1318 ちょっとした助言

 眞子をゲストとして紹介の際に、素直ちゃんがあまりにも絶賛した為、出難い状態になったものの。

取り合えずはステージに上がった眞子。


そして何やら、ライブ中に気になった点を指摘する様なのだが……


***


「えっ?えっ?なんで嘘?」

「えぇ……だってね。素直ちゃんとか、3B-GUILDのみんな、全員可愛いのに、私を美少女とか言ってからかうんだもん。……からかわれたら口惜しいじゃない」

「えっ?えっ?嘘なんか言ってないよ」

「「「「「「そうだ、そうだ!!素直ちゃんは、嘘なんか言ってないぞぉ」」」」」」

「「「「「「鞍馬、マジで可愛いって!!滅茶苦茶イケてるってばよぉ!!」」」」」」

「えっ?あぁ、本当ですか?」

「「「「「「マジでマジで!!大丈夫、大丈夫!!」」」」」」

「そうなんだ。えぇっと、じゃあ素直ちゃん、嘘付いてごめんなさい」

「えっ?あぁ、うん」

「「「「「「うわっ!!マジで可愛いじゃん!!」」」」」」


「うわ、ちょっと待って。少し喋っただけなのに、一瞬にして観客を味方に付けた」


心得①


笑いは親密度に繋がるから。

恥ずかしがらずに、色んなパターンで面白い事をしましょう。


矢張り此処も『可愛いだけ』の面白さじゃ、何所のアイドルユニットでもやってますので。

こう言う馬鹿な事をするからこそ親しみ易さが上がり、世間での好感度を上げるチャンスでもある訳です。


実際的に考えても【話しやすい女の子ってポイントが高い】でしょ。


この点については、伊藤さんが一番、好感度が高くなる可能性が高いですね。

ただ過度にやり過ぎると、欲豚ネェさんの千尋さんになるので気を付けましょう。


それでも千尋さんは、好感度が異様に高いですけどね。



「「「「「「なぁなぁ、鞍馬。けど、鞍馬って歌を唄えるのか?」」」」」」


ほらね。


親しみ易さを滲み出させて置けば。

相手からの言葉が、自然と軽くなるってもんなんだよ。


こうやって、心の隙間に入って行くんだよ。


憶えておいてね。



「えっ?あぁ、私ですか?私、ベーシストだから、歌なんて全然唄えませんよ」

「「「「「「プッ!!ダメじゃん!!」」」」」」

「ホント、ダメですよね。……あぁ、でもですね。今日は、口パクの練習を一杯してきましたんで、そこは多分大丈夫ですよ」

「「「「「「えっ?」」」」」」

「あぁ、いや、なんと言いますか。あまりにも下手糞なんで、スタッフの皆さんに、私だけ編集して貰ってるんですよ。だから、大丈夫ですよ。一安心です」

「「「「「「えぇ?じゃあ、今までのライブも、全員が全部が口パクだったのか?」」」」」」

「違う違う。私達は口パクなんて一回もした事ないよ」

「そうですよ。下手糞なのは、私だけですからね。これは私だけの特権ですよ」

「「「「「「はぁ?」」」」」」

「そこも違う違う。眞子ちゃん、滅茶苦茶唄上手いから!!ちゃんと唄えるから!!編集なんてしてないし!!」

「あぁ、そうなの?じゃあ、普通に唄わなきゃいけないんだ。知らなかった」

「「「「「「プッ!!あはっははっはっははは……なんだそりゃあ?変な奴」」」」」」


どぉですか?


こうすれば、簡単なタブー・トークだけでも盛り上がるでしょ。


これは因みにですけど。

心得②『ライブ経験値』の問題ですね。


私はバンドを持たない根無し草なので、色んな所に呼んで貰ってHELPを毎日の様にこなしている。

なので常に、そのバンドや、ジャンルに合った多種多様なトークを、その場その場で求められてきたんですね。


その集大成が、これです。


伊達や酔狂で、色々なジャンルのライブをこなしてませんからね。

どんなライブであっても、短時間で人に興味を持たせるのは得意なんですよ。


まぁ今回のライブはアイドルユニットだけに、最初はかなりビビってましたけどね(笑)



