1301 上手く回り始めた……筈なのに

 眞子の干渉もあり。

交渉が成立し、運命ちゃんを専属のコーチとして3B-GUILDに迎え入れる事に成功した由佳ちゃん達。


ならば、運命ちゃんを含めた全員で、全体練習を開始だ!!


***


 ……で、この後。

今度は運命を3B-GUILDの総合練習に参加させる形で、30分程連続で練習を開始。


この間、運命は、みんなを背を向けた形でセンターに立ち。

鏡越しに、それぞれの動きを事細かにチェックをしながら、その都度、的確な修正を加えていく。

また、それと同時に佐藤さんも、運命の修正を全て聞き逃す事無くチェックを入れながら、なにやら自分の音も調整してる様だ。


これはまた、なにか良からぬ音を出すつもりなんだね。


でも、あれって、一体、どうやってるんだろうね?

崇秀さんと言い、佐藤さんと言い、本当に謎の多い人物だよね。


まぁまぁ、そんな風に、私を含めた全員での総合練習が続いてる訳なんですが。

此処で、わたくし向井眞子は、一番の雑魚のクセに、新たなる試みを開始する事にしてみました。


それが、なにかって言うと、ダンスによる『反響共鳴レゾナンス』の発動!!


まぁ、なんて偉そうに、如何にも、なにかが出来てる様な言い方をしておりますが。

正直言えば、まだ、全然なにも出来てない状態ではあるんですけどね。


でも、理論上の話だけを追求すれば。

ダンスであっても、ベースを演奏するのであっても、2つともリズムを刻むのだけは一緒だと考えられなくもない。

故に、その点だけに集中して、運命との『レゾナンス』を試みようとした訳ですよ。


まぁでも、なんと言いますか。

自分で、こう言う事を自画自賛をするのも、なんなんですけども……


ダンスの上手い下手は別にして、少しでも上手く見せる為の努力を惜しまない事は、ド素人としては良くやってる方だとは思いますよ。


まぁ、ド素人は、所詮、どこまで行ってもド素人ですけど(笑)


あぁ……そうだそうだ。

後、もぉ一点だけ、どうしても最後に言って置きたい事があるんだけどさぁ。


センターで踊る運命さんたらね。

みんなとの合同練習に入ってからと言うもの……やけに冷たいんだよね。


今の練習中1度たりとも、私に助言してくれなくなった。


……(ノд-。)クスン。


ド素人で部外者だからって、相手にしてくれないのは、あまりにも酷いよ。


もっと私にも、なんか教えてよ!!


***


「はぁ……はぁ……はい、OK!!みんな、お疲れ様」

「「「「「「お疲れ様ぁ~~~!!はぁ~~~マジで疲れたぁ~~~!!仁科さんの練習マジできついわ」」」」」

「はいはい、でも、疲れてる暇ないよぉ。今からライブに向かっての最終準備に掛かるから、全員20分以内にシャワー浴びて、そのままステージ衣装への着替えに入ってね」

「「「「「「はいよぉ。次期リーダー」」」」」」

「うん。そんじゃまぁ、急いでねぇ」

「「「「「「はいは~い」」」」」」


……っと言う由佳ちゃんの仕切りで、練習を終えた各自各々が一斉に行動を開始する。

この辺は、流石に、元々クラスを仕切ってただけの事は有って、本当に由佳ちゃんはシッカリしてるんだよね。


生まれ持ってのリーダーの素質有りだと言っても良いレベルだと思う。


……ってな訳で、現在16時40分。

ほぼ全員が、由佳ちゃんの指示に従って練習場を後にしたので、私も、運命を一緒に連れてシャワーを浴びに行こぉ~~っと。


今日は、人より一杯練習をし捲くったから、汗も一杯掻いたからね。


自分で言うのもなんだけど……すっごく汗臭い。


だから、此処はステージの上に立つ者としては必須なのです。


……ってな訳でございまして。



「運命。シャワー浴びに行こ」

「そぉ。眞子が行くなら」


そう言いながら運命は、汗を拭きながら、コクコクと頷くんだけど。


うぅ……ポヤ~~ン・バージョンの戻った運命は可愛いね。

千尋さんだったら、確実にお持ち帰りしたがるレベルの可愛さだね。

……なんて思いながら、自分のポケットの大きさを、さり気なく確認して『此処に入らないかぁ』っとか思って居たら。



「眞子ちゃん。僕も一緒にシャワーに行って良い?」


……っと、此処で素直ちゃんが話し掛けて来た。


これはまた、私にとっては好都合な展開になったものですね。


練習場から、人が一気に少なくなってるだけに。

さっきまでの素直ちゃんに対してのみんなの奇妙な態度について、直接本人から聞き取りを行うチャンスが巡ってきた訳ですから。


後回しにしてたとは言え。

これに関しては、ホント、ズッと気に成ってた点だったからね。



「うん。勿論、勿論。一緒に行こ、一緒に行こ」

「あぁ、うん♪仁科さんも、ご一緒させて貰って良いかなぁ?」

「そぉ。どうぞ」


うん、良い感じ。

私だけじゃなく、素直ちゃんが運命にも確認をとったのは良い事だし、運命もそれに応えて、ちゃんと素直ちゃんに返答したのも非常に良い事だね。


特に女子同士の付き合いって言うのは、こういった細かい面を気にする子が多いだけに、こういう素直ちゃんの様な細かい気遣いは、本当に大事なんですよ。


そんな風に、2人のやり取りを見ていたら……



「あっ、居た居た。眞子ちゃん、ちょっと話が有るんだけど、良いかな?」


そう言いながら、1度は練習場から出て行った筈の由佳ちゃんが戻って来た。


でも、なんでだろう?

話が有って戻って来ただけなんだろうけど、この由佳ちゃんの奇妙な行動には、なにか違和感を感じる。


なんだろうね、この違和感は?


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


【後書き】

最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございますです♪<(_ _)>


全体的に上手く回り始めてるのにもかかわらず。

矢張り、まだ、なにかしろの違和感を感じざるを得ない眞子。


当然、それが、なにかと問われれば。

見ての通り、由佳ちゃんの態度……っと言うか、3B-GUILD全員から感じられる『素直ちゃんに対する態度』なのですが。


なんで、3B-GUILDの面々は、こんなおかしな態度をとり続けてるのでしょうね?


次回は、その辺の真相を書いて行きたいと思いますので。

良かったら、また遊びに来て下さいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾

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