1312 円陣

 みんなが、よく理解してくれてるのか。

眞子の悪人ぶった態度にも誤解する事なく、素直ちゃんの件は完全に和解が成立!!


ならば、後は……


***


「そんじゃあ、最後は。いつもみたいに円陣組んで、気合入れてみよっか」

「そうでありんすな。絶対に失敗は許されないライブでありんすからね」

「よぉ~~~しっ、じゃあ組むよ。ほらほら、仁科さんも3B-GUILDの一員なんだから、コッチにおいでよ」

「そぉ。じゃあ、お邪魔する」


あぁ……良いなぁ。


こう言うの、実は大好きだから、私もやりたいなぁ。


けど、部外者だから、此処だけは無理だよね。

こう言うのを見ると、転校の際に3-Bに入りたかったなぁって思わざるを得ないね。


ちぇ……



「うん?眞子様?なんで、コチラに来られないのでありんすか?こう言うのは、お嫌いでありんすか?」

「えっ?嘘?良いの?私も参加して良いの?」

「なに言ってんだか。眞子ちゃんは、私達3B-GUILDの一員も同然じゃない。なに今更、遠慮してんだかね」

「えぇ、でも……」

「ほらほら、早く来ないと開演しちゃうよ。は~~や~~くぅ!!」

「眞子ちゃん。此処空いてるから、早く早く!!」

「あっ、えぇっと……うん♪」


ヤッタァ!!ヤッタァ!!

これ!!やりたかった!!やりたかった!!

生まれて、この方、こう言うのを、あんまり大勢でやった事が無いから、滅茶苦茶やりたかったんだよね。

……っと思った瞬間には、体が勝手にソッチに向い。

厚かましくも私は、素直ちゃんと、運命の間に入れて貰っちゃった。


でも……勝手が解らないんだけど、これって、どうしたら良いの?



「そんじゃあ、リーダー。控え室での最後の仕事。いつもの掛け声で宜しく」

「うん。じゃあ気合入れて行くね……すぅ~~~」


あっ……素直ちゃんが大きく息を吸ったから、なにか始まるみたい。



「私達3B-GUILDは!!どのアイドルグループにも負けない!!絶対に最強!!」

「「「「「「ハイ!!」」」」」」

「絶対に無敵!!」

「「「「「「ハイ!!」」」」」」

「私達が№1!!」

「「「「「「ハイ!!」」」」」」

「だから、最後まで気合入れて行くよぉ!!」

「「「「「「よいしょ!!3B-GUILD最高!!」」」」」」


此処で、一気に円陣を開放するんだけど。


うわうわうわ!!楽しい!!楽しい!!

なんか、この一体感が凄く楽しい!!

それに、一丸となって目標に向かうから滅茶苦茶気合が入るね!!


でねでね。

この後、素直ちゃんを先頭にして、一旦、扉から一列にズラッと並んで、扉から一番遠い奥の人から扉に向って行くんだけど。

その際に、両手を上げて、頭の上で思いっ切り良い音を立てながらハイタッチして行くんだよね。


こうやって見ると、大人数のユニットって言うのも良いもんだね。

なんて思いながら、素直ちゃんの横で、奥の子のハイタッチを待って居たら。



「眞子ちゃん、ありがとう」

「眞子ちゃん、今日は、最後まで付き合ってね」

「本当にありがとう。頑張ろうね」

「今日来てくれて嬉しかったよ」


……等々と。

3B-GUILDのメンバーのみんなが、口々に感謝の気持ちを述べてくれてから、廊下に出て行くんだよね。


私……なにも出来てなかったのに……そんな事を言って貰えたら、もぉ感動して泣いちゃうぞ。


既に半泣きだけど。


……そうしてる内に、木根さんが目の前に来て……


『パンッ!!』



「眞子様、本当に、今日は、ありがとうでありんす。眞子様のお陰で、アリス殿を気持ち良く送り出せるでありんす。感謝でありんす」

「……木根さん。本当は全部解ってたクセに」

「ふふっ、それはどうでありんすかね」


曲者だなぁ。


でも、結構、本音で話したからこそ、こう言う曲者な琴ミンを垣間見る事が出来た。


だから、私を呼んでくれて、ありがとう。


今日、此処に来なきゃ永遠に解らなかった事だから……



『パンッ!!』



「ホント、ありがとう、眞子ちゃん。言い合いは成ったけど、眞子ちゃんのお陰で、また3B-GUILDの絆が深まったと思う。偶には本音でぶつかるのも悪くないね」

「……伊藤さん。でも、程々にしないと、本当の喧嘩になっちゃうよ」

「だね。でも、それも悪くないかも」


そうだね。

本音でのぶつかり合いは、色々傷付く事があるかも知れないけど。

本来は、それがなきゃあ、絆なんてものは深まる筈ないもんね。


私は、その意見に賛成だ。


それに、それを制御するのが、今後の3B-GUILD内での伊藤さんの立ち位置なのかもね。



『パンッ!!』



「眞~~~子ちゃん。私は、まだ感謝の言葉は述べないよ。……最後の最後まで、その言葉は取って置きたいからね。今は言わないよ」

「うん。そうだね。……全力を出し切ってから、感謝されてあげるよ」

「言う言う。……流石、眞子ちゃんだね」


最後の言葉が出ないぐらい、一生懸命、目一杯頑張ってみせるよ。

だから、由佳ちゃんも、素直ちゃんの後を継いで、シッカリ、みんなを纏めてね。


次期リーダー。


はぁ……でも、ホントこう言うのって良いよねぇ。

一体感って言うか、仲間意識って言うか、本当に価値の高い良い時間を過ごさせて貰ってる。



『パンッ!!』



「眞子。ありがとう。初めて、私の居場所出来たのかも……」

「うん。でも、出来たのかもじゃないよ。初めから、此処が運命の居場所なんだよ」

「そぉ……」

「頑張りなよ、運命」

「そぉ」


運命の居場所は、キッチリと此処に有るんだよ。

だからこれからも、なにか困った事が有ったら、みんなや、私に相談するんだよ。


それで、みんなとも仲良くするんだよ。


運命は、もぉ殻になんか閉じ篭っちゃダメなんだからね。


……さて。

私の横の運命が通り過ぎたから。

これで私の横は、扉に一番近い素直ちゃんだけになった。


だから此処は、思い切り良い音でハイタッチをして……



『パ~~~~~ンッ!!』



「素直ちゃん。素直ちゃんの3B-GUILDでのラストライブ。飛ばさせて貰うよ」

「うん!!でも、相当気合入れていかないと、僕達のライブは付いて来れないよ」

「心配御無用。私が、素直ちゃん達のファンを、全部持って行ってあげるから。後で、私を呼んだ事を後悔しても遅いからね」

「やってみなよ。……なんてね。最後まで宜しくね、眞子ちゃん」

「ふふっ。任された」


さぁ、これで全ての準備が整った。


さぁさぁ、いよいよ始まるよぉ~~~。


素直ちゃんの卒業ライブが!!

(卒業ライブの最終日は明日なんだけどね(笑))


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


【後書き】

最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございますです♪<(_ _)>


長らくお待たせいたしました。

これで次回から、漸く3B-GUILDのライブを書く事が出来ますです♪


なので、眞子達同様に気合を入れて書いて行く所存なのですが。

折角、アイドルグループのライブを書くのですから、今回の3B-GUILDのライブは、いつものライブとは少々違う趣で書いて行きたいと思いますので、是非是非、よろしくお願いします♪

٩( ''ω'' )و


ではでは、また次回、3B-GUILDのライブでお会いしましょう♪

(*'ω'*)b

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る