27 森の中のお花畑
大樹がある場所の探索は諦めて、次の場所へ向かう。
とはいっても目標に出来るモノは無いんだよね。
『マップ』を見て方角を確認すると、【モノーン】から北東に向かった場所にこの大樹があったみたい。
ホントウに森って真っ直ぐ歩けないんだなぁ。
大樹を目指したとはいえ、感覚的には北に真っ直ぐ歩いていたつもりなのに。
とにかく南西から来たんだから、次は東に向かってみよう。
採取エリアは点在しているものの《レッドベリー》らしき木の実が見つからない。
名前的にも普通の赤い実だと思うんだけれど、どこにあるんだろう?
……やっぱり《レッドベリー》の採取依頼を受けなくて良かったな。
とりあえずで受注していたら、きっと期限が間に合わず達成できていなかった。
そうしたら私も嫌だし、依頼者も困ってしまうかもしれない。
だって達成するまで依頼が貼り続けていたら《レッドベリー》が50個とか100個とか届くかもしれないんでしょう。
かといって受注したのに依頼品持っていったら、もう他の人が持って来たから依頼取り消しですってなる訳ないだろうし。
だから誰かが受けたら依頼書を下げるのが普通なんだと思う。
ゲームだからそこまで考えても仕方ないかもだけれど、リアリティを売りにしてるんだったらあるような気もする。
閑話休題。
しばらく東に歩くと小さなお花畑に出た。
すごい、綺麗!
森の中のお花畑は何だか温かい感じがした。
先程の大樹の方が周囲に何も無く光が遮られずに明るいハズなんだけれど、何だか何もないのが淋しかった。
でもこっちは木の葉の隙間から太陽の光が差し込んでいる。
それが優しい木漏れ日として花々に降り注いでいるから、ぬくもりを感じるというか。
薄暗いという印象だった『ウィスパーの森』が急に好きになってしまった。
ゆっくりと歩きながら花々を見る。
やっぱり花って綺麗だなぁ。
青・紫・ピンクの花があるけれど、どちらも同じ種類の花だ。
というよりよく見たら同じ株から違う色になっている。
アジサイみたいに土に影響されるタイプだと、同じ株でこんなにも色が変わるのは不思議だよね。
それぞれの花の色はグラデーションみたいに近い色にも思えるから、成長すれば色が変わるタイプなのかな?
詳しくはないけれど、同じ場所に咲いている花が徐々に色が変わっていくのを見たことがある。
そうだ、名前を確認しよう。
花に見とれてすっかり忘れてしまっていた。
今度はさっきの花のアーチみたいになりませんように……。
《プルモナリア》
ランク:―失敗―
品質:―失敗―
重量:―失敗―
分類:素材(植物/一般)
―失敗―
効果:―
おおっ!3か所も分かった。調子良いね!
この花は《プルモナリア》って名前なのか。メモしておこう。
ついでに絵も描いたらもっと分かりやすいかも。
……紙にペンが引っ掛かって描きにくい。とりあえずこんな感じで良いか。
さてと分類が『一般』。
まぁ私は花は綺麗だから好きなのであって、効果の有無なんて関係ないんだよね。
……うーん、《ヒールリーフ》とかが『薬草』、見た目が良く似た《ビールリーフ》は『毒草』。
ということはやっぱり見た目で分類しているんじゃなくて、効果で分けているのかな。
『薬草』が回復系、『毒草』はそれ以外、『一般』は効果なしって感じで。
ということは『毒草』もそんなに怖がることは無かったかも。
『毒草』っていう名前でちょっと引いちゃった。
でも分類がこの3つしかないんだったら、回復系以外の効果だからって分類わけされたかもしれないし。
そもそも薬と毒って近いんだよね。
適量なら薬になる物でも摂り過ぎたら体に悪いっていうのは、大抵のもので言えるし。
おっと、思考が逸れちゃった。
ちょっとだけ《プルモナリア》を貰おう。
折角綺麗に咲いているのに、採り過ぎて花畑が切った後ばかりになるのは勿体ない。
1本の茎から先端で枝分かれをして5つ前後の花房がついている。
少し迷って枝分かれしている少し下を切ることにした。
花ってお店で見ても結構茎部分が長かったりするから、こっちの方が痛まないのかなって思ったからだ。
もしかしたら今生えている側の都合じゃなくて、切った側を花瓶に挿したりする都合かもしれないけれど。
ちょっと挑戦したいことを思いついたので〈丹念〉も使っちゃおう。
5つほど採取して、またゆっくり歩きながらお花畑を見て回った。
ちなみに、採取した《プルモナリア》の中で1番品質が良かったのがこれだった。
《プルモナリアの花》
ランク:2
品質:★2.0
重量:0.08N
分類:素材(植物/一般)
水はけが良い土地で咲く花。
効果:―
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