1284 人に喜んで貰える快感
九段下に到着した後、偶然にも佐藤さんとの再会を果たす眞子。
そこで会話している内に【今の自分が、非常に堕落しているのではないか?】っと思い知らされたらしく……
***
「うん?どうかしたのか?」
あぁ……余計な考え事をしちゃってたから、なにやら心配して貰ってるみたいになっちゃったね。
この様子じゃあ、思ってる感情がモロ顔に出ちゃってたのかなぁ?
もしそうなら、これは非常に申し訳無い事をしちゃったなぁ。
「あぁ、いえ、なんでもありませんよ」
うん。
でも、今、それが、ちゃんと解ってるんだから、これは早急に対処して修正するべき点ではありますよね。
その上で、この眼鏡の人……いや、もう『眼鏡の人』とか失礼な事は言べきではないね。
それが例え心の中であっても、ちゃんと佐藤さんと呼ばせて貰うべきだと思うしね。
それで、そう言う心掛けを持った産上で、彼をなんとか喜ばせてもあげたい。
兎に角、言葉遣いや、仕草の件も含め。
今から出来る事は全部修正して、なんでも精一杯全力でやらなきゃね。
それが元来私と言う存在の筈だからね。
「そっかぁ?なんかやけに神妙な顔をしてたぞ」
「あぁ、はい、大丈夫ですよ。本当に、なんでもありませんから、ご心配なく」
「そうか」
「はい。……あぁ、それはそうと佐藤さん」
「うん?なんだ、君は、俺の名前までキッチリ覚えててくれたのか?」
「あぁ、はい、勿論ですよ。佐藤重国さんですよね。私、こう見えても、1度お逢いした方の名前は、大概憶えてるんですよ」
「そうなんだ。……っで、なに?」
うん。
名前を憶えていた事には、少々驚かれたみたいなんですが、
それ以外は、滞りなく、円滑に話を転換させれた。
なら、此処からは「佐藤さんにある提案」をさせて貰いましょうかね。
「いえ、あのですね。私、今から、3B-GUILDの控え室に行く所なのですが。良かったら佐藤さんも、ご一緒しませんか?」
うんうん、これだよ、これ。
眞子は好印象を持って貰わなきゃいけない存在なんだから、こうしてあげた方が、全体に喜んで貰える筈だしね。
こうやって、全員に喜んで貰える事を考えなきゃイケナイ。
まぁ、勝手に同行を促してるのだから、多少はライブ関係者の方達には迷惑をかける事に成るのかもしれないけど。
その辺はキッチリと説明した上で、もし何か問題があれば私が全責任をとれば問題ない筈。
それでももし、何か問題がある様だったら。
素直ちゃんか由香ちゃんにさえ来て貰えば、一発で問題を解決出来るでしょうしね。
ライブ出演者の要望を断るなんて真似、業界関係者の人達がする訳がありませんからね。
まぁ、ちょっと腹黒な考え方だけど……
「うっそ!!マジで?」
うわっ、思った以上に喜んでもらえた!!
佐藤さん、満面の笑みじゃないですか!!
「あぁ、はい、マジです。っと言いますか、3B-GUILDのみんなも、久しぶりに佐藤さんに、お逢いしたら凄く喜ぶと思いますので。是非、ご一緒して下さい」
……なんて思っていたのも束の間。
私がそう言った瞬間に、佐藤さんは何やら怪訝な表情を浮かべ出した。
えっ?なになに?
「そぉかぁ?でも、それは流石にちょっと違うんじゃないか」
「どうしてですか?」
「第一、彼女達、俺なんかの事、もぉ憶えてないだろうし」
いやいやいやいや、なにを思い詰めたような顔をしてるのかと思ったら、そう言う理由だったのですね。
でも、それだけは絶対にないと思いますよ。
特に由香ちゃんが憶えてない、なんて事は100%ないと思いますしね。
あの子は、そんな冷たい子じゃありませんから。
それになにより……
「そんな事ないですよ。あれだけの凄い演奏をされてた方なんですから。絶対にみんなにも鮮烈な佐藤さんの印象が残ってる筈ですよ。ですから、憶えてないなんて悲しい事を言わずに、ご一緒して頂けませんか?」
「そうなの?……でも、良いのかなぁ?」
「絶対に良いに決まってますよ。そんなの悪い筈ありません。っと言いますか、そこについての全責任は私が負いますので」
「そっか。……じゃあ、折角のチャンスだから行かせて貰おうかなぁ。そこまで言って貰って断る理由もないしな」
「ですよね」
「それに入り口で断られたら諦めれば済むだけの話だしな」
「うんうん」
これでまずは、なんとか良い感じで自分を修正出来ましたね。
ちゃんと佐藤さんにも喜んで貰えた様ですし。
そして私自身も、こうやって人と人との架け橋に成る事が、妙に嬉しく感じられる。
なので、それだけに。
偶然とは言え、こう言う事を思い出させて下さった佐藤さんには、感謝の気持ちでいっぱいですね。
本当にありがとうございます。
これからも私、変に慢心せず……もっと初心を思い出して頑張りますね!!
あぁ、あと、それと、今の佐藤さんとの会話とは全然関係ない、非常に個人的な話なのですが。
今日、崇秀さんの部屋でやらかしてしまった様な変態行為も出来るだけ控えます。
本能に逆らえなかったとは言え、アレは本気で自分でもマズイと思うしね……
けど、この本能に従順に成ってしまう私の強烈な匂いフェチって、どうやったら治せるんだろうね?
こりゃあもぉ、帰った後にでもWEBで調べるしかないかぁ。
これだけは、奈緒ネェにも知られたくない秘密だから、彼女に相談する訳にもいかないしね。
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【後書き】
最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございますです♪<(_ _)>
佐藤さんとの会話の中で、なにかに覚醒した様に、人を喜ばせようとし始めましたね。
そして佐藤さんを、3B-GUILDの控室に連れて行こうとしてる訳なのですが……大丈夫なんですかね?
いやまぁ、連れて行く事自体に、そこまで問題がある訳ではないのですが。
3B-GUILDは、女性ユニットなだけに、何の連絡もなしに男性を連れて行くのは、やや問題がある様な気がするのですが……(笑)
さてさて、そんな中。
次回は、その答えと成るべき話を書いて行きたいと思いますので。
良かったら、また遊びに来て下さいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾
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