1303 和解を目指せ!!
3B-GUILDのメンバーによる、素直ちゃんに対する奇妙な行動(無視)。
その真相は、卒業の理由を伝えきれていない事だと判明したのだが。
卒業の理由が『倉津君絡み』だっただけに、これはとても言えた代物じゃないと判断した眞子は……
***
「待って、待って」
「待たない」
「どうして?」
「眞子ちゃん部外者だよね。だったら、なんで待つ必要が有るの?これは3B-GUILD内の問題なんだけど。素直の旗色が悪くなったからって、口出ししないでくれる」
うわっ。
バランスを取る以前の問題として、やけに攻撃的に成っちゃってるね。
なら……
「あぁ、そぉ。じゃあ、別に何も言わないけど。勿論、素直ちゃんの本当の気持ちを知った上で、そんな事を言ってるんだよね?」
此処からは、相手の感情や話に上手く合わせながら、由佳ちゃんが納得出来る様な内容に構成するしかないよね。
真琴ちゃん絡みだったとは言え。
私が真実を知ってる以上、これじゃあ素直ちゃんが、あまりにも可哀想過ぎるよ。
「素直の本当の気持ちって、なによ?裏切り者の気持ちなんて解りたくもないよ」
「知らないんだ。本音も知らないで、そんな事を言ってるんだ。……よくまぁ、それで仲間だなんて言えたもんだね。その方が、どうかしてるんじゃないの?」
「なによ?本人が理由を言わないんだから、知り様がないじゃない。それを、どうやって解れって言うのよ?」
「馬鹿じゃないの?そんなの知ろうとしないから、知らないだけじゃない。現実をちゃんと見れば?そう言うの、ただの怠慢って言うんだよ」
「なにそれ?ストーカーなの?気持ち悪い」
「はぁ?仲間の気持ちを解ろうとする事が気持ち悪いんだ。ストーカーなんだ。まぁそんなんだから、運命の事も、なにも考えずに仲間外れにしようとするんだろうね。調子の良い事ばっかり言ってんじゃないわよ」
怒ってないよ。
怒ったフリした方が、相手の本音を全部吐きだせるでしょ。
だから、こんな挑発紛いの事をしてるの。
序に言えば、この期間中に、どうやって上手く話を持って行くかルートを探ってるんだけどね。
一応、それも見えてきた。
これさえ上手く噛み合えば、お互いの言い分を上手く纏めれると思う。
「部外者なのに言いたい放題だね、眞子ちゃん。なら、その素直の気持ちとやらを教えてよ。それが納得出来る様な内容なんだったら、無視は、もぉ辞めてあげるよ」
「あぁっそ。結局、最後の最後まで、人に聞かなきゃ解んないんだ」
「よく言うね。本当は、自分も解らないから、そうやって無駄に時間稼ぎしてんじゃないの」
「舐めないでね。素直ちゃんの気持ちなら、もぉとっくに伝わってるよ」
「気持ち悪い。……なら、もぉ御託は良いから、早く言ってみなよ」
OKOK。
順調な感じで挑発に乗ってくれてるし、話を進めるには良い頃合になった。
なら此処から一気に畳み掛けるよ。
「良いよ。……良い、由佳ちゃん?その耳をかっぽじって良く聞きなよ。まずにして素直ちゃんはね。真琴ちゃんに頼まれたから3B-GUILDに入ったの。そこ解ってる?」
「男絡み……最悪」
「どこが?好きな男の子に頼まれてユニットに参加して、なにが悪いって言うの?それに最悪なのはドッチ?勘違いも甚だしいね」
「なにがよ?」
「なにからなにまで解らないの?本当に馬鹿なんじゃないの?」
「だから、なにがよ?」
「いい加減にしなよ。素直ちゃんは、3B-GUILDに参入した時点で、もぉ全国規模で人気が有ったシンガーだったんだよ。それをなんでワザワザ、真琴ちゃんに頼まれたぐらいで、そんな無名のユニットに入る必要が有るのよ?3-Bのみんなを仲間だと思ったからこそ参入を決意したんじゃないの?少し世間の知名度が上がって、人気が出たからって、調子に乗らないでよね」
……って、言い回しで、どうかなぁ?
