1307 実は琴ミンは……
木根さんの素直ちゃんに対する意見を聞こうとしただけなのに。
彼女自身は、素直ちゃんの事を何とも思っておらず。
寧ろ、倉津君の為に、素直ちゃんが何かおかしな行動をとらないか監視をしてただけと知らされる眞子。
そのあまりの献身的な態度に、眞子は、ある事に気付いて……
***
「あの、あのさぁ、琴ミン」
「うん?今度は、なんでありんすか?」
「これは私の予想でしかないんだけど、ひょっとして、琴ミンってさぁ。……実は、全然オタクじゃなかったりする?」
「えっ?あぁ……そこにも気付かれてしまったでありんすか」
やっぱり図星だったか。
話の流れからして木根さんは、そうじゃないかとは思ったんだけど、まさか此処もビンゴだったとは。
……って言いますのもね。
木根さんって、真琴ちゃんが喜ぶ事だけを重点に置いて色々試行錯誤しているだけの事は有って、どう考えても真琴ちゃんに対する研究には余念が無い訳じゃないですかぁ。
だから真琴ちゃんが、密かに楽しみにしていた『コミケ』の情報を何所かで聞きつけて、あのイベントに参加させる為に、このキャラ付けを選択したんではないかと思って、かまを掛けてみたら案の定。
矢張り、私の予想に反する事なく。
あれは真琴ちゃんの為だけに作られたキャラであって、本当はオタクではなかったんだね。
これに関する別の証拠を上げるとしたら、去年の文化祭ライブの際。
そんな風に、あまり琴ミンにとっては得意分野じゃない『オタク系』の情報を収集する為に、ステージ上で自分がオタクだと自己主張をしてまで、真琴ちゃんの為にあのキャラを作りをした、なんて事も考えられるし。
それに伴って、さっきの『知ったかした京都の偽情報』に関しても、あれも大ボケキャラを演出する為のものだと考えれば、納得できなくもない。
普通に考えても、京都弁キャラで、あんな初歩的なミスはしない筈だしね。
それ故に、あれさえも計算し尽くされた上で作られたキャラだと立証できると思う。
それにしても木根さんって、裏では、どこまでも真琴ちゃんに対して献身的な子だったんだね。
これはもぉ、完全に認識を改めなきゃいけないわ。
「あぁ、うん。そこも、今しがた気付いた所なんだけどね。ひょっとしたらそうじゃないかなぁって思って」
「そうでありんすか。でも、これだけは、絶対に真琴様には内緒にしてて欲しいでありんす。変に気負いさせてしまって、真琴様におかしな負担は掛けたくない故」
まぁそうだよね。
実は、あれはキャラ付けであって『オタク関連の話には全く興味がなかった』なんて事を真琴ちゃんに知られたら、完全に真琴ちゃんが思う木根さんのキャラが崩壊ちゃうもんね。
真琴ちゃん自身ショックを受けるかもしれないし。
ならば此処での回答は……
「勿論だよ。そんな事をワザワザ言う程、私も野暮じゃないよ」
「それはありがたいでありんす」
まぁ、元本人なんですけどね。
今は完全に別人格になってしまっているので、今更、余計な事は言い付ける様な真似はしませんよ。
木根さんが、裏で真琴ちゃんを支えてくれると言ってくれてる以上。
そこまで真琴ちゃんに、お節介をする必要性もないですからね。
「それと、序でと言ってはなんなんでありんすが、眞子様にはもぅ1つお願いがありんす」
「なに?なに?」
「出来れば眞子様にも、今までの話などを変に意識せず。今まで通り、ワッチに接して欲しいでありんす。ワッチは、どうあっても真琴様に与えられた3B-GUILDと言う場を失いたくはない故に」
お願いって言うから、一瞬、何事かと思ったら、そう言う願いかぁ。
まぁまぁ、けど、それ自体は順当なお願いではあるよね。
( ゚д゚)ハッ!
あぁ、だからこそ、その交換条件として、先に素直ちゃんの友達関係の件を全て飲むって言ってくれた訳かぁ。
そうして置けば、先に自分が条件を飲んでるだけに、私も断り難いと踏んだんだろうね。
なるほど……それは中々強かな交渉の仕方ですな。
「OKOK。そこは了承させて貰うよ。それに心配しなくても、人に悟られる様な無様な真似はしないしね」
「そうでありんすな。眞子様には無用な頼み事でありんしたな」
「それは買い被りすぎだよ。なんにしても、口止めをして置くに越した事はないからね。賢明な判断だと思うよ」
「全然賢明なんかではないでありんすよ。ワッチは、ただ単にビビリなだけでありんすから」
「どうだかね。……怖い怖い」
その言葉が、真実である事を望むよ。
出来れば、絶対に敵に廻したくないタイプだからね。
ホント、そう望むよ。
***
……っとまぁ、そんな訳でして。
各々の色々な思惑が交差したままの状態で、次回こそは、漸く本格的に3B-GUILDのライブがスタート!!
ホント、このライブ、どういう結末を迎える事やら。
まだまだ問題が山積みってね。
こりゃあ、大変だ。
***
次回予告。
いやはや、本当に申し訳が無いですよ。
誰彼構わずペチャクチャペチャクチャ喋ってる内に、色んな問題に首を突っ込み。
気付けば、こんな風に全然話が進まない様な状態になっちゃってるんだから、本当に、お詫びの言葉しかないですよ。
普通の物語だったら、現状でライブが始まってる処か、もぉライブの佳境にまで到達していてもおかしくはない話ですしね。
(;´д`)トホホ
でも、だからこそ、次回こそは、ちゃんとそのライブ中継を、皆様にお伝えしようと思っております。
そんな訳で、次回は……
『A 3B-GUILD`s live②』
「3B-GUILDライブ②」
……っで、お逢いしましょう。
こんな調子だけど、懲りずに見てね。
どうかそこだけは、平に宜しくお願いします<(_ _)>
呆れて見捨てないでね。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
【後書き】
最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございますです♪<(_ _)>
これにて第一章・第七十八話『A 3B-GUILD`s live②(3B-GUILDライブ②)』はお仕舞に成るのですが、如何でしたでしょうか?
まぁ、なんて言いますか。
表舞台が華やかに見える分、裏での思惑と言うのが一般的には見えにくい物なので。
普通に考えたら、その華やかな部分にだけスポットライトを当てて物語を進めれば良いのかも知れませんが……
やっぱり、人間関係を綺麗に清算した上で、そのスポットライトを浴びるべき華やかなシーンを書いた方が、読んで下さってる方にも納得して貰えるんじゃないかなぁって思い、こういう話を長々と書いております。
いやはや、いやはや(∀`*ゞ)
さてさて、そんな中。
まだまだ問題は沢山残っているのですが、開演時間が迫っているのも事実。
なので次回から始まる第一章・第七十九話『A 3B-GUILD`s live②(3B-GUILDライブ②)』では、それらの問題を解決しながらも、ライブシーンに移っていきたいと思いますので。
良かったら、また遊びに来て下さいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾
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