1283 3B-GUILDライブのある九段下に到着してみたら

 素直ちゃんからのお願いされ。

今日3B-GUILDのライブが行われる武道館に、早い時間から行く事に成った眞子なのだが……


***


 ……まぁそんな訳でして、崇秀さんのシャツを洗濯機に入れた後。

再びお出掛けの準備をして、地元から電車を乗り継ぎ。

特別、これと言って変わった出来事もなく、九段下から、日本武道館に到着。


時間は、お昼を回った所の12時。

所謂1つの、お昼休みぐらいの時間って奴ですね。


……って、それはそうと。

時間から鑑みたら、結局、あの安眠は30分程だったって事だね。

恐ろしいまでの安眠力だ。


まぁそれはそれとして置いて置くとしてだね。

九段下から、武道館に向う途中からズッと思っていた事なんだけど。

まだ、こんな時間帯なのにも拘らず。

土曜日と言う事も重なってか、開演6時間前にして、3B-GUILDのファンの方達が武道館の周りに沢山居られるね。

しかも、そこら中に『3B-GUILDのチケット、ソチラの言い値で求む』って書かれた段ボールを必至に掲げてる人も多く見受けられる。


流石、SOLD-OUT連発の国民的アイドル。


こう言うのを見ると、いつも気軽に話しかけてくれる素直ちゃん達も、実は『遠い存在なんだなぁ』って認識せざるを得ないね。

それ程、武道館の周りのファンは、凄い気合の入った熱烈なファンばかりが集まって来ている。


まぁ、それだけの魅力を秘めてるんだから、当然なんだけどね。


……っとまぁ、そんな風に素直ちゃん達の人気に少し当てられつつも。

また恒例の『関係者以外立ち入り禁止の入り口』を目指して歩いて行く。


そしたらね。


その出入り口付近で、見知った顔を発見する。



「あの……こんにちわ。ご無沙汰してます」


まずは丁寧に挨拶ね。


何故なら、見知った顔を発見したとは言え。

私が見付けた人は、そんなに親しい関係の知り合いじゃないからね。



「うん?君、誰だっけ?」


あぁ……でも、残念。

この由佳ちゃんを応援してた眼鏡の人は、ヤッパリ、私の事なんかは微塵も憶えてなかったみたい。


所詮、私の認知度なんて、そんなもんだね。



「えぇっと、文化祭で御一緒に演奏させて貰った者なのですが。憶えておられませんか?」

「文化祭?……あぁ!!思い出した!!確か、ヒデ坊のツレの倉津って奴の親戚の子だったよな。違ったか?」


あぁ、なんだ。

そこは、なんとか記憶の片隅にでも置いておいてくれてたんですね。


でも、良かったぁ。


あの面子の中では一番影が薄かった存在とは言え。

此処まで言って、なにも思い出して貰えなかったら、相当悲惨だもんね。



「あぁ、そうです、そうです」

「そっか、そっか、合ってたか。けど、悪かったな。どうにも、あの時の俺の眼には、由佳ニャンしか写ってなかったからな。他は記憶に薄いんだよ」


そっかぁ。

この眼鏡の人は、ステージの袖からでも大声援を送る様な由佳ちゃんの熱烈なファンなんでしたよね。


なら、私の事が記憶に薄いのも解らなくもない。


でも、なんだろ?

それが解ってても、なんか無性にムカツクね。


これが俗に言う【女性の前で、他の女子の話をされたらムカツク】って現象なのかもしれません。


まぁ良いけど。



「そうですね。あの時の由佳ちゃんは、本当に可愛かったですもんね」

「おっ?なんだ君、由佳ニャンの良さが解るのか?流石に、良い演奏をしてただけの事は有るな。見る眼がある」


あれ?

微かな記憶の断片の中に、私なんかの演奏も、ちょっとは憶えててくれたんですね。


それは非常に嬉しいです。



「あぁ、はい。私の演奏の良し悪しは別としても、由佳ちゃんは良い子ですね。物事をハッキリ言う子ですから、裏表が少なくて、私も好きですよ」

「そっか、そっか、本当に、よく解ってらっしゃる。……って、そう言えば、俺に声を掛けてくれたけど、なんか用?」

「あぁ、いえ。特に大した用事と言う訳ではないんですが。お見掛けしたので、声を掛けさせて貰いました」

「なんだ。俺と知り合って間無しなのに、見掛けただけでワザワザ挨拶とは……律儀な子だな」


そうですかね?

これ位は、普通の事なんじゃないですか?


基本的に付き合いが浅くても、深くても、知り合いの方との挨拶は必ずするもの。


故に、これは当たり前の行為だと思うんですけどね。



「あぁ、いえ。普通に、ご挨拶させて頂いただけですから、特別、律儀な訳では」

「ふ~~~ん。ヤッパリ顔が可愛いと、性格まで良くなるもんなんだな」

「あぁ、いえ、とんでもないです」


あれ?ちょっと待って。


なんでだろ?

なんか、このやり取りって、妙に懐かしく感じる。


私が、ある意味『生を受けた』去年の12月~1月に掛けては、極普通に、よくあった、やり取りの筈なのになぁ。


妙に懐かしく感じるのは、何故なんだろう?


……って、そう思えるって事は。

これって、ひょっとして私が人に対して、凄い勢いで『慢心』してて『傲慢』な態度をとってるって事なんじゃないの?

人と接する事が当たり前だと思い込んで、最初にはあった丁寧さや、思い遣りが欠けて来てるからこそ、こんな事を思わなきゃいけなくなってるんじゃないの?


あぁ……これはダメだぁ。

私、崇秀さんに幸せにして貰ってるからと言うもの、知らず知らずの内にまた自分の存在を勘違いしてるじゃない。

さっきの崇秀さんの部屋での事も加味すれば、凄く『堕落』してるのも良い所だね。


元来、私のキャラと言うのは、もっと真面目な人間で、人に貢献する為の存在だった筈なのに……今は勘違いして、調子に乗って、こんなに『自堕落』に成って、なにやってるんだろ?


最近の私のままじゃ、ただの『馬鹿女』の極みじゃない。


こんなの眞子じゃないよね。


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


【後書き】

最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございますです♪<(_ _)>


九段下に到着したら、素直ちゃんに会う前に、意外な人物に遭遇しましたね。


まぁまぁ言うて佐藤さんは『由香ニャンLOVE』な人なので、此処に居てもおかしくはないのですが。

関係者以外立ち入り禁止の近くで、一体、彼はなにをしてたんでしょうね?(笑)


……っで、そんな佐藤さんと、偶然にも出会った眞子なのですが。

彼と会話している内に、またなにやら『自身が慢心している』と思った様子。


ホント、良く反省する子ですよ(笑)


まぁそうは言っても、実際は眞子が思う程、慢心してる訳ではなく。

逆に言えば「人間関係が深まって来たからこそ、砕けて来てるだけの事」であり。

また『佐藤さんとは、まだそこまでの深い関係ではないから、猫の皮をかぶってるだけ』だったりする訳ですから(笑)


要するに、これで普通なんですよ。


さてさて、そんな中。

そんな風に態度を改めようとしている眞子なのですが。

一体、この後、それを踏まえた上で、どういう行動をしてくるのか?


次回は、その辺を書いて行こうと思いますので。

良かったら、また遊びに来て下さいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾

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