結局の所、真琴ちゃんと言う男絡みなのは否めないけど、こう言う捉え方もあると思うのね。
それに、此処まで3B-GUILDに人気が出たのは、かなり確率で素直ちゃんの貢献度が高い筈。
幾ら由佳ちゃんや、伊藤さんや、木根さんに人気が出たからと言っても、それら全ては素直ちゃんの知名度在り気での話。
そこを履き違えちゃいけない。
「だったら、なにをしても許されるって言うの!!」
「当然でしょ。寧ろ、なんで許されないのか、逆に聞きたいよ。……素直ちゃんは、もぉ自分が居なくても3B-GUILDが大丈夫だと思って、役目を終えたからこそ『卒業』を宣言したんじゃないの?それを、いつまで甘える気よ。甘えてんじゃないわよ」
「だったら!!最初から、そう言えば良いじゃない!!なんで言わないのよ!!」
言えないって。
素直ちゃんは、普段はお喋りなクセに。
変に口下手な所が有るから、そう言った面での話は上手く言えないっての。
「言える訳ないでしょ。大体、なんて言えば納得するの?『真琴ちゃんに頼まれたから入りました』『役目を終えたから辞めます』……これで良いの?良い訳ないよね。揉めるだけだよね。だから反感を買ってでも、なにも言わなかったんじゃないの?それぐらい解ってあげれば」
「眞子ちゃん……もぉ良いよ。それ以上、大谷さんを責めないで」
うん、ナイスタイミング。
この素直ちゃんのセリフが、今、一番欲しかったセリフだったからね。
それに、沈黙してた素直ちゃんだけど、以前に言った『仲間じゃない』なんて気持ちは、今の話で打ち消された筈。
このセリフを言って消えてなかったら、とんでもない曲者って事に成るからね。
素直ちゃんに限っては、それはないと思われる。
まぁ……これを言ったせいで『仲間じゃない』って言った『自責の念』は残るだろうけどね。
それぐらいの罪悪感は持って貰っても良いと思う。
それに、こう言った場面では、お互いに反省が必要な場面でもあると思うから、片方だけの味方をする気はないよ。
此処からは由佳ちゃんも、ちゃんとフォローさせてもらいますよ。
「僕が全部悪いから……」
「悪いって解ってるんだったら、なんで最初から、そう言わないの?」
「えっ?そっ、それは……」
「もぉ、素直ちゃんの言い訳は聞きたくないよ。それに私、素直ちゃんに初めて逢った日にも言った筈だよね。『言いたい事が有るならハッキリ言いなさい』って。それが守れずに、この体たらく。おかしな真似して、由佳ちゃんを傷付けないでくれない」
「えっ?」
「……って言うか、2人共。人をゲストに呼んで置いて、よくもまぁ、こんな醜態が晒せたもんだね。内輪揉めするのは結構だけどね。最低限度、見えない所でやるか、人を迎える準備をしてから人を呼びなよ。無様過ぎだよ2人共」
まぁ、そんな偉そうな事をズラズラと言っておりますが。
かく言う私が、一番、人に迷惑を掛けてる存在だって、噂も有りますけどね。
そこは『自分の心に棚を作って、置いておきます』
ご都合主義です。
「あぁ……」
「くっ……」
反省して、話し合って下さいな。
「眞子……怒るのは良くない。冷静に成って」
あら、まさか運命から、そんな一言が出て来るとはね。
これは予定外だったとは言え、凄く良いタイミングで、凄く良い言葉を投げかけてくれたもんだよ。
運命ナイス♪
「あぁ、そうだね。部外者の私が、これじゃあ干渉しすぎだよね」
「そぉ。それに、素直も、由佳も、お互いの事が好きだから揉めてる。でも、喧嘩良くない」
「うん。そうだね。運命の言う通りだよね。元々私が言わなくても、本当は解ってたんだよね。ただ言い出し難かっただけだったのかもね」
「「……眞子ちゃん」」
なんか安っぽいドラマみたいに成ってきたね。
しかも、これじゃあ、収拾が付かない方向に向ってますぞ。
なら、此処は一発!!私の得意技『投げっ放し』な方向で……
「まぁ、兎に角だね。此処で蟠りを失くす為にも、後は2人で話し合って。私は、運命と一緒にシャワー浴びに行くからさ。遅刻しない程度に、ごゆっくりどうぞ」
「「……眞子ちゃん」」
これで最低限は、多分、大丈夫な方向な筈だから。
逃げろ!!
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【後書き】
最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございますです♪<(_ _)>
一応は、2人の為のお膳立てをした眞子なのですが。
これ以上干渉してしまうと『この問題を解決したのが眞子』と言う形になってしまうので、此処が引き際。
後は2人の話し合いによって解決するのがベストだと思いますです。
まぁ少々投げっぱなし感が強いので、この判断が、どう転ぶかは解りませんがね(笑)
さてさて、そんな中。
運命ちゃんを連れてシャワー室に向かう眞子なのですが。
もぉこれ以上、問題は残ってませんよね?('ω'*=*'ω')キョロキョロ
そんな風に、何も残ってない事を望みながら、次話を書いて行きたいと思いますので。
良かったら、また遊びに来て下さいねぇ~~~♪
(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾←絶対になんか企んでる(笑)
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