第一章・第八十話 A 3B-GUILD`s live③(3B-GUILDライブ③)
1321 立場
第一章・第八十話【A 3B-GUILD`s live③(3B-GUILDライブ③)】が始まるよぉ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾
***
080【A 3B-GUILD`s live③】
『さて、どうしたもんだろう?この状況下であっても、どうしたら素直ちゃんが顰蹙を買わずに済むんだろう』
素直ちゃんの突然な『卒業宣言』にザワメキ立つ観客席側を見詰めながら、私は出来る限りの色々な打開策を講じ始めていた。
いや、寧ろ、最初から、こう成る事が想定出来てなかった訳ではないので。
これを解決する位の打開策自体は、既に幾らでも考えてはいる……んだけどねぇ。
私の立場上、これを行動に移して良いものなのか、どうかだけが最大の問題。
なんと言っても私は、此処にゲストで呼ばれてるだけの立場であって、決して3B-GUILDの一員ではないのだから、此処で下手に出しゃばった真似をする訳にもいかないだよね。
それは、幾らみんなが、私の事を3B-GUILDの一員だって言ってくれてても、それは何処まで行っても身内での話。
世間が私をそう言う風にしか認知してない以上、私は、観客の皆様からしたら、ただの『ゲスト』でしかない。
故に此処は、非常事態が起こらない限り、余計な口出しは無用な場面と想定される。
なおで今の私は、ただの木偶の坊でしかない。
……っとは言え、ただ静観してる訳にも行かない。
だって、実際の話で言えば、私にも凄い落ち度がなかった訳ではないからね。
実際、この素直ちゃんの『卒業宣言』のタイミングを、完全に見誤っちゃってるからね。
なんて言うか、私の中ではね。
この『卒業宣言』は、プログラム上の13曲を全て歌い終えてから、一旦、控え室に引き上げ。
そこで最低限、この問題に対して、どう対処するかをみんなで話し合い。
みんなが覚悟を決めた上で、アンコールに入る前に素直ちゃんが先持ってステージに上がり『卒業宣言』をするもんだと思い込んでいた。
若しくは此処で『明日、重大発表がある』とだけ宣言して、ライブの最終日に引退会見をするものだと考えていた。
だが、これこそが、私の最大のミス。
そう思い込んでいただけに、完全に素直ちゃんの行動は予定外に成ってしまったのだから。
まぁ本来なら、こうなる前に話し合いをするか。
せめて前以て、どうすべきかを伝えておくのがベストな形だったのかも知れないんだけど。
今日のライブに限っては、それさえも不可能な状態で。
突然、素直ちゃんのリクエストに応じて、ゲストとしてステージに上がる事に成った私には、歌や、ダンスのレッスンする必要があったし、それになにより、素直ちゃんや、運命の問題が目白押しにされて、そんな余裕は微塵もなかった。
あれだけ問題が山積みされていたのでは、どうやっても切羽詰ってしまい。対処法を伝える術がなかったんだよね。
まぁ、こんなものを、今更幾ら言った所で、所詮は、後付の言い訳にしかならないんだけどね。
さてさて……この状況、どう対処したもんかな?
***
……あぁ、これはヤバイなぁ。
卒業宣言後の会場には、必要以上に、なんとも言えない様な不穏な空気が流れ始めているよ。
これは恐らく、素直ちゃんの卒業に納得出来無い観客の皆様から出されてる『裏切られた感』が醸し出されてる雰囲気。
普通なら此処で、素早く手を打ちだしたい処なんだけど。
矢張り、手段を打ち出すにしても、どうにも私の立場が邪魔して、言葉を上手く紡ぎ出す事が出来無い。
それにしても、本当に困った状態になったもんだなぁ。
このままの状態を放置してると、絶対に悪い方向にしか行かないんだけどなぁ。
せめて此処で3B-GUILDのメンバーの誰か1人でも、素直ちゃんのフォローさえ入れてくれれば、状況は一転する可能性が、まだ少しは残されてるんだけど……矢張り、素直ちゃんの行動が想定外の行動だっただけに呆気にとられたまま。
こちらも期待が薄そうだ。
そうしている内に時間だけがドンドン経過してしまい、とうとう最悪の結果が訪れる。
3B-GUILDのメンバーより先に、最前列に座られてる1人のお客様が痺れを切らして声を上げちゃった。
まさに、状況が状況なだけ、最悪な呼び水に成りうる一声だ。
恐らくはフォローの声ではないと思われるし。
「……なっ、なんだよ、それ?ホントなんなんだよ、それ!!突然、なんの前触れもなく『明日、卒業します』って、なんだよ!!そんなもん納得出来るかよ!!」
あぁ、矢張り此処は予想通り、そう言う反応しか返って来なかったかぁ。
いや寧ろ、この状況じゃあ、それ以外の反応が返って来ると思う方が厚かましいのかもしれない。
『ひょっとしたらフォローしてくれるかも』なんて、万が一の望みに賭けては見たものの。
現実は、そう上手く、自分の思い通りに事が運ぶなんて事には成らず。
矢張り悪い方向に流れたかぁ……
特に状況が掴めず、混乱してるお客さんなら、普通そう成っちゃうよね。
それ故に、これ以降もフォローの声は上がらず、罵声は止めどなく会場内にドンドンと感染していく。
うわぁ……これはマジで、取り返しがつかない状況に成りそうだぁ。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
【後書き】
最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございますです♪
今回から始まりました第一章・第八十話【A 3B-GUILD`s live③(3B-GUILDライブ③)】の冒頭は如何でしたでしょうか?
いやまぁ、そうは言いましても。
これ自体は七十九話からの続きなので、特に驚く様な展開ではなかったと思うのですが。
意外にも眞子は、この状況下にあっても冷静な態度で居れたみたいですね。
まぁこれが俗に言う、経験値の差というものなのですが。
今まで順風満帆に来ている3B-GUILDのメンバーとは違い。
眞子は散々と言って良いほど、ライブで色んな苦労を重ねてきたからこそ、この冷静な態度で居られる。
『なにも主人公だから、冷静でいられる』って訳ではないのですよ。
だから恐らく、これら苦労を経験していなかったら。
眞子も3B-GUILDのメンバー同様に、オロオロするだけに留まったのかもしれませんです。
さてさて、そんな中。
とうとうファンの不満が爆発して上がり始めたブーイング。
眞子自体は、この対処法を持ってる様なのですが……どうなるのでしょうか?
次回は、その辺をピックアップして書いて行こうと思いますので。
良かったら、また遊びに来て下さいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます