1316 届け!!3B-GUILDの気持ち!!

 観客席に向かって飴玉を投げるイベント。

そして二階席からの「届いてない」っと言う要望を叶えるが為に、一番遠投力があろう伊藤さんが飴を投げようとした瞬間。


彼女の『ガラスの肩』が!!


***


「素直チン、ごめん。私の肩は、もぉダメだ……後の事は頼んだよ(ガクッ)」

「うん。任せて。舞歌ちゃんの気持ち、すべて僕が受け取ったよ。なんとかしてみせるよ」


そう言って素直ちゃんは、ステージの脇からデッカイ飴型の風船を持ってくる。


いやいや、本当に、なにしてるの、この子等?



「ブッ!!素直チン、なにその風船?あれって、なにか知ってる琴ミン?」

「こっ、これも、聞いてないでありんすよ。なっ、なんでありんすか、それ?」

「これはね。今の舞歌ちゃんの気持ちが詰まって大きくなった飴玉だよ。これを、みんなで投げて、二階席に届け様と思うの」


なるほど。


伊藤さんの遠投ネタが、少々マンネリ化の兆しを見えてきたから。

此処で早くもグレードアップを試みて、そろそろ一回位、二階席に届け様って腹なんだ。


でも、風船とはまた可愛くも、メルヘンチックな演出を考えたものだね。


普通のライブじゃ、こう言う光景って中々お目に掛かれないもんね。



「そぉそぉ、この気持ちの篭った飴玉なら、なんか届きそうな気がするでしょ」

「うわっ!!『ガラスの肩が壊れた(ガクッ)』とか言ってたくせに。いつの間にか、ちゃっかり素直チンの横に行ってるし」

「完全に騙されたでありんすぅ~~~!!」


あの様子じゃ、大谷さんと琴ミンにだけは、本当になにも知らされてなかったんだ。

俗に言うこれは、伊藤さんの小さな復讐劇。


けど、伊藤さんって良いセンスしてるね。

下手したら素直ちゃんや、由佳ちゃんよりトークが上手いかも知れない。



「なにしてるの?3-Bみんなで、私達の気持ちを、観客席のみんなに投げるよ」

「えっ?あぁ、はいはい、今行く、今行く」

「由佳ニャン待っておくんなまし。ワッチも行くでありんすぅ」

「「「「「「あははははははは……」」」」」」


……っで。

由佳ちゃんと琴ミンが会場の皆さんに笑われながらも、風船の周りに、みんなが集まり。


伊藤さんの掛け声と共に……



「行くよぉ!!届け二階席に!!私達の気持ち!!せ~~~~~のぉ~~~~!!」

「「「「「「よいしょおぉ~~~~!!」」」」」」


ぼよ~~ん。


ぼよ~~~ん。


ぼよ~~~~~ん。

……って感じで。

観客の皆様が上手く巨大風船バウンドさせてくれて、ドンドン後ろの方まで移動して行く。


それで二階席にバウンドさせる為に、一階席の最後方まで行った時に、突然、伊藤さんが。



「私達の気持ち、そこから大きく上まで持ち上げて下さ~~~い!!」

「「「「「「お願いしま~~~す♪」」」」」」

「「「「「「うん?あぁ、そういう事か!!なら、あいよぉ~~~!!せ~~~~の!!オラァアァ~~~!!」」」」」」


おぉ……伊藤さんの要請に応え。

飴玉風船を思いっ切り観客の皆さんが上に上げたから、大分、高くまで上がったね。


あれなら、確実に二階席まで届きそうな勢いだ。


……っと思った瞬間『バ~~~ン!!』っと、大きな音を立てて、風船が破裂。

風船の中から、客席に向ってバラバラと何かが飛び出していく。


えぇ~~~!!それってヤバくない?

あの飛び出した物って、大きさからして明らかに飴玉じゃないの?

あんな高い位置から、そんな堅い物を、お客様に向って落として大丈夫なの?


かなり危なくない?



「「「「「「うわっ!!うわっ!!痛ッ……くねぇな」」」」」」

「「「「「「なんだこりゃあ?……マシュマロ?」」」」」」

「「皆さん!!私達、女の子の、柔らかくて、ふわふわした気持ちを受け取って下さい」」

「「「「「「受け取って下さい♪」」」」」」


あぁ……なるほどね。


風船の中に飴玉を仕込むんじゃなくて。

ちゃんと怪我しない様に、予め、包装した柔らかいマシュマロに詰め替えておいたんだ。


なるほどなるほど。


まぁでも、実際、風船の中に飴玉を詰め込んでたら、散弾銃を撃った様に怪我人が多発して惨劇が起こるだけ。


こんな馬鹿な真似をする奴は居ないかぁ。

もしやったら、ただの……テロになっちゃうもんね。


それに序に言えば、あの大量の落下物が飴玉だとしたら、相当な重量に成るから二階席まで上げるのは不可能だったかもしれないしね。


常識で考えれば、解る範疇の話だよね。


しかしまぁ、本当になんともメルヘンチックな演出をするもんですなぁ。



「「「「「「うぉおおぉ~~~~~っ、可愛い!!」」」」」」

「「「「「「ありがとう!!受け取ったよぉ!!舞歌ちゃん」」」」」」

「「「「「「舞歌ちゃん!!ミッション・コンプリート!!」」」」」」

「「「「「「舞歌ちゃん!!ありがとう!!」」」」」」

「うんうん♪私達の気持ちを、二階席まで届けてくれて!!みんなも、ありがとぉ~~~♪」


うんうん。

このイベントも、かなり良い感じに盛り上がりましたね。


でも、こう言うのって、アイドルユニットだから許される感じのイベントコーナーであって。

流石にロックや、パンクや、メタルのライブでやったら100%大顰蹙モノでしょうけどね。


投げても、ピックやスティックを投げるのが関の山だろうしね。


……いや、ちょっと待てよ。

そんな常識に捉われずに、一回、今度どこかのライブハウスでやってみようかな?


案外受けるかもしれないし(笑)


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


【後書き】

最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございますです♪<(_ _)>


イベントってマンネリ化すると、喜んで貰える面と、飽きられる面がありますので。

今回は、この様な方法でマンネリ化を解消させて頂きましたぁ♪


私が書いた割には、結構、可愛い演出だと思うのですが、皆さんは如何でしたでしょうか?(笑)


さてさて、そんな中。

漸く、3B-GUILDとしてのイベントも消化されましたので。

次回は眞子を呼び込むコールを開始する訳なのですが。


一体、どんなコールでステージに呼び込まれるのか?

そして眞子は、それに上手く対応する事が出来るのか?


……ってな部分を書いて行きたいと思いますので。

良かったら、また遊びに来て下さいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾

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