01 情報収集
”
ただしこれは公式サイトの煽り文句で、どこまでが本当かは分からない。
公式サイトにあるスクリーンショットは良かったので、グラフィックに関しては本当だと思う。
ネット上でも結構注目されているようで、調べた限りβテストの抽選を外したことを嘆くSNSの投稿をそれなりに見つけた。
私はお父さんの伝手でプレイするから何となく罪悪感を感じて……でも私が要らないと言ったらお父さんの会社の人がどうなるかという考えが過ぎり、深く考えないようにした。
気を取り直して調べると、なんでも公表されている情報では
正直、運動のセンスが無い私は戦闘には心惹かれないので嬉しい。
だっていくらゲームでも咄嗟の行動で転んだりしそうだし。
それにオンラインゲームの戦闘って他のプレイヤーさんとパーティを組んでするものでしょう?
それって私にはハードルが高いというか。今も友達作りに苦戦してるから自信が無い。
現実でもゲームでも友達作りに悩みたくない。
生産系ってことは1人で作業することが多くなるはず。
独り自分のペースで何かをするのは結構好きだし。
これから学校も本格的に始まるし、SNS見た感じきっと私とβテスト抽選が当たった人とは熱量が違いそうだし。
無理に戦闘頑張っても疲れてしまいそう。
そう思っていたら、公式サイトにアクティブモードの説明を見つけた。
他のプレイヤーとの交流をどのくらいするかを変えられるらしい。
一応個別に詳細設定を変えられる機能もあるみたいだが、あくまでアクティブモードありきの追加機能のようだ。
1つ目はアクティブ。
特に制限はない。
オンラインゲームを全部楽しみたい人向け。
2つ目はセミアクティブ。
会話と接触ができない。
アバターはお互いにそのまま見えるが、プレイヤーマーカーが白になっている。
コミュニケーションが苦手な人やハラスメントを事前対策したい人向け。
3つ目ノンアクティブ。
会話も接触もできない。セミアクティブと違って、こっちの接触不可は通り抜けちゃうらしい。
ユーザーIDが分からないとフレンド登録もできないし、フレンド以外の通信・ダイレクトメッセージもできない。
アバターはお互い黒い半透明のシルエットになってプレイヤーマーカーがなくなる。
とはいえ黒シルエットでもどんな動きをしているかは反映されるみたい。
一応公式ではゲームの世界観に没入したい人向けと書かれていた。
正直、オンラインゲームをしている意味を疑うモードだ。
でも私はノンアクティブでしようと思う。
オンラインだからゲームをするわけでもない。
むしろできるだけ他人と関わりたくない私には、丁度いい意思表示になる。
それとノンアクティブの説明にユーザーID検索のみフレンド申請可って書いている。
ということは逆にいうとセミアクティブはそれ以外でも申請できるってことでしょう?
知らない人からいきなりフレンドになってほしいって言われても正直怖い。
それにうまく断れるかも分からないけれど、最初からフレンドお断りなモードならその心配もない。
ついでに相手も黒シルエットになったら、初オンラインゲームの緊張が和らぐかもしれない。
NPCだと思って近づいたら実はプレイヤーさんでしたとか、そういう失敗で恥ずかしい思いをしなくて済みそう。
このゲームは作りこんでるらしいから、ずっと同じ場所に同じNPCが立ってるってことはないだろうし。
それにこの書き方ならゲームの設備とかの制限はなさそう。
βテストならイベントとかもないだろうし、1人で遊ぶには問題みたいだからね。
うん。何となく方向性は見えてきた。
生産系で1人のんびりプレイ。
ふと、デバイスを見ると初回アップデート完了の文字が表示されていた。
ログイン前の初期設定はすでに終えているので、私はヘッドギアを付け”BOO”を始める。
VRMMOが一般化してここ数年。
私は興味があまりなく時々友達から話を聞くだけだったから、ちょっとドキドキしながら起動させる。
=”
起動アナウンスが聞こえた。
私の意識が現実から仮想現実へと移動する。
気が付くと私は黒い空間の中にいた。
公式サイトにも書かれていたあらすじが男性とも女性ともとれる声で聞こえてきた。
~~この世界は停滞と混迷に侵されていた。
神々は世界を創り、ヒトを創り、動物を創り、植物を創った。
この世界は光に溢れ、闇に安らぐ平穏な楽園だった。
しかしその楽園を妬んだ悪神は、悪意の種を世界にばら撒いた。
悪意の種は心に根を張り、ヒトを、動物を、植物をモンスターに変貌させた。
神々はそれに対抗しようとしたが、強大な神の力を使うと世界がモンスターの巻き添えになりかねない。
そこで神々は世界に祝福を与え、ヒトはスキルを賜った。
世界は楽園ではなくなったが、神々の祝福によりヒトはモンスターに抗い続けている。
それから永い時が経った。
悪神の下僕たるモンスターは強大だが、モンスターを創ったことで悪神は力の多くを使っていた。
そのため長きに渡り沈黙し続けた悪神だったが、悠久の時を経て再び動こうとしていた。
その予兆を感じ取った神々もまた一手打とうとしていた。
異界から有望なものを招き、この世界に平穏を取り戻すために。~~
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