけどな。さっきの生意気な女が、素直ちゃんに匹敵する程の実力者だとは、どうしても思えないんだよな。なんかさぁ、噂が先行してるだけとしか思えないんだよなぁ」


あぁ……それは当たりですね。

今の所、その認識でパーフェクトですよ。



「そんな事ないです。さっきも言いましたけど、眞子ちゃんの実力は折り紙付ですよ」

「そうなのか?アイツと、素直ちゃんが一緒にやれば、アイドルにしか興味が無い俺でも、バンドに興味が持てるのか?」

「あぁっと、突然、口を挟んで悪いんですけど。その件に関しては100%保証出来ますよ。私も、眞子ちゃんの実力を認めざるを得ない程の強烈な実力ですから」

「そうでありんすよ。眞子様の音楽は、万民に受け入れられる変幻自在な天才的な音楽。ワッチも大好きでありんすから」

「そっ……そんなに凄いのか、アイツ?」

「私も口を挟んで悪いんですけど。眞子ちゃんなら十分に素直ちゃんを任せられる人物だと思いますよ。その証拠に、メジャーマイナー問わず全世界から約1000のバンドが『眞子ちゃん争奪戦』に名乗りを上げてる。それだけでも、彼女の実力が並大抵のものじゃないと思って貰っても間違いないと思いますよ」


あらららららら。

なんか知らない間に、応募してくれてるバンドの数が倍になってるし。


でも、これって、明らかに【奈緒グリ】の参戦のせいじゃないの?


それ以外は考えられないね。



「そっ……そんなに」

「そうなんですよ。だから、ハッキリ言えば、素直ちゃんが争奪戦に参戦したからって言っても、眞子ちゃんと一緒にバンドを組める可能性は極めて低い。でも、素直ちゃんは、どうしても、そこに賭けたいって意思を見せてくれたから。私達は、彼女を気持ち良く送り出してあげようと思ったんです。そこを解ってあげて欲しい」


話が急だったのに、伊藤さんは話を合わせるのが上手いなぁ。


だって素直ちゃんは、控え室で『新しい目標が出来た』とは言ってたけど。

その『目標』が、なになのかを、誰にも明白にはしなかったからね。


だから伊藤さんが、この話を聞いたのは、今が初めての筈。


矢張り、冷静な時の伊藤さんは良い判断力をしてるね。



「それにね。……あぁっと由佳。此処からはアンタが言って。今日のライブで感じた、眞子ちゃんの事で言う事あるでしょ」

「あぁ、うん!!」


えっ?なに?

今度は、なにを言うつもりなの?


まさかとは思うけど、ちょっと頑張ったから褒めてくれる方向?


なんてね。

この状況で、流石にそれはないか。


……って言うか、今更になって、変な事は言わないでよ。



「私達3B-GUILDも、素直ちゃん同様『眞子ちゃん争奪戦』に参戦させて頂きます!!これは、3B-GUILD全員の総意です!!」

「「「「「「はっ?はぁ?なっ!!なにぃ~~~~~~!!」」」」」」


はっ?は~~~~~~い!!

なななななんで、そんな事に成ってるの?


それに、そんな話、いつ決めたのよ?


それ以前に、私、ただのしがないベーシストなんだけど。

ダンスとか、歌とかをやれって言われても、2つともロクに出来無い様なドン臭い子なんですけど。


それになによりですね。

私自身が、アイドルって柄じゃないと思うんですけど。


せめて、そこを再考慮して下さいな。



「なんでそんなに驚くの?そんなに驚く様な事じゃないと思うんだけど」

「なっ、なんでだよ?」

「ダンス・歌唱力。ウチのユニットに必要な、この2つを、既に眞子ちゃんは、どちらを取っても天才的な感性持ってる。なら、参加しない理由が、何所にもないと思うんだけど」

「確かに、そうだけど」

「それにね。眞子ちゃんは、今日初めて、人前でダンスをしたんだよ。私は正直、嫉妬を覚えるぐらい、彼女の才能には惚れ込んでるんだけどなぁ」


いや……あの、社交辞令で言ってくれてるのは解ってるんだよ。


でもね。

それはただ単に、運命のお陰で、なんとかこなせただけの話であって、私自身は、かなりのポンコツですよ。


彼女が呼吸方法を教えてくれなきゃ。

多分、呼吸困難に陥って、ステージの、その辺に転がってると思うよ。


それに、天才じゃないんだけどなぁ……



「なっ!!……初めてだって」

「そぉ、因みにだけど。ダンスの練習をしたのも、今日が初めて。あれで、本人に取っては『荒削り』なレベルなんだよ」

「馬鹿な……あの生意気な女が、そんなに凄い奴なのか」


いやいやいやいや、限界!!限界!!

あれで、もぉ目一杯限界だってば!!

勝手な想像をして、無茶苦茶な事を言わないでよ!!


けど、さっき、やらかしちゃったから、ステージには反論しに行けないよぉ。


どうしよう?


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


【後書き】

最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございますです♪<(_ _)>


アイドル好きなだけに、どうにもバンドの事がよく解らない状況の笠原さん。

まぁ、これに関しましては、此処に会場にいる多くの人がそうなので。

100%説得する為には、どうしてもその辺の詳しい事情の説明が必要みたいですね。


……っで、そこを素直ちゃんだけに説明させるのではなく。

3B-GUILDの面々が一緒に説明してくれたのは、非常に良い行為だと思います。


やっぱり仲間は助け合わないとね♪


さてさて、そんな中。

眞子についての説明が続く訳なのですが。

眞子自身は『褒めて欲しい』等と冗談では思っていた反面、ガチで褒められて困ってる様。


この後は、どの様に説明されていくのでしょうか?


次回はその辺を書いて行こうと思いますので。

良かったら、また遊びに来て下さいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾

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