1280 ポンコツ眞子ちゃん
シーズン14での結果を全て語り終えた眞子。
これで漸く3B-GUILDライブ本編に突入……なのだが(笑)
***
……っで、そんな私が目を覚ましたのは、午前の9時頃。
流石に夕方までは眠れなかったけど、グッスリと10時間程の長い睡眠をとったので、疲れ切っていた体も完全に回復して絶好調!!
……な、訳が無い。
今しがた言った性の悩みのせいで、ベットに入っても、中々眠りに落ちる事が出来ず。
実際は、寝たのか?寝てないのか?っと、自分でも解らない様な3時間程の睡眠しか取れていない。
故に、疲れ切った体はボロボロのまま。
その上……色々と解決しなきゃいけなくなった精神面は、未だグダグダのまま。
そんな心身共にバランスが悪い状態のまま、洗面所に向おうと、自室の扉を開いてみたら、なにかに誘われる様に崇秀さんの部屋が眼に入る。
そうなったら最後。
後は、部屋に崇秀さんが居ない事が解りながらも、本能的にフラフラと無断で部屋に入って行くしかなかった。
特に意味はないですけど。
『ガチャ』
『し~~~ん』
案の定、整然とされた部屋の中は静まり返っていた。
うん……ヤッパリ、1階での美容師の仕事に行って居ないね。
(;´д`)トホホ……崇秀さんの顔を見る事が、今の私にとっては、唯一のオアシスなのにね。
そんな風に思いながらも、不法侵入した部屋の中を勝手にウロウロしていると、壁に、最も崇秀さんの寵愛を受けている『Ibanez uv-7』が眼に入って来る。
いつもライブで、崇秀さんを独占しているギターだぁ。
そう思うと、今の自分の置かれている状況から、相手が物だと解っているのに無性に腹が立つ。
何故か、そんな風に、意味もなく腹が立ったので、徐に『Ibanez uv-7』を手に取り、少し虐める様な感覚で荒っぽく弾いてみた。
でも、たいしてギターコードが解らないので、ベース的な弾き方しか出来無いんだけどね。
それでも彼女(Ibanez uv-7)は、私の適当なコードに反応して、凄く良い声で鳴いてくれる。
うぅ……なんて、あてつけがましくも、腹の立つギターだ。
このギター嫌いだ。
「フンだ」
良いもんね、良いもんね。
そうやって、自分ばっかりライブで良い想いをして。
私の事をコソッと馬鹿にするんだったら、壁掛けに戻す前に、微妙にチューニングを狂わせて置いてやるもんね。
崇秀さんに弾いて貰っても、そう簡単には、良い声で鳴かさせて上げないんだからね。
チューニングの狂った音を出して、恥を掻いちゃえ。
ザマアミロだよ!!
・・・・・・
うぅ……なにやってんだろ私?
こんな事をしても、虚しいだけだよ。
ギター相手にムキに成るなんて、どうかしてるよね。
もぉ、ヤダぁ。
まだ昨日のイライラが残ってるし……
……なんて思いながらも、まだ懲りずに、また崇秀さんの部屋を散策し始める。
そしたらね。
今度は、壁に、少し皺の寄った崇秀さんのシャツを発見!!
これって多分、昨晩、着ていた仕事用のシャツだから。
急に別の仕事が入って、洗濯が出来ずに、綺麗に壁に掛けて置いたシャツなんだろうね。
後は、洗うだけの洗濯物なのに几帳面ですね。
「どれどれ」
……って言いながらも、思わず手に取ってしまう。
そうすると『ふわっ』っと、崇秀さん特有の柑橘系の良い香りが、私の鼻腔を擽る。
うわっ!!うわっ!!……あまりの良い匂いにクラクラするよ。
ヤバイね、ヤバイね、これ。
ダメだよ、ダメだよ、これ。
……なんて、思いながらも、誰も居ないのが解りつつ、無駄に部屋をキョロキョロと見回してから。
『ボフッ』
「うぅ……ヤッパリ、良い香りだねぇ~~~♪これはもぉ病み付きになりますね♪」
いけない事とは解りつつもシャツに顔を埋めて、思わず『くんくん』っと香りを楽しんじゃったよ。
うぅ……でも、また、これを、やっちゃったよぉ。
本能的に、ついやっちゃったけど、これじゃあ変態さんだよ!!
……でも、言い訳する訳じゃないけどね。
ダメですよ。
こんな良い代物を、無防備に部屋に放置するなんて、どうかしてますよ。
それにワザと、こんなお宝を解り易い所に置いておいて、部屋の鍵を開けて置くなんて、これはある意味、罠ですよ、トラップですよ。
こんな巧みなトラップ、匂いフェチの私が耐えれる訳ないじゃないですか。
こんな罠……酷過ぎますよ、崇秀さん。
……とか、明らかに自分勝手な言い訳をしながらも、今、着ている服の上から、無断でシャツに袖を通してみる。
「うわっ……これはまたブカブカですね」
まぁ、そうは言っても、これは、当然の結果なんですけどね。
なんせ、伸び盛りの崇秀さんの身長は、現在179cm。
オランダ人クォーターだけあって、この1年で、矢鱈と身長が伸びている。
対して私は、元々は176cm位はあったんだけど、現在は小さくなっちゃったんで163cmって所。
此処からも解る様に16cmも身長差があると、シャツ自体が大きくて、袖なんかもぉ、あまり捲くってる感じですね。
でもでも、ブカブカだからこそ、無駄に通気性が良くなって、崇秀さんの良い香りがいっぱいしますね。
うんうん、これは悪くないかも。
後で相談して、このシャツを貰っちゃおうかなぁ?
……って!!ダメですね。
また、本能的にロクデモナイ事してるよ!!
……でも、もぉちょっとだけ着てよ。
なんか崇秀さんに抱かれてるみたいで気持ち良いし、崇秀さんの部屋に居る間ぐらいなら、別に問題ないよね。
私、崇秀さんの彼女な訳だし。
後で洗濯してあげ様と思って、私の体をハンガー代わりにしてるだけだもんね。
これなら問題無しだよ、問題無し。
なんて自己完結をして、再びウロウロする。
それで再度、チューニングの狂ったダメギター『Ibanez uv-7』が眼に入ったんだけど……今度は、なんとも思わない。
なんて言ったって、私は、崇秀さんのシャツを身に付けてるんだから。
壁にぶら下がってるだけのチューニングの狂ったギターとは格が違うもんね。
だから、意味無く『アカンベー』だけしてやるもんね。
ザマアミロだよ。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
【後書き】
最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございますです♪<(_ _)>
自身の悩みが解決できず、完全に情緒不安定になってますね。
まぁ言うて、眞子は元々ポンコツなので、本能的にこう言うアホな事をして解消しようとしてるのかもしれませんが、これはあまりにも酷い。
一般的には、物語のヒロインがする行動ではありませんね(笑)
でも、それをするのが、当物語。
ヒロインの綺麗な部分ばかりピックアップしてても仕方がありませんしね。
さてさて、そんな中。
この後、眞子は、一体、なにを仕出かすつもりなのか?
そして、この一見無意味な行動には、どんな意味があるのか?
次回は、その辺を書いて行こうと思いますので。
良かったら、また遊びに来て下さいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾
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