1282 漸く動き出す3B-GUILDのライブ

 崇秀のベットの中で、自己完結した形で悩みが解決した眞子。

そして、そのまま気持ち良く熟睡してしまったのだが……


***


 ……眠りに付いてから、一体、どれ程の時間が経ったのだろうか?


私は、崇秀さんのベット中で、完全に時間の感覚を失い。

気が抜けて安堵したままの状態で眠りに付いていた。


それは本当に深い深い眠りの筈だった。


だけどそんな折。

私が脱いでから綺麗に畳んで置いたお出かけ用の服の方から、携帯電話のマナーモードの音が聞こえた気がした。


その音が不意に気に成ったので、眠い目を擦りながら、ゆっくりと体を起こし、携帯電話を手に取った。


そうしたら、矢張り、その電話の音は気のせいではなく。

ブルブルとマナーモードのバイブレーションが震えながら、携帯電話が鳴っていた。


こんな時間に、誰だろ?



「あぁ、はい……もしもし、向井ですけども」

「あっ、眞子ちゃん。僕」


うん?女の子の声で僕?


って事は、あの子しかいないか……



「あぁ、誰かと思ったら、素直ちゃんかぁ。なになに、どうかしたの?」

「うん、少し用事があって電話したんだけど。あぁ、でも、眞子ちゃん、その声からして、まだ寝起きみたいだね」

「あぁ、うん。いま、素直ちゃんの電話で目が覚めた処だけど、なにか用事?」


私は自身の髪を弄りながら。

素直ちゃんの突然の電話を何事だろうと思いながらも、無駄話をせずに用件だけを聞こうとする。


何故なら、正直に言えばね。

さっき余りにも気持ち良く眠れたから、もぅ少し此処で、ゆっくりと熟睡していたい気分なんですよね。


( ˘ω˘)スヤァ



「えぇっと、用事は、用事なんだけど。疲れてるなら……」


疲れてるとな?


これって、昨日、私は奈緒グリのライブに出演させて貰ってたから、その辺の考慮をしてくれた上での「疲れてるなら」って言葉かな。

あぁ……まぁ確かに、前日徹夜で曲のアレンジをしてからのライブ参加だったから、疲れていると言えば疲れてるんだけどね。


事実だけを追求すれば、ライブの疲れはそこまで残っていない。

どちらかと言えば、別の悩みの方で、精神的に疲れた感じですね。


まぁ、こんな事、電話口の素直ちゃんに解かる訳ないか。



「別に大丈夫だよ。昨日のライブの疲れなら残ってないから、そこは気にしなくて良いよ」

「本当に大丈夫なの?」

「うん、本当だよ。ただね。まだ熟睡から覚めた処だから、頭が少し寝惚けてるかも知れないけど、基本的には大丈夫。……っで、なんの用かな?」


事実、まだポヤ~~ンっとしてるしね。


崇秀さんのベットは、それほどまでに安眠力が抜群だからね。

ブッチャケ、このベットを、私の部屋のベットと交換して欲しいぐらいです。

若しくは、毎日、崇秀さんが、私のベットで一緒に寝て下さい。


それが私にとっての一番のベストです。



「あぁっと、じゃあ、ちょっと眞子ちゃんに、お願いが有るんだけど、聞いて貰える?」

「うん、良いよ。なに?」

「あの、あのね。無理だったら良いんだけど。出来れば、今から日本武道館まで来て貰えないかな?無理かな?」


武道館に来いとな?

そんで武道館って言えば、今日、3B-GUILDのライブが行われる場所だよね。


勿論、約束通り、ライブを見に行く予定はしてるけど。

それにしても、こんなに早くから、なんの用事なんだろうね?

ひょっとして真琴ちゃんが奈緒ネェのライブに参加してるから、素直ちゃん達のライブに行けない件かなぁ?


でも、例のあの件は、カラオケの時点で解決してるし、昨晩の内に「真琴ちゃんが行けない事も連絡した筈」だから、此処については特に問題ないと思うんだけどなぁ。


まぁ一応、確認しましょう。



「うぅん、私なら、別に良いよ。……あぁ、でも、真琴ちゃんが行けなくなった件は、昨日、言ったと思うんだけど。私だけしか行けなくても良いの?」

「あぁ、うん。今日は、真琴君に用事が有るんじゃなくて、眞子ちゃんに個人的な用事があるだから。眞子ちゃんさえ来てくれれば大丈夫だよ」


そうなんだ。

私、単品に用事があるんだ。


だったら、まぁ良いかぁ。


勿論、身支度には少し時間は掛かるけど。

崇秀さんのベットのお陰で、ゆっくり熟睡する事が出来たから、体調も、ほぼ万全に整った事だし。

なにより悩みが解決して精神面が安定してる。


なら、武道館に行く事にぐらい、何も特別な問題はないからね。



「あぁ、そうなの?じゃあ、今から準備して行くね」

「本当?来てくれるんだぁ。良かったぁ」


あれ?私が行く事ぐらいで、なにを、そんなに喜んでるんだろう?


ちょっと謎ですね。


けど、その辺を、そこまで深く考える事も無さそうだし。

此処は、なにも考えずに気楽に行っても大丈夫そうな感じですね。


じゃあ、気にしないで置こっと。



「うん、じゃあ、今から向うよ。そう言う事で」

「うん。みんなで待ってるから、出来るだけ早く来てね」

「あぁ、うん。出来る限り、早く行く様にするね。……じゃあ、また後でね」

「うん♪」


『プチッ』


あらら。

なんか素直ちゃん、やけに、ご機嫌さんのまま電話を切ったね。


それじゃあまぁ、少しでもそのご期待に沿える様に、出来るだけ早く武道館に行く様にしよっかね。

素直ちゃんには、真琴ちゃんの件で色々借りが有る事だしね。


その辺も含めて待っててくれてるなら、早く行こっと。


***


 ……っで、電話を切った後、顔を一回叩き。

気合を入れてから、床に畳んで置いた服に着替え。

崇秀さんに借りていた(?)シャツを洗濯機に丁寧に入れてから出掛ける事にした。


この欲に満ち溢れた私の密かな楽しみを、崇秀さんに気付かれたら、これ程、恥ずかしい事はないからね。


これは所謂、保険って奴ですよ保険。


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


【後書き】

最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございますです♪<(_ _)>


眞子のお馬鹿な悩みも解決した上で、漸く動き出した【3B-GUILDのライブ】

そして、なにやら素直ちゃんから『用事がある』との事で武道館に早くから呼び出された眞子。


なのにも関わらず、またこの子、無警戒な状態で武道館に向かってるみたいなのですが……大丈夫なんですかね?


素直ちゃんのあの言い方、絶対に何かあるでしょうし。

なにより自分が、倉津君同様の巻き込まれ体質である事を忘れている様に思うのですが……(笑)


さてさて、そんな中。

何も考えずに武道館に向かって行く眞子。


果たして彼女に待ち受ける【運命(此処重要)】とは?


次回は、その辺を書いて行こうと思いますので。

良かったら、また遊びに来て下さいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾


……にしてもアレですね。

まさか、ほぼ眞子の悩みだけで、今週の更新が終わるとは思わなかったですよ(笑)

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