「「「「「「なぁなぁ、鞍馬、じゃあ、ダンスはどぉなんだ?」」」」」」

「えっ?ダンスですか?そんなの出来る訳ないじゃないですか。無茶を言わないで下さいよ」

「「「「「「プッ!!じゃあ今度は、どぉするんだよ?」」」」」」

「あぁっと、どぉするんでしょうね?多分なんですけど、スターウォーズとかみたいに、レーザーで、コンピューターグラフィックとかで映し出して貰えるんじゃないですかね?……解んないですけど」

「「「「「「なっ訳ねぇじゃん!!現代科学は、そこまで進んでねぇっての」」」」」」

「そうなんですか?じゃあ、アナログで頑張ります。下手糞ですけど」

「「「「「「あはははっは……どうせ上手いくせに」」」」」」

「えぇっと、どうでしょうかね?練習だけでもクタクタだったんで、此処は本気でダメかも知れませんね。その時は諦めて下さい」

「「「「「「あはっはははっは……はいはい!!じゃあ、期待しない」」」」」

「……酷い。いっぱい頑張ったんだから、ちょっとぐらいは期待して下さいよぉ」

「「「「「「ドッチだよ!!あはっははっはははっは……」」」」」」



「本当になにこれ?凄い。たった1人で、完全に自分のペースに持って行ってる」


此処は心得③『天丼』が重要ポイントですね。


何故なら、人って言うのはね。

適度に同じ笑いのネタを繰り返されるのが好きな習性がある生き物なんですね。


ですから、一発を狙った様な破天荒なネタを打ち出すよりも。

ある程度は相手にも認知されてる様なネタを繰り出した方が、意外と受けが良かったりするんですよ。


それ故に、会場との一体感を計るには『天丼』は、かなり便利。


ただまぁ、あまりくどく成らない程度には、納めとかなきゃいけないけどね。


それと、序に言って置くならば。

こう言う風に言って置けば、観客の皆さんにも程良い期待感を持って貰う事も出来る。


勿論そこには、バランスの問題なんかも絡んで来るんだけど。

流石に全く期待されないと、注目度が0で、ゲストに呼んで貰った意味すら無く成っちゃいますからね。


けど、ゲストで呼んで貰ってるからこそ、そろそろ潮時だね。


出過ぎた真似は嫌われる。


此処でのバランスも大切だからね。



「「「「「「なぁなぁ、鞍馬……」」」」」」

「あぁっと、ちょっと待って下さい。お願いですから」


両手を前にして『待って待って』な感じで、そう言ってみる。


心得④

出来る限り、体全体を使って表現すると、相手にも、なにが言いたいのか伝わりやすい。


そこに可愛い仕草を入れると、より効果的だから。

3B-GUILDのみんなには、とても有効な手段だと思うよ。


此処もシッカリ憶えておいて下さいな。



「「「「「「うん?なんだ?どうした?」」」」」

「あっ、あの、あのですね。私、下手糞ながらも、そろそろ、みんなと一緒に歌を唄いたいんで、質問は終了して貰って良いですかね?それにですね。私は、大体こんな感じのお気楽な感じの人間なんで、これ以上、質問して頂いても大した回答は出来ません。だからもぉ勘弁して下さい。……実はシャイなんで」

「「「「「「プッ!!どこがだよ!!」」」」」」

「あの、笑わないで下さいよ。これでも言ってる本人、結構、大真面目なんで」

「「「「「「あははっははっは……絶対嘘だ!!」」」」」」

「……酷い。間違って無いけど」

「「「「「「あははっははっは……結局、間違ってないのかよ!!」」」」」」


……っとまぁ、大まかな所は、こんな感じですかね。


こうやって人知れず、他人から人気をドンドン奪うんですよ。


解りましたか?



あぁ……ってか!!

完全に3B-GUILDのメンバーが呆けちゃった。


やり過ぎたかな、こりゃあ?


しょうがないんで、横にいる由佳ちゃんを肘で突く。


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


【後書き】

最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございますです♪<(_ _)>


毎度毎度HELPばかりしてる眞子。

それだけに『人に興味を持たすの技量』は群を抜いてますね♪


この辺に関しては、散々苦労もしてきてる事でしょうしね。


これもある意味、成長の証だと思います(笑)


さてさて、そんな風にゲストとして呼んで貰ったお礼として、経験値のお裾分けをした眞子なのですが。

どうやら、やりすぎたのかして、完全に3B-GUILDのメンバーが呆けてしまいました。


一体、この状況を、どう打破するつもりなんでしょうか?


次回は、その辺を踏まえて書いて行きたいと思いますので。

良かったら、また遊びに来て下さいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾

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