1311 素直ちゃんを庇った結果

 素直ちゃんを庇う為に『こうなった原因は自分の責任だ』と主張する眞子。

だが、それは、自身の好感度を下げる様な言動だった為、みんなの反応はと言うと……


***


「ふふっ……解ってるちゅうの。なにも素直チンだけが、眞子ちゃんの友達じゃないんだよ。みんな、ちゃんと解ってるちゅうの」


えっ?……伊藤さん?



「ホント、馬鹿にしてるよね。そんな仲居間さん紛いな事をしても、直ぐに解るちゅうの。この大根役者」


だっ、大根役者?……って由佳ちゃん?



「ホント、酷い演技でありんすね。そんな演技じゃ、誰も騙せないでありんすよ。そんな人じゃない事ぐらい、ワッチ等全員が良く知ってるでありんすよ」

「「「「「ふふ……ホントにもぉ、眞子ちゃんだけは、この大根役者」」」」」」


あれ?


なにこれ?



「……って言うか。結果的に言えば、素直チンが悪いよね」

「へっ?違う違う!!だから、違うって!!違うってば!!私が一方的に悪いんだってば!!」

「うぅん。違わないよ。僕が悪いの」


えぇ~~~っ!!

それで話が纏まったんじゃ、今まで必至に説明した意味がないじゃん!!


なんじゃね、これ?



「ホントだよね。素直チンの『説明不足』が一番の問題だからね。ちゃんと説明しないとダメだよ。そこは悪い処か最悪だよ」

「えっ?」

「本当でありんすよ。アリス殿が、突然『3B-GUILDに居るのが辛い』なんて事だけを言うから、こんな事態に陥ったでありんす。眞子様が教えてくれた『経緯』がなきゃ、話にも成らなかったでありんすよ」


あっ……そう言う風に取ってくれましたか。


みんな、優しいんだね。



「はい、じゃあ、この話は、もぉお仕舞い。それで良いよね、次期リーダー?」

「当然。これ以上ライブ前のゴタゴタは、お断りだからね。……けど、素直チン。最後に聞くけど。本当に、今後どうするの?」

「あぁ……それは……」

「あのさぁ、なんだったら、まだメディアに発表してないんだから、残ってくれても良いんじゃないかなぁ。素直チンが嫌じゃなきゃ」


……良かったぁ。

さっきとは打って変わって、なんか良い方向に話が向ってますね。


でも、これって、全ての蟠りが取れたと、安易に考えて良いのかなぁ?


まぁけど、取れてなきゃ、こう言う発言は出ないか。



「ありがとう、大谷さん。……でも、ヤッパリ、僕は3Bを卒業させて貰うよ。気持ちは凄く嬉しいけど、1度言い出した事は実行しないとね」


見た感じ、意地を張ってる様子はないなぁ。

っと言うよりも、自分の意思を明確に伝えてる様な感じすら伺える。


けど、そうなると、なんでなんだろ?



「無理しなくて良いんだよ。そう言うのってさぁ、世間にバレなきゃ問題無いんだから」

「あぁっと、そうじゃなくてね。僕……僕ね。今さっき『新しい目標』が出来たから、それにチャレンジしてみたいの。僕なんかじゃ到底無理かも知れないけど、どうしてもチャレンジしたい」


なるほど、此処に来て『新しい目標が立った』からこそ、自身の意思表示をハッキリさせた訳かぁ。


なら、理に適った行動ではあるんだけど、その目標って、なんなんだろうね?

ひょっとして、此処まで親切に迎えてくれた3B-GUILDへの恩返しの為に、強力なライバルに成って帰って来るって奴かなぁ?


あっ……それは私的な発想だ。

じゃあ、これは違うね。



「そっかぁ。じゃあ、どう有っても、今回、卒業する気なんだね」

「折角、こんな自分勝手な僕を誘ってくれてるのに、ごめんね。でも、僕……」

「そっか、そっか。じゃあ、もぉなにも言わないし、なにも聞かない。後はライブで、素直チンの卒業だけを盛り上げてあげるよ。今までのお礼としてね」

「あっ……ありがとう、大谷さん」

「あぁ、それとね、素直チン。もしダメだったら、いつでも戻っておいでよ。その時は、またみんなで、色々揉めながらやろうよ」

「……伊藤さん」

「そうでありんすよ。アリス殿の帰って来る場所は、いつでも空けておくでありんすから」

「木根さんまで……」

「「「「「いつでも、帰っておいでね。待ってるよ」」」」」

「みんな……」


うわぁ~~~っ、なんか良い雰囲気気になりましたね。

みんな、まるで昭和のドラマを見てるみたいな青臭い青春してますね。


TVなんかでこう言う場面に遭遇すると『鼻に付く臭い演出だなぁ』とか思って、ついつい馬鹿にした見方しか出来なかったけど。

実際、目の前で起こると……ちょっと感動して、涙腺がウルッと来た上に、羨ましいなぁとさえ心の中で思っちゃうもんだね。


こう言うのって、本当に良いよね。


私は好きだなぁ。


……まぁ現状でも、少々懸念すべき点がなくはないんだけど。

折角、良い雰囲気に纏まりかけてるのに、今は、そういう余計な事を言うべき場面じゃないよね。



「そんじゃあ。みんなの気持ちから、素直チンに対する全ての蟠りが消えた事だし。今日のライブ、素直チンの卒業をお祝いする為にも、絶対に成功させるよ!!」

「よく言うよ。自分が一番蟠ってたクセに」

「あのねぇ、舞歌。折角、良い場面なのに……それ、今、言わなくても良いんじゃない?」

「美味しいと思ってるくせに」

「まぁ……ちょっとだけね」

「「「「「「あはっはははっはっはっは……」」」」」」


笑われたね。


でも、それもまた良い感じだよね。


これで、さっきより更に良い雰囲気になってるみたいだしね。


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


【後書き】

最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございますです♪<(_ _)>


友達と言うものは、ある程度、相手の事を理解してるからこそ成立するもの。

特に眞子の様なコミュニケーションお化けな子の場合、このあたりの性格は解りやすい為、3B-GUILDの面々もよく理解してくれてたみたいですね♪


前回の文化祭の際にも、盛大にやらかしてますし(笑)


ただ、そうなると、まるで素直ちゃんは、みんなに理解されていない様な発言に成ってしまうのですが。

これに関しましては、コミュニケーションお化けの眞子とは真逆でして。

素直ちゃんは、意外と『自身が心を許した相手ではないと、一歩遠慮したような行動をとる性格』なので、まだみんなも理解しきれてない部分が存在しているからこそ、こうやって揉め事が起っちゃってる訳なんですね。


まぁ、3B-GUILDのリーダーをやっていたから訳ですから『それはどうなん?』って思うかもしれませんが。

リーダーをするのと、プライベートな問題は、また別問題だと思い、私は、こういう風に2人の違いを表現させて頂きました♪


これで素直ちゃんも、自身のコミュニケーション不足を痛感したと思いますし。


さてさて、そんな中。

こうして漸く、雰囲気としては悪くない状況に、やっと持ってこれた訳なので、この後は、気持ち良く、みんなでライブを行うだけ!!


ならこれで、そろそろライブ前のゴチャゴチャは終わらせて、3B-GUILDのライブに行ってみましょうかね♪


……ってなお話を、次回は書いて行こうと思いますので。

良かったら、また遊びに来て下さいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾

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