リベンジマッチ:前編
《6時間経過、デスペナルティ失効》
《リスポーンします》
リアとサザレさんにPvPで負けてから約6時間後、デスペナルティの失効と共にリスポーンを選択する。
『…スレア…ごめんなさい』
リスポーンするや否や、真っ先に聞こえたのはキュスの謝罪の声。
(えっ、何が?)
『…私のせいで…スレアが…』
(そんなに気にしなくていいよ)
『…本当?許して、くれる?』
(うん)
『そっか…ありがと、スレア』
…お礼言われるような事かな。まあ、いいや。
■
「あ、おかえりスレアちゃん」
「やぁ、6時間って案外長いものだね」
「あはは…まあリアルで6時間ですからね…」
「っていうかさ、スレアちゃん。あのとき、なんで反撃しなかったの?」
「え?」
「スレアちゃんなら、あの瞬間からでも勝てたと思うんだけど…」
……………。
「…買い被り、すぎだって。…まあ、それこそリアやサザレさんなら、出来るんだろうけどさ」
「いやぁ…無理でしょ」
「無理だね…流石に僕でも。…じゃあ折角だし、もう一戦やってみる?」
『…リベンジ、したい』
「分かりました」
■
「それじゃあ、いくよ」
「油断してるとまた勝っちゃうからね!」
「…はいはい」
『スレア、嫌なら断ってくれてよかったのに』
(嫌、ではないかな。僕も、ちょっとだけ悔しいから)
『そうなんだ…』
何てことをキュスと話してるうちに、接近してきた二人の攻撃を避ける。
リアの剣とサザレさんの二刀流、それぞれリーチも扱い方も違うから捌きにくいけど…。
「…今だシャリア!」
「了解!エウロス、ヘーパイストス!」
風魔法と炎魔法の同時発動。
炎魔法に風魔法が空気を供給して、大爆発を起こす。同時に砂塵を巻き上げて、【
…でも、今回はアビリティを使うつもりはない。
砂塵を巻き上げると同時に姿を消した二人を、その場に留まってじっと待つ。
■
「…あれって、罠かな」
「どうだろう、でもこのままだといずれ砂塵は晴れてしまう。そうなる前に決着を付けないと」
「だね」
【
サザレさんと息を合わせて―――地面を蹴って砂塵の中に飛び込む。
金属音と共に、振り下ろした剣の腹を蹴られて、刀身が折れてしまう。
…これ、絶対に蹴りで折れるような強度じゃないと思うんだけど…。
まあともかく、気はこっちに引くことはできた。数秒でも時間稼ぎをすれば、あとはサザレさんが―――。
「―――ぇ」
蹴りの勢いで一瞬晴れた砂塵の隙間から、首にナイフが突き立てられたサザレさんが目に入る。
…その瞬間から、スレアちゃんに言い得ぬ恐怖を感じ始める。
全身に鳥肌が立つような感覚、スレアちゃんに殺気は感じられない…けれど、怖い。
悪魔か、死神か…あるいはもっと恐ろしい何かか。
恐怖で足が竦んでしまう。前に進んでも、後ろに行っても、ここのままここで止まったとしても。
勝てる気がしない。さっきまでのスレアちゃんとはまるで違う人物かの様に…でも、スレアちゃんの雰囲気のままで…。
「―――っ!」
間一髪、スレアちゃんのナイフを躱す。次の瞬間には、目の前にパイルバンカーを構えたスレアちゃん。どうにか体を右に傾けて避けて、そのまま受け身を取る。
怖い、怖いよ…スレアちゃん。
これはゲーム。ここで死んでも、リアルで死ぬことは無い。
そのはずなのに。
今、ここでスレアちゃんの攻撃を受けたら、リアルでも死んでしまいそうだ。
■
…あぁ、また外した。やっぱりリアは素早いな。
少し怖そうだけど…、何に怯えてるんだろ。
「なんか…動き変わったね、スレアちゃん」
「そう?」
「うん…なんか、こう…死神みたいだよ」
「…そう…かな」
死神…死神ね。
地面をトンっと蹴って、リアの目の前へと移動する。ナイフを振るがまたしても間一髪で回避される。
「―――ヘーパイストス!」
極至近距離で発動されたリアの炎魔法。
キュスが盾を形成しきる前に、それを避ける。
『盾、要らなかった?』
(いや、万が一もあるから助かったよ。ありがとう)
『そう?それなら良かった』
一進一退、中々リアに攻撃を当てられない。
「…ちょっとさ、本気出すね?」
「…うん」
「【
リアからエフェクトが弾けて、その場にそれを残して姿を消す。
…後ろか。
「―――っ!…これ防げるの…?」
僕の回し蹴りを察知したのか、攻撃ではなく防御を選んだリアが、蹴りを喰らって大きくノックバックする。
「…【
「称号によって色々変わるからね」
『…私達も、使ってみる?』
(そうだね)
「…【
エフェクトが弾ける。【
「うわぁ…なにそれ…」
「…さあ?僕も良く分からないけど…行くよ」
『切り離した【
(…分かった。それじゃあ行くよ)
『うん』
――――――――
作者's つぶやき:少し補足しますね。【
例えば【
一方で、【
【
リベンジマッチの決着が付いたら…そうですね、モンスターが大量に押し寄せてくるイベントでもしましょうか。
どうせ【
ちなみにレベル上限の解放は【
――――――――
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