一体化と変転の力

捕食者プレデター】モドキの攻撃を【深淵の神殺しダインスレイフ】の変形機能で形成した盾で防いだ後、盾の表面に刺を生成して【捕食者プレデター】モドキを串刺しにする。


捕食者プレデター】モドキは動きを止めて、その場に崩れ落ちる。

 だが、【捕食者プレデター】モドキの影が伸びて【捕食者プレデター】モドキを包み込んで、やがてその姿は【奇蹟の模倣者プラエスティギアトレス】に似たものになる。


模倣者トレーサー】、【奇蹟の模倣者プラエスティギアトレス】よりも二回りほど小さいそれが、深紅のコアを露出させて、そこからレーザーの様なビームを放つ。

 左手の盾で防ぎつつ、右手でパイルバンカーを生成する。


模倣者トレーサー】からのビームが止んだ瞬間に、パイルバンカーの杭を【模倣者トレーサー】のコアに突き刺す。

 ひび割れた【模倣者トレーサー】のコアに、ナイフを突き立てる。

 ガラスが割れるような音と共にコアが砕けて、【模倣者トレーサー】は跡形もなくその場から消える。


「…おぉ」

『…どう?便利でしょ?…【深淵の神殺しダインスレイフ】』

(うん…確かに。でも…)

『…?』

(キュスに変形機能は任せるよ)

『なんで?』

(…ちょっと、変形の感覚が苦手だからさ)

『そう…分かった』


 キュスが僕の、僕がキュスの動きに合わせて行動する。それだけでも、十分に強い。


 因みに、【深淵の神殺しダインスレイフ】の装甲の厚さは変幻自在。変形量に制限があるわけでもないらしく、火薬を使用する物以外なら理論上何でも…だから、生物を生み出すこともできるらしい。

「…すご、使いこなしてるじゃん」

「いや、僕よりも多分キュスの方が使いこなすのは上手いと思うよ」

 僕がそう言うと、キュスが【深淵の神殺しダインスレイフ】から僕のコピーの姿で顕現する。

「うん。…でも、初めてにしたら上出来」

「そっか」

「…あっ、そういえばスレアちゃん」

「なに?」

「スレアちゃんのステータス、ちょっと見せて」

「え?…うん」


【ステータス】

 Name:Threaスレア

 状態:正常

 Lv:88 - Level UP

HP体力】200

OFE攻撃】13

DFE防御】10

AGI敏捷】14

INS瞬発】13


SPステータスポイント】335


 アビリティ

刀身剛性化ソード・ステフニング

刀身属性付与ソード・アトリビュートグランテッド

縮地シュリンク・グラウンド

高飛躍リープフロッグ

攻撃変転オフェンス・トランジション】 - New ability

防御変転ディフェンス・トランジション】 - New ability

体力変転ヒットポイント