第4話

・156万ってどんだけ王子様の王国強かったんだよ…

・やばいやばい!!斎藤っていう配信者がダンジョンの5層でゴーレムみたいなのに襲われてる!!

・斎藤って最近少し人気出てきた配信者だよな?

・日本刀で戦う人?

・そだよー

・誰か助けに行ってくれー!!


 コメントを見ていると何やらやばそうな文が流れてくる。気にしてはいなかったが何故か文字が読めるようになっているらしい…意味は分からないが。

 私はまた召喚魔法…いや契約魔法を使いある人物を喚び出した。人物と言っても肉体は朽ち果てていて骨だけなのだが。


・まーたなにか喚び出した?

・なんだろう…外見はとっても強そうなのに骨だからか弱そうに見える。

・今度はなんだ?


「我が子孫よ…ここはどこなのだ?戦場でもないみたいだが…この気配…スタンピードの前兆か?」


・ほ、骨が喋った…

・なんか我が子孫とか言ってなかった?

・ってことはこの骸骨さんは王子様の御先祖?!

・そもそも先祖を喚び出す時点でよ……


 私が喚び出した人物はアルセウム・テンペスト。テンペスト王国初代国王の父にあたる人物だ。スカイが間に付くのは10代前の王族からでその以前の王族には付いていない。


「アルセウム様…緊急の要件なので説明は後に致します。ここのダンジョンの第5層で冒険者が…探索者と名称が変わりましたが襲われております。その他にもおそらく逃げ遅れた者もいることでしょう。救出してきてはくれませんか?」


「分かった。ざっと確認したところ10層までに探索者という者が最低でも10人はおる。全員助けてこよう。おそらくこのダンジョンは初めてだろうから誰か案内を頼めないか?もし襲われても我が対処する。出来れば詳しい者が望ましいのだが…正確には顔が知れておって詳しい者じゃ」


 アルセウム様が周りにそう聞くと私の目の前で黙っていた女性が手を挙げた。服装を見る限り探索者では無いようだが…。おそらく有名な人なのだろう。


「秦檜さんは確かにこのダンジョンに潜る人は全員知っているから適任っすね。一応受付嬢なんで詳しいっす」


「受付嬢か…良いだろう。早速ついてこい!!早くせんと全員死んじまうぞ」


 アルセウム様はそう言いながら秦檜という名の受付嬢の手を引いて入っていった。


・王子様…あの骸骨様何者なんだ?

・画面越しにでも分かる圧倒的な圧があったぞ

・あれもスタンピード鎮圧に参加すれば楽になるんじゃね?


「話がそれそうだ。簡潔に説明しよう。あの御方はアルセウム・テンペスト。テンペスト王国の初代国王の父君にあたる御方だ。そして私から遡って23代前の先祖ということになる。アルセウム様は初代国王様から王城の地下に幽閉されていたのだ。詳細は省くが色々あって私はアルセウム様との契約魔法を結んでいる状態だ」


「初代国王ではなかったんですね。まあ…アルセウム様に探索者はおまかせするとして…」


 とある男性がそこまで言った時だった。なにか分からないが音が鳴り響いた。

 男性はちょっと失礼と頭を下げ取り出した板を耳に当てて独り言を呟いている。


「わ、わかりました。5分後に到着されるんですね?それと…わかりました。ユウキさん!!この配信…世界のテレビで放送してもいいですか?」


 その単語を聞いた周りの者はザワつく。知らないがどうやら異例のことらしいのは分かる。

 ユウキの方を見るとゆっくりと首を縦に振っていた。


「OKだそうです。では、お待ちしておきます。アルセルト様、ちょっと場を整えさせて頂きます。先程の発言からおそらくこのスタンピードが我が国だけではなく、全世界も滅ぼしかねない可能性があるとしてこの場で緊急会議を開始します。先程、藤宮総理大臣がこちらに来られるという連絡を受けました。そしてこの配信は今より世界のテレビ局から放送されます」

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