1300 運命ちゃんが下した判断は……
漸く運命ちゃんの勧誘条件が整った3B-GUILDの面々が、運命ちゃんとの交渉を開始するのだが。
何故か途中で、話が脱線転覆(笑)
それを見た眞子は、あまりの脱線っぷりに、この交渉への干渉を開始するのだが……
***
「うん、よく解ったよ。だから運命は当事者だけど、ちょっと黙ってようか。先に私が由佳ちゃんから用件を聞くから」
「そぉ。じゃあ、黙ってる」
素直で宜しい。
「うん、お願い。……っで、由佳ちゃん、結局はどういう話になった訳?」
「あの、眞子ちゃん。怒ってる……よね?」
「うぅん、怒ってないよ。後で滅茶苦茶怒るけど、今は怒らないよ。後でボコボコにシバキねシバキ」
「そっ、そぉなんだ」
「……っで、また話が逸れる前に聞くけど。どうなったの?さっきセンターが、どうとか言ってたけど」
ある程度の予想は付いている。
伊藤さんが『ライブで真ん中に立てって言ってるのと同じだよ』って言った以上。
舞台に立つのではなく、運命には『3B-GUILDのバックアップに回って欲しい』って言う要望を出すつもりだと思われるからね。
ただね。
そうやってバックアップに回って貰うんなら、何故『センター』なんて言葉が出て来たのかがイマイチよく解らない。
今の所、そこだけが不明瞭な点なんだよね。
「あぁ、それね。それは、練習時に『センターで踊って欲しい』って話なのよ」
あぁ、なるほど、そう言う事か。
由佳ちゃんの代わりに伊藤さんが答えてくれたんだけど、それなら単純明快。
本人の意思も尊重出来てるし、センターって言った合点もいった。
「それって、運命のダンスを模範にしたいって事?」
「うん。平たく言うと、そんな感じ。表舞台に立たないんだったら、練習の方だけでも、3B-GUILDの一員として活躍して貰えないかなって話。専属コーチみたいな感じで……だよね、由佳チン」
「うっ、うん、そんな感じ」
次期リーダー。
次期副リーダーに頼ってないでシッカリして下さい。
素直ちゃんは、そう言う初歩的なミスは少なかったですよ。
けど、提案としては本当に悪くないね。
両者の意思が上手く噛みあってるしね。
「後、出来ればでありんすね。個人的にもダンス指導もして戴ければ有り難いでありんす」
「うん、それも良い提案だと思う。……っで、これで全部なの、由佳ちゃん?」
確認ね確認。
ネタや、意地悪で、こんな事を言ってるんじゃないからね。
あくまで確認をしてるだけだからね。
「ははっ……うん、そんな感じ。そんな感じ。完璧」
完全に顔が引き攣ってるね。
でも、もし、そうやって引き攣るのが嫌なら、もぅ少し話を纏める機能を付けましょう。
こう言うのって、現国の勉強にもなるしね。
「うん、OK。……っで、運命。どぉかなぁ?意味解った?」
「『コクコク』」
あれ?なんで、そこで頷くだけなの?
言葉が理解出来てるなら、此処は言葉にしてあげた方が解りやすいと思うんだけどなぁ。
うん?
・・・・・・
いや、ちょっと待って。
これって、まさかとは思うけど。
私がさっき言った『黙ってろ』って言葉を有言実行してるんじゃないよね?
ははっ……いやいや、まさかね。
「あの、運命さん。返事は、別に言葉を出して良いんだよ」
「そぉ。黙ってるのが日本の風習だと思ってた。『黙して語らず』」
ホント、この子だけは、余計な日本語ばっかり知ってるね。
でも、その使い方は間違ってるから、後で辞書を引いて、ちゃんと意味を調べた方が良いよ。
まぁまぁ、運命の場合は、基本的に天然ボケだから、それはそれで可愛いんだけどね。
「じゃ、じゃあ、頷いてくれたって事は、仁科さんが手伝ってくれるって事で良いの?」
「そぉ。頑張ってみる」
「ヤリィ!!交渉成立!!……じゃあ、改めて、私、伊藤舞歌。宜しくね」
「えっ?そぉ、舞歌、宜しく」
呼び捨てOK。
……って、さっきからズッと伊藤さんの事は名前で呼び捨てしてたか。
まっ、まぁ兎に角、仲良くね。
特に伊藤さんは、運命に嚙みつかないように(笑)
「ワッチは、木根琴美。琴ミンって呼んで、仲良くして欲しいでありんす」
「そぉ。琴ミン宜しく」
「それで、私が大谷由佳……」
「由佳ニャンでありんす」
「そぉ。宜しく由佳ニャン……由佳ニャンって、猫なの?」
「木根ぇ~~~!!アンタねぇ。余計な事バッカリ言わなくて良いから!!」
「ごめんなさいでありんす」
由佳ニャン。
結局は、運命にも由佳ニャンで認知されてしまいましたね。
そんで今は、ポカポカと木根さんを殴ってるから、ポカポカ由佳ニャンに進化しましたな。
ぷぷっ……
それにしてもアレですね。
こうやって今は、琴ミンが由佳ちゃんをからかってるけど。
元々は虐めっこ(由佳ちゃん)と虐められっ子(琴ミン)の関係だったのに、ホント、この2人って仲良くなったよね。
なんとも微笑ましい光景ですよ。
「コッ、コホン……まっ、まぁ、なにわともあれ仁科さん。3B-GUILDにようこそ。これから宜しくね♪」
「そぉ。コチラこそ宜しく。……それで由佳ニャンは、猫なの?」
「うん……そこは深く聞かないでくれる。傷付くから」
「そぉ。ごめん」
人がオチに使われてるのを、久しぶりに見た。
そして此処で解った事は、運命って『追求型の天然ボケ』なんだね。
なんか面白いね。
まぁでも、それはそれとしても。
こうやって運命が、罷り也にも3B-GUILDの一員に成れた事は、とても良い事だと思う。
さっきの由佳ちゃんと琴ミンの関係の話じゃないけど、あんな風に『何でも言える関係』が運命とも構築され。
その後、みんなで力を合わせて、素直ちゃんが抜ける穴を埋められると良いね。
心から、そう願ってるよ。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
【後書き】
最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございますです♪<(_ _)>
裏方とは言え運命ちゃんの3B-GUILDへの参入が決定しましたね♪
いやはや、いやはや、一時はどうなる事かと思いましたが、なんとか上手く収まった感じです。
まぁまぁ、そうは言っても。
元々3B-GUILDの面々は仲が良いからこそ、これが上手くいっただけなのかもしれませんがね(笑)
……ですがね。
これで運命ちゃんの問題が解決したとしても、まだこのユニットには問題が残ってなくもなかったりするんですよ。
それは、こうやって『仲が良く』『絆を深めてきたユニット』だからこそ生じる問題なのですが……皆様はお気付きでしょうか?
っとまぁ、そんな風に、やや謎めいた言葉を残しながらも次回は。
そのあたりの問題を、チョロチョロと書いて行きたいと思いますので。
良かったら、また遊びに来て下さいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾
大人数ユニットは大変だぁ……(;´д`)トホホ
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