1320 眞子の誤算

 ライブ本番もラスト一曲に成った所で、素直ちゃんの最終コールが開始。


良い感じに盛り上がってるだけに、このまま最後まで突っ走れれば良いのだけれど……


***


「皆さ~~~ん♪今日は、僕達のライブに来て頂いて、本当に、ありがとうございましたぁ~~~♪」

「「「「「「ありがとうございましたぁ~~~~♪」」」」」」


素直ちゃんを中心にして横一列に並び、頭をペコッと下げる。

文化祭以来、このお辞儀をするのが定番に成ってるみたいなんだけど、こう言う礼儀正しいのって良いよね。


私は好きだなぁ。



「「「「「今日も最高だったよぉ!!」」」」」」

「「「「「いつも楽しい時間をありがとう!!」」」」」」

「「「「「いつでも来るから、また頑張ってなぁ!!」」」」」


……っと言う風に、会場の何所や彼処から、次々と声援や喝采が起こる。


良い一体感ですね。



「ありがとうございます!!僕達も、皆さんの様な素晴らしいファンの方に恵まれて最高です!!本当の本当に、ありがとうございます!!」

「「「「「「ありがとうございま~~~~す♪」」」」」」

「「「「「「良いぞぉ、素直ちゃん!!最高だぞ3B-GUILD!!」」」」」」


いやはや、本当に良い感じですね。



「ありがとうございます。……あの、それでなんですけど。最後の曲に行く前に、僕に、少しだけ、お時間を頂いて宜しいでしょうか?」

「「「「「「なんだい?どうかしたのかい?」」」」」」


えっ?


ちょっと待って!!

此処で、そう言うって事は。


まさか……まさかとは思うけど、素直ちゃん、このタイミングで『卒業宣言』を切り出すつもりなの?


此処で宣言されるのは、流石にマズイんじゃないの!!



「あの……あのですね。この約1年間、3B-GUILDにはリ-ダーとして在籍させて貰って、皆さんとの楽しい時間を共有させて頂いたのですが……」

「「「「「「へっ?……」」」」」」

「実は、僕……僕、有野素直は……明日の武道館ライブを最後に……」

「「「「「「えっ?なんだ?ちょ!!ちょっと待って素直ちゃん、まさか……」」」」」」

「ごめんなさい。……僕、僕……3B-GUILDを卒業します!!こんなに応援して貰ってるのに、本当に、ごめんなさい!!」


あちゃあ……公表しちゃったかぁ。


でもまぁ、いずれ発表しなきゃイケナイ話だから、此処で公表しても基本的に問題はないんだけど。

唯一問題が残るとすれば、前以て『卒業』の情報を、一切、マスコミにリークしてなかった事なんだよね。


あまりにも突然すぎる『卒業宣言』は、今まで支えてきたファンとしては中々納得の行かないもの。

下手したら、此処でも、さっき同様の裏切り者扱いが行われ、大顰蹙の大ブーイングを喰らってしまう可能性も高い。


それだけに私としては、そこだけは何とかして避けたかった部分だったから。

最後の曲を奏でた後にあるアンコールまでの時間で、3B-GUILDのメンバーと、そこを詰めて行くつもりだったんだけど。


その計画も、この瞬間に水の泡。


これは完全に誤算だった。


どうなっちゃうんだろ?


***


……っと。

そんな風に素直ちゃんが『卒業宣言』をして、3B-GUILDのライブが最大の山場を迎えた所で、今回の話は終了。


何故なら、ちょっと此処からは話が長くなっちゃうんだよね。


そんな訳なんで、中途半端で、ごめんなさい。


***


次回予告。


一体、どうしてあげれば良いんだろうか?

この状況を、どうやって打破してあげれば良いんだろうか?


部外者である私が、此処で変に口出しするのもおかしな話なだけにフォローのしようすらないんですよね。

所謂、観客の皆さんが、この卒業の話を素直に飲み込んでくれるのを望むしかない状況。


そんな状況の中、次回は……


『A 3B-GUILD`s live③』

「3B-GUILDライブ③」


……をお送りする訳なのですが。

もし、この場で私に何か出来る事が有るなら、本当に、なんとかしてあげなきゃね。


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


【後書き】

最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございますです♪<(_ _)>

これにて第一章・第七十九話『A 3-GUILD`s live③(3B-GUILDライブ③)』は如何でしたでしょうか?


素直ちゃんの卒業宣言で、眞子にとっては最後の懸念していた部分が、此処で爆発してしまった状態で終わりに成ってしまったのですが。

今回のこれに関しては、素直ちゃん自身も、何も考えず行動した訳ではなく。

『この雰囲気なら、卒業を宣言しても大丈夫かな?』っと言う感じで、彼女は彼女なりに空気を読んでの行動ではあったのですが。


まぁそれが吉と出るか凶と出るかは、この後次第。

矢張り、3B-GUILDのメンバーにも、なんの相談もなしに行動を起こしてしまったのには、ちょっと危険な匂いがしますね。


もし、眞子が想定している様な最悪な事態が起こった場合、誰も対処できませんからね。


さてさて、そんな中。

次回から始まる第一章・第八十話『A 3B-GUILD`s live③(3B-GUILDライブ③)』では、それらの事象が、どの様に転がるかを書いて行きたいと思いますので。

良かったら、また遊びに来て下さいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る