1302 裏切者には無視を
運命ちゃんの指揮による総合練習を終え。
シャワー浴びに行こうとした眞子と運命ちゃんだったが、そこに素直ちゃんが声を掛けてきて合流。
したまでは良かったのだが、何やら不穏な空気が……
***
「あぁ……うん、別に良いけど」
「うん、ありがとう。あっ!!出来れば仁科さんも眞子ちゃんと一緒に来て貰って良いかな?」
「えっ?そぉ、良いよ」
「早くシャワー浴びたいのに、2人共、ごめんね」
「いや、別に良いけど……」
「じゃあ、行こうかぁ」
えっ?ちょっと待って由佳ちゃん!!
この状態で『じゃあ、行こうかぁ』って、どう言う事なの?
って言うか、素直ちゃんは?
いやまぁ、部外者の私を誘ってる時点で、3B-GUILD関連の話ではないのかもしれないけど。
もし仮に3B-GUILD関連の話であるならば、私と運命だけを誘うなんて、それは、あまりにもおかしいんじゃないかな?
なんで、こんな真似を……?
「いや、あの、由佳ちゃん」
「うん?なに?」
「あの、素直ちゃんは?素直ちゃんには声を掛けなくてもいいの?」
「あぁ、話は、今後の3B-GUILDの話だから、素直は良いの。もぅ直ぐ辞めるから、関係ないし」
「・・・・・・」
えっ?えっ?なにこれ?
3B-GUILD関連の話だと明言した上で、由香ちゃんは突き放した様な物の言い方をするし。
それに対して素直ちゃんも黙ったままで、何も言い返す気配もない。
本当に、なにこれ?
あんなに仲良く絆を深めてきたのに、なんで今更、こんな事に成るんだろう?
「えっ?でも……」
「ごめんね、眞子ちゃん。もぉ開園まで時間ないからさぁ。早く行こうよ」
冷たいよ。
状況から察するに。
この2人の間に、なにが有ったかは『なんとなく想像は付く』けど、それにしたって、この仕打ちは、あんまりなんじゃないかな?
そう思えたので私は……
「ごめん、由佳ちゃん」
「えっ?」
「素直ちゃんが行かないなら、私も行かない」
「えっ?」
「えっ?じゃなくて。私ね、こう言う無視とかするのが嫌いなの。だからここで由佳ちゃんが、素直ちゃんを誘わないなら、由佳ちゃんとは一緒に行かない」
「・・・・・・」
「……っていうかさぁ。言いたい事があるなら、本人にハッキリ言えば良いじゃない。腹が立ってても、こう言う陰湿なやり方って良くないと思うよ」
「……眞子ちゃん」
お互い言いたい事があるならば、直接本人に全部残さず言えば良いじゃない。
なんで、無視なんて陰湿な真似をするの?
由佳ちゃんは、そう言う裏表のある行動は、もぉしないと思ってたのになぁ。
なんか残念。
「……言って良いの?」
「言えば良いじゃない。なにを躊躇する必要があるのよ?」
「そう。じゃあ、ハッキリと言わせて貰うけどね。……素直の裏切り者!!」
「・・・・・・」
へっ?素直ちゃんが裏切者?
「みんなを裏切っておいて、よくもまぁ、ノコノコと、此処に顔を出せたもんだね。この恥知らず!!」
あっ、そこかぁ。
矢張り、そこがこの蟠りを産んだ原因だったかぁ。
なんか、この話が始まる前から、素直ちゃんに対する3B-GUILDのメンバーの態度がおかしいとは思ってたんだけど。
私の予想に反する事無く。
この様子じゃあ素直ちゃんの3B卒業の話は、みんなの承認を得れていなかったからこそ、こう言う裏切者っと言うレッテルを張られる結果を招いちゃってたんだ。
それで『裏切り者は全員で無視』
非常に女の子らしくも、解り易い構図だ。
「僕は裏切ってなんて……」
「どこがよ?これから3B-GUILDが一番大切な時期に入って行くって言うのに。自分は、その責任を破棄して好き勝手するなんて、完全に裏切りじゃない。それともアンタ、裏切りじゃないって言い切る所をみたら、別に私達の事なんて、元から仲間とは思ってなかったんじゃないの!!そうじゃないの!!」
「そんな事……」
「明らかにあるよね!!そうじゃなきゃ、いきなり理由も説明せずに、平然とした顔で『脱退する』とか普通なら言わないもんね。それこそが、私達に対して、なにも感じてない証拠なんじゃないの!!……違う?」
あぁ……そうかぁ、そういう事かぁ。
了承が得れてなかった理由も、そういう事かぁ。
素直ちゃん『卒業の理由』が理由だけに、その理由を、みんなに上手く言い出せなかったんだね。
なんて言ったって、その理由は、真琴ちゃんって言う『男絡み』
これが脱退の理由だったが為に、みんなにどう説明して良いか解らずに、なにも言わずに口を塞いじゃったんだ。
それで、それが本当の原因になって『みんなから卒業の了承を得れなかった』って事に繋がっていく訳かぁ。
けど、そうなると。
当然、由佳ちゃんの言い分も解らなくはない心境にもなっちゃうね。
今さっき本人も言ってた様に『人気が安定してきて、これから更に大事な時期に入る3B-GUILDの将来』を考えれば『理由も告げずに脱退されたんじゃ』納得なんて出来る筈がない。
特に、責任感の強い由佳ちゃんが、素直ちゃんが卒業した後の次期リーダーとしての指名を受けてる以上、その重責が双肩に掛かってきてる事だろうしね。
……っとなると、これは、どうしたもんだろうね?
この場合、両者のバランスを、どうやって取れば上手く話を纏められるのだろうか?
由佳ちゃんに『正直に話せ』って私が言った以上、このまま黙って放置する訳にもいかないしね。
取り敢えずは、この状況だけでも、なんとかしなきゃ。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
【後書き】
最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございますです♪<(_ _)>
素直ちゃんが、みんなから疎遠な扱いを受けていたのは、そういう理由だったんですよ。
そりゃあまぁ、由佳ちゃんにしたら、素直ちゃんの行動は訳が分からないだろうし。
素直ちゃんにしたら、みんなに、なんて言って良いか解らないでしょうから、こうなってしまいますよね。
……ってな訳で。
これが今現在、3B-GUILD内にある最大の問題になる訳なのですが。
この状況を眞子は覆せるのか?
次回は、その辺を書いて行こうと思いますので。
良かったら、また遊びに来て下さいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾
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