1315 ファンサービスは二階席まで届くのか!!
眞子がゲストとして呼ぶ為のマイクパフォ―マンスをしてる中。
ファンサービスとして飴を観客席に向かって投げて配り始めたのだが、二階席から『此処まで届いてないよ』っと言う無茶な要望が入り……(笑)
***
「えぇ~~~っ、流石に僕なんかじゃあ、その距離は無理ですよぉ」
そりゃあそうだ。
ご尤も。
特に素直ちゃんは背が低いから、余計に二階席まで届くイメージもないですしね。
「「「「「「そう言わずに頑張ってみてぇ~~~~!!」」」」」」
「えぇっと、頑張ってって言われても……あぁ、あの、じゃあ舞歌ちゃんお願い」
「ブッ!!ちょっと待って、素直チン!!それ、どういう意味?」
「「「「「「ぷっ!!あははっはははっははっは……」」」」」」
伊藤さんがメッチャ笑われてる。
まぁまぁ、伊藤さんは元々バレーの選手なだけの事はあって。
恐らくは、3B-GUILDの中じゃ一番の遠投力を持ってるのは事実なんだろうけど。
だからって、此処で直接指名するのって、どぉなの?
素直ちゃんって、極稀にトンデモナイ毒を吐くよね。
「えぇ~~~っと、あの、舞歌ちゃんだったら、その、なんとか届くかなぁって……届かない?」
「「「「「「ぷっ!!あははっはははっははっは……届きそう」」」」」」
「笑うなぁ!!って言うか、届かないからね!!」
「「「「「「ぷっ!!あははっはははっははっは……」」」」」」
うん……私もそう思う。
これって、悪意の無い軽い虐めだよね。
でも、そんな軽く怒ってる伊藤さんの元に、由佳ちゃんと、琴ミンが、ちょっとづつ近付いて行き。
肩に手を置いた後、徐に、なにやら一声掛ける。
今度は、何をする気なんだろうね?
「舞歌、諦めちゃダメ!!アナタなら、きっと出来る。私は信じてるよ」
「ワッチも信じてるでありんす。舞歌殿なら、きっと届くでありんすよ」
「はっ、はい?」
「琴ミンの言う通りだよ。舞歌なら、二階席はおろか、武道館の壁まで突き破って、きっと会場内に入れなかったファンの人にまで届くよ。きっとやれる」
「ワッチも、そう信じてるでありんす。頑張って欲しいでありんす」
「「「「「「舞歌ちゃん!!此処まで頼むよぉ!!」」」」」」
「「「「「「舞歌!!舞歌!!舞歌!!舞歌!!舞歌!!舞歌!!舞歌!!舞歌!!舞歌!!」」」」」」
すっ、寸劇?
なに、この小芝居?
「みんな……」
「やってみよ。やれるよ、舞歌」
「……そうだね。やる前から諦めたら負けだよね。みんなの、これだけの声援があれば……って出来るかぁ!!」
「「「「「「ぷっ!!あははっはははっははっは……」」」」」」
そうだね。
誰がどう考えても、常識的に女子の遠投力じゃあ無理だよね。
……って言うか。
伊藤さん、ナイスボケツッコミです。
「まぁまぁ、そう言わず、モノは試しに一回やってみようよ。舞歌でダメなら、二階席のみんなも諦めて貰えるだろうしさ」
「えぇ~~~っ。今回もまたやるのぉ。モノは試しとか言って、毎回私にやらせてない?」
あぁ、伊藤さんが『また』って言う事は、実はこのイベントって、ライブの恒例行事なんですね。
私が何度かライブに来させて貰った時には無かった演出なんだけど、どうやら此処最近のライブでは、これがお笑いの定番なんですね。
俗に言う、ライブ中の吉本新喜劇みたいな感じですか?
なら、2階席を目指して頑張って下さいな。
「「「「「「舞歌ちゃ~~~ん!!今日こそ頼むぜぇ~~~!!」」」」」」
「はいはい。あぁ、もぉヤダなぁ、この役回り。いい加減辞めたいんだけど」
「はいはい、文句言わない、文句言わない」
「はいはい。解りましたよ。じゃあ、1つ飴頂戴」
「はい、どうぞ」
ブツクサ文句を言いながらも、伊藤さんは、大谷さんから飴を受け取る。
ナンダカンダ文句を言っても、こうやってキッチリとやる所は偉いよね。
けど、この飴を遠投するコーナーって、伊藤さんにとっては、なにも悪い事ばかりじゃない。
なんと言っても、こう言う行為って言うのは、メンバーの中でも一早くキャラが立つから、観客の皆さんにも憶えて貰え易い。
リスクばかりって訳じゃないですしね。
「はいはい。そんじゃあ、遠慮なく、思いっ切り行くからね。飴に当たって怪我しても、一切責任は取れないからね」
「「「「「「大丈夫、大丈夫だ!!いつでもドンと来い!!」」」」」」
おぉ……流石、恒例企画。
一階席から、二階席まで、全員がミットを構える様に一斉に飴を取る準備を見せてるし。
ある意味、壮観ですね。
それにこれなら、少々コントロールが甘くてなっても安心。
伊藤さんも、心置きなく思いっ切り投げられますね。
そんな訳で、第一球目のモーション……
「じゃあ行くよ。せ~~~の!!」
さぁ今日こそ二階席まで届くか?
大きく振り被って、第一球のモーションから!!
「……って!!あぁ……はぅぅ、今までは黙っていたけど、痛めていた私のガラスの肩がぁ」
はい?
「「「「「「舞歌ちゃん!!」」」」」」
「「「「「「へっ?」」」」」」
「えっ?えっ?えっ?なにそれ、舞歌?新ネタ?琴ミン、なにか聞いてる?」
「ワッチは、なっ、なにも、きっ、聞いてないでありんす」
マジで?
こんなネタまで仕込んでたんだ。
まさか、こんなベタな展開を迎えるなんて、見当も付かなかったよ。
矢張り伊藤さんは……お笑い担当ですか?
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
【後書き】
最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございますです♪<(_ _)>
二階席まで届く最後の希望であった伊藤さんのガラスの肩が……
これは大変な事に成ってしまいましたね(笑)
さてさて、そんな中。
彼女の代理を務めるのは、誰なのか?
寧ろ、居るのか?
次回は、その辺を書いて行こうと思いますので。
良かったら、また遊びに来て下さいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます