第5話
「あんの大罪人許しませんわ‼アルセルト様を殺害したと思ったら父でもある国王陛下までも暗殺してやりたい放題‼私も殺されたはずですがここはどこなのかしらね。恐らくどこかのダンジョンなのでしょうけど…スタンピードの前兆が出ているわね。とりあえず誰かにここの場所を聞かなければ」
そういって1人の少女は歩き出す。
その頃アルセウムたちはというと…秦檜を背負いながらダンジョン内を疾走していた。
「骸骨様‼私普通の受付嬢なんですってば‼もう少し速度落としてください‼」
「アルセウムでよいぞ。速度については我慢せい。見知った魔力を感じたでな、それに…早くせんと全員助けられんだろうが。でも、お漏らしされたら困るな…転移でも使ってみるか」
お漏らしというワードに反応した秦檜の顔はみるみる赤くなっていく。受付嬢になりたての頃に一回だけしてしまったことがあるのを思い出してだ。
「あの頃とは違うんですからしませんよ‼あと転移が使えるんなら早く使ってください‼」
「わかった。では一番したの者から行こうかの。知った魔力も感じる…だが危なそうだ。『転移』」
2人が青い光に包まれて消える。そして再び現れたのはダンジョン第10層のボス部屋前だった。ボス部屋の扉は開いており中に2人人影が見える。
「お二方‼助けに参りました‼助っ人もいます‼さ、アルセウム様お願いします‼」
2人が相対していたのはキメラといわれるモンスターだ。現れるたびに外見が変化するモンスターでこの場合はオーガとワイバーンのキメラのようだ。
上半身がワイバーン、下半身がオーガという異様なモンスターはワイバーン特有のブレスを溜めている最中だ。
「お主は2人についてやれ。あぁそれとその片方の赤髪のほうはおそらくアルセルトの婚約者だ。魔力が似ておる」
「あ、アルセウム様ですわ‼ということはアルセルト様もどこかにいらっしゃるはずですわ‼」
赤髪の少女がそう叫ぶ。もう片方の探索者の男性は気持ち悪いものを見たかのように顔をひきつらせた。
アルセウムは秦檜が2人のもとに走っていったのを確認しキメラと対峙する。目があった瞬間、キメラがブレスを放とうと口を開けた。その開いた口の中に拳を一突き…といっても寸止めなのだがその衝撃波で放たれたブレスは速度が次第に遅くなっていき、そして逆方向、キメラに向かって加速していった。
そして、キメラの頭が消滅し絶命。あっさりとキメラを討伐してしまった。
「秦檜、早く次に向かうぞ。それと、スカーレット嬢、探索者の男、2人とも無事か」
赤髪の少女、スカーレットはドレスについた汚れを落としながらうなずいた、しかし探索者の男はまだ状況が分かってないようだ。
「お、おう。助けてくれてありがとよ。それにしても、骸骨がなんで喋れるんだ?あ、斗真って名前だ」
「斗真か、ほかにも人がおるゆえ歩きながら説明するぞ。スカーレット嬢もいくぞ」
四人は地上に向かいながら逃げ遅れた人を助けていった。
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