1304 ボケ担当3人が集まったら

 ある程度の話し合いが出来るお膳立ては終了。

なので後の事は、当人同士に任せ。

シャワーを浴びる為に、その場から逃亡した眞子と運命ちゃんなのだが……


***


 ……っとまぁ、こうやって。

最終的には本気で投げっ放しをかまして、2人を置いたまま練習場を去って行ったんだけど。


私は、私也に、これがベストな選択だったと思う。

だって、ユニット内で定義された問題を、すべて部外者の私に片付けられていたんでは、この先、思いやられるだろうし、2人の立つ瀬も無くなる。


故に、この後、多少の罵りあいに成ったとしても。

当人同士が本気でぶつかり合って、最終的に納得さえ出来れば問題はない筈。


仮に上手く行かなくても、これは、これで、大きな成果がある筈だからね。

いつまでもネチネチと陰湿な事をして、お互いで蟠っているよりは十分マッシな結果にはなると思いますしね。


私は、ある程度、言いたい事を言い合える仲こそが、本当の友達だと認識してるしね。



まぁこの辺については、かなり『男思考が濃い』のかも知れないけどね。


***


 ……そんな訳でして、素直ちゃんと由佳ちゃんから逃亡を果たした私は、今現在、運命を連れてシャワー室に向ったんだけど。

さっきの話し合ってる間に、もぉ殆どのメンバーが、シャワーを浴び終わっており。

バスタオルを巻いた状態だったり、下着姿のままであったりはするものの、みんな最終準備にアクセクしてる。


そんな中、それらに指示を送っているのは、次期サブリーダーの片割れである伊藤さん。

意外と、こう言う所は、由佳ちゃん同様、板についてるのかテキパキと指示を飛ばしている。


此処で早くも、サブリーダーとしての風格が出てきている様に思える。


リーダー不在でも安心な感じですね。


……でもね、その反面。

もぉ片割れのサブリーダーである木根さんは、まだ呑気に、鼻歌交じりでシャワーを浴びてたりする。


まぁ指揮系統は、木根さんには、あまり合わない役割だから、この辺は呑気にしてても問題無いのかも知れないね。

恐らく、彼女のサブリーダーとしての役割は、ライブでの実働、及び練習でのチェックがメインだと思われるしね。

素直ちゃんが抜けた後のHIS-GUILD自体が、役割分担をハッキリさせてる証拠なんだろう。


……っとまぁ、そんな感じなんで、私は敢えて、呑気な木根さんの横のシャワーを使う事にした。


この機会に、他のメンバーの素直ちゃんに対する認識を確認しておきたいしね。


あぁ因みにだけど、運命は、私の、そのまた横のシャワーを使ってる。



「琴ミン、お疲れぇ~」

「あぁ、眞子様、お疲れでありんす。それに運命殿も、お疲れ様でありんす」

「お疲れ様……でも、琴ミン、変な喋り方」


ブッ!!

いつもの様に恒例のジャブ話を振ってから本題に入ろうと思ってたんだけど。

イキナリ運命が、琴ミンには『言っちゃいけない事』を言っちゃった。


そう言う事は、思ってても、言っちゃダメですよ!!


琴ミンのそれは、一応キャラ付けなんだから。


・・・・・・


……って、まさか運命ってば。

さっきの指摘を聞いて『思った事は言わないとダメだ』って思ってるんじゃないでしょうね?


もしそうなら、この子は、どんなに素直な構造で出来てるのよ……


疑う機能が0?



「あぅ……あの、運命さん」

「そうでありんすか?これは、京都府民が全員使ってる言葉遣いでありんすが。そんなに変でありんすか?」


嘘だぁ!!


そんな人、京都中を探しても、そんなに居ないから!!

極一部の人が、営業用に使ってるぐらいにしか見掛けないから!!


運命に嘘を教えるんじゃないの!!



「京都?鹿が一杯居て、大仏のある所?」


それは奈良!!


京都は、清水寺や、八坂神社がある所!!



「そうでありんすね。その他にも、三輪素麺が、おいしゅうございますな」


またまた嘘吐き!!


だから、三輪素麺も奈良!!

京都は豆腐が美味しいの!!


そんな事も知らないで、平然と『京都弁』を使ってるとか言うんじゃありませんよ!!

京都のキャラ作りしてるなら、ちゃんと京都を調べなさいな!!


京都府民全員に謝ってきなさい!!


……ってか、この2人、ツッコミ面倒臭い!!



「そぉ、憶えておく」

「京都の、お得情報でありんすよ」


だから、それは奈良だって……


もぉ無理!!もぉ無理!!

運命が間違った知識で憶えたら大変だから、我慢の限界ですよ!!



「……奈良だから」

「「えっ?」」

「私の記憶が正しかったら『鹿』も『大仏』も『三輪素麺』も、全部、奈良の名産だから……」

「あぁ……そぉ。琴ミン、嘘良くない」

「あぅ。申し訳ないでありんす。激しく勘違いしてたでありんす」


それはまた豪快に酷い勘違いをしてたもんだね。

近畿って所以外、なに1つ合ってない様な気がするんだけど。


でも、地元の神奈川県以外の都道府県の認知度なんて、所詮、そんなもんなのかもね。



「勘違い?……そぉ。それなら、仕方が無い。私も良く勘違いする。琴ミン悪くない」

「面目ないでありんす」


まぁ……間違いだと認識したんなら、別に良いけどね。


でも、人に教える時は、ちゃんと下調べしなきゃダメだよ。

適当に話を合わせたら、後で、多大なクレームを喰らう事に成りうるからね。


下手な知ったかぶりは、身を滅ぼしますよ。


……っとまぁ、強引なジャブ話は、これ位にして、本題の素直ちゃんの件を聞いてみよ。



……っと思ってたら。



「あっ!!眞子。私、忘れ物をしてきた。取りに行って来る」

「えっ?あぁ、そうなの?」

「そぉ、だから行って来る」


……っと言って、ボケをカマすだけカマして。

突然の様に、忘れ物を思い出した運命は練習場に向かって行く。


勿論、服を着てからね。


でも、これは、木根さんと2人で話をするには、絶好の機会に巡り会えたと言えよう。


故に此処からは、早速、その話を切り出してみるのが順当なんだろうね。


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


【後書き】

最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございますです♪<(_ _)>


真面目な話をしたり、ふざけた話を書いたりと忙しい物語なのですが、

ブッチャケ今回に至っては、眞子・運命ちゃん・琴ミンと言った『ボケ担当が3人も集まった』のだから仕方がないと思います(笑)


現に、運命ちゃんがボケるだけボケて、最後には忘れ物を思い出すというボケをかましたあの状況じゃあ、どうしようもなかったと思いますしね(笑)


さてさて、そんな中。

ボケをかました運命ちゃんは忘れ物を取りに言った状態なので、琴ミンと2人きりになった眞子。


此処で予定通り、素直ちゃんに対する琴ミンの本音を引き出す事が出来るのか?


次回は、その辺を書いて行こうと思いますので。

良かったら、また遊びに来て下さいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾

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