1295 再度猛特訓開始!!と浮き彫りになる眞子の弱点

 前話で起こった精神的な問題は全て解決!!

なので残す所後は、ダンスと歌唱面なので、此処からは時間の許す限り猛特訓開始!!


***


 ……まぁそんな風に運命の誤解が解けた後。

直ぐに運命を見学に迎えて、再度猛練習に入り。

佐藤さんの援護射撃や、3B-GUILDのみんなの支えが有りながらも1時間程続いた練習が続いた。


その後、一旦、休憩を入れる為に練習は中断される。


現在の時間は14時30分。

3B-GUILDのライブの開演までは、後3時間半しかない。


それなのに私は、まだライブが始まってないにも関わらず、身体的に恒例のヘロヘロな状態に成ってしまい。

その悲惨な状態のまま、なんとかヨロヨロと壁際まで移動した後。

そこで見学しながら待ってくれている運命の横に、倒れ込む様に『ドカッ』っと座わり込んでしまう。


慣れないダンスの練習で、体が疲れてるのと、各部位に疲労が、かなり蓄積してしまっている証拠だろう。


今の私には、普段の様に人に気を使う余裕すら無い。


ただ息を切らすのみだ。



「はぁ……はぁ……」

「眞子。大丈夫?」


そう言いながら運命は、ゆったりとした動作で、タオルと、スポーツドリンクを手渡してくれる。


優しい子だ。


いや、正確に言うとね。

今は、さっきとは大違いな程、なんか、ちょっとポヤ~~ンっとしてる感じになってる。


普段の運命は、こんな感じなのかなぁ?


でも、まだ、感覚的に、そう感じるのが精一杯。

体力が回復していない今の私には余裕が少ないから、これ以上は深く考えられず。

タオルを受け取った後、頭からタオルを被せて、体育座りをするのが関の山だった。


これ以上の思考は、今の所、まだ無理かな。



でも……



「はぁ……はぁ……まだまだ大丈夫だよ。これぐらいヘッチャラ。こんなの毎度の事だしね」


気合を振り絞って、運命の質問には答える。


休憩中に呼吸を整える方法は、ダンスだろうと、ライブだろうと、どんなジャンルでも同じだからね。

寧ろ、これまでにも色々無茶をしてきたから、こういった回復系は得意分野だったりする。


だから此処の回復は、なんとか成るだろう。



「眞子、凄いね」

「はぁ……はぁ……そんな事ないよ。やるならやるで、全力を出したいだけ。全てを出し切らないと後悔するからね」

「そぉ」

「うん。そぉ」


……とは言っても。

このハードさは、バンドで演奏するのとは、完全に別物。


基本的な体力面では、普段からバスケや、ランニング。

それに目一杯まで体力を使うライブを沢山やってるから、結構、体力には自信があったんだけど。


自分が思っている程、回復が順調には行かない。


ダンスは、それ等とは使う筋肉の箇所も違うし、慣れてないからペース配分も解らない。

特にペース配分は大きな問題で、いつもの自分のペースが使えないだけに呼吸が安定せずに、疲労度の蓄積が並大抵のものじゃなくなってる。


これは、チョットやソッとじゃ乗り越えられない試練だね。



「でも、眞子は上手くなってる。ダンス上手い」

「はぁ、はぁ……ははっ、そうかなぁ?ちょっとぐらいなら見れるものには成ってる?」

「成ってる。最初に、此処に来た時より上手くなってる」

「はぁ、はぁ、そっかぁ。じゃあ、もぉ一頑張りって処だね」


そっか、そっか。

出来てない也にも、ちょっとぐらいはマッシに成ってるかぁ。


まぁ、これでも一応、3B-GUILDのダンス自体は、以前3B-GUILDのライブを観に来た時に、なにかの役に立つとは思って、動き自体は何度かコピーしていたんだけどね。


これが前回『出来なくも無いけど、失敗の可能性がある』って言った意味。


でも、一応、運命が、そう言ってくれてるなら、此処はなんとか、ギリギリのラインだけはキープ出来てるみたいだね。


……けどね。

所詮、ダンスの動きをトレースした所で、何処まで行ってもコピーはコピーでしかなく。

動きは解っていても、さっき言った通り、一番大切な『ダンスの基本』となる『呼吸方法が解らない』んじゃあ、全てが上手く行ってないと実感せざるを得ない状態にも陥ってる。


所詮、上辺だけをなぞっても、ダメなものはダメって事だね。


まぁ此処を、どう短時間で攻略出来るかが、今日の最大のポイントなんだろうね。



「まだ頑張るの?」

「はぁ、はぁ、勿論だよ。まだ開演まで少し時間が有るから、最後の最後まで頑張るつもりだよ。何事も、やる時は死ぬ気でやるもんだからね」

「そぉ。でも、どうして、そこまでするの?」

「はぁ……それはね。少しでも誰かが、私に期待してくれてるなら、それには全力で応えるのが、私の義務なの。それに私も、悔いは一欠片たりとも残したくないからね」

「そぉ、眞子は強いね」


いや『強い』と言うより『力の抜けない馬鹿』だって言う方が正しいと思うよ。


でも、そう言う馬鹿な自分が好きだったりする。


それで色々な人に、いっぱい迷惑を掛け捲ってるけどね。



「はぁ……そぉかなぁ?」

「そぉ。眞子は強い。……でも、今のまま続けたら呼吸困難に成る。良くない」

「だね。はぁ、はぁ、でもね。体を酷使しないと、体がダンスの呼吸方法を憶えてくれないから。……みんなに迷惑を掛けない為にも、まだまだ頑張るしかないんだよね」

「そぉ。……だったら私が、眞子に呼吸を整えるやり方を教える」

「えっ?なに?……それ、どういう事?」


運命は、そう言った後。

意を決した様に、その場からスクッと立ち上がって、私の目の前に立った。


それに立ち上がった瞬間から、纏っている雰囲気が変わり、眼の色まで変った。


なに?急に、どうしたの運命?


なにをする気なの?


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


【後書き】

最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございますです♪<(_ _)>


特訓して浮き彫りになった眞子の弱点。

それは『コピーでしか動きを捉えていないから、キッチリとした呼吸方法が解らない事』


これは、どんな事であっても有り得る話なのですが。

各ジャンルには、それに合った呼吸方法と言うものがあるので、上辺だけを取り繕っても意外と上手くいかないものだったりします。


さてさて、そんな中。

ダンスの呼吸方法で苦戦する眞子に、なにやら運命ちゃんから『私が教えてあげる』っと言う【救いの手】が差し伸べられてる様なのですが。


これは、一体、どう言う事なのでしょうか?


文字通りだとすれば『運命ちゃんはダンスが出来る』っと言う事に成るのですが。

これこそが、本編前話で眞子が運命ちゃんに感じていた「異質なもの」なのでしょうか?


次回は、その辺を書いて行こうと思いますので。

良かったら、また遊びに来て下さいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾

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