変わり果てた日常

古都礼奈

変わり果てた日常

直人は普通の会社員だった。


毎日定時に会社に行き、帰りは近くの居酒屋で同僚たちと軽く一杯。


その平凡な日々に特別な不満はなかったが、特別な楽しみもなかった。


そんなある日、友人の健太からコンセプトバーへの誘いを受けた。


「直人、今度の週末、面白いコンセプトバーがオープンするんだけど、一緒に行かないか?」


直人は特に興味があったわけではなかったが、友人との付き合いもあり、軽い気持ちで参加することにした。


当日、バーに入ると、そこには様々なコスプレをしたスタッフや客が集まっていた。


バーは特定のテーマに基づいた装飾が施され、幻想的な雰囲気が漂っていた。


直人はその活気に圧倒されながらも、次第に興味を持ち始めた。


彼の目を引いたのは、ひときわ美しいセーラー服姿の熟女、彩香だった。


彩香は他のスタッフたちとは一線を画しており、その魅力的な雰囲気と優雅な立ち振る舞いに、多くの客がカメラを向けていた。


直人もその一人で、思わず彼女の写真を撮ってしまった。


「すごいな、あの人…」


その時、彩香がこちらに気づき、直人に微笑みかけた。


その瞬間、直人は彼女の魅力に完全に引き込まれてしまった。


直人が一人でバー内を歩いていると、突然背後から声をかけられた。


「ちょっと、手伝ってもらえないかしら?」


振り返ると、そこには彩香が立っていた。


彼女は微笑みながら直人に近づき、お願いがあると言った。


「実は、ここにある控室でちょっとしたトラブルがあって…。あなたが手伝ってくれると助かるんだけど。」


直人は驚きつつも、彼女の頼みを断れず、控室へとついて行った。


控室に入ると、彩香は直人に不思議な古い鏡を見せた。


その鏡は美しい装飾が施されており、どこか神秘的な雰囲気を漂わせていた。


「この鏡、実は特別な力があるの。信じられないかもしれないけど、試してみる?」


直人は半信半疑だったが、彩香の言葉に従って鏡の前に立った。


すると、突然鏡から強烈な光が放たれ、直人の視界が真っ白になった。


目を開けると、直人は自分の身体が入れ替わっていることに気づいた。


鏡に映っていたのは、セーラー服を着た彩香の姿だった。


「これ、俺か…?」


混乱と驚きの中、直人は自分の新しい身体を見回した。


彩香もまた直人の身体に入れ替わっていた。


「ごめんなさい、直人さん。実は、私はずっとこの姿から解放されたいと思っていたの。でも、入れ替わる相手が必要だったの。」


彩香は申し訳なさそうに言ったが、その表情にはどこか冷静さがあった。


「だから、あなたの助けが必要だったの。」


そう言い残して、彩香は直人の身体のまま控室を出て行ってしまった。


一人残された直人は、どうすることもできず、途方に暮れた。


セーラー服を着た熟女の姿で、彼は周りの視線を感じながら、バーを後にするしかなかった。


家に帰る道中、人々の好奇心や驚きの視線が彼を追った。


彼は次第に新しい身体に馴染む方法を模索し始めた。


直人は自宅に戻り、鏡の前で自分の姿を確認しながら、深くため息をついた。


「これからどうすればいいんだ…?」


直人は新しい身体に次第に慣れていったが、女性としての生活には多くの苦労が伴った。


朝起きてからの化粧や、髪の手入れ、服装の選び方など、これまで経験したことのないことばかりだった。


特に初めてヒールを履いた時の苦労は、彼にとって大きな試練だった。


「こんなに痛いものなのか…」


一日中履いていると、足が痛くて歩くのも辛かった。


彼は何度もヒールを脱いで裸足で過ごしたくなったが、職場ではそうもいかない。


また、生理が来た時の驚きも大きかった。


突然の腹痛と出血に戸惑い、どう対処すればいいのか全くわからなかった。


職場の女性同僚に相談し、なんとか対処法を学んだが、毎月のことと思うと気が重かった。


直人は新しい身体に興奮を覚えることもあった。


特にシャワーを浴びる時や、夜ベッドに入る時、彼は自分の新しい身体の曲線や感触に驚きと興奮を感じた。


彼は自分の胸や腰、太ももを触りながら、その柔らかさや温かさに興奮を覚えた。


「こんなに違うんだな…」


また、下着に対する興奮も大きかった。


彼は初めてブラジャーやショーツを身に着ける感触に驚き、そのレースやシルクの素材に触れるたびに興奮を覚えた。


彼は自分の新しい姿を鏡に映しながら、何度もその美しさに見惚れた。


「こんなに綺麗なんだ…」


直人は元の身体に戻る方法を探し続けたが、彩香の行方はわからず、彼は新しい生活に順応していくしかなかった。


彼は鏡の秘密を解明するために、多くの文献を調べたり、専門家に相談したりしたが、元に戻る方法は見つからなかった。


ある日、直人はふとした瞬間に気づいた。


「もう元には戻れないんだな…」


彼はその現実を受け入れるしかなかった。


新しい身体での生活を続けながら、彼は少しずつ新しい自分を受け入れ、楽しむようになった。

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変わり果てた日常 古都礼奈 @Kotokoto21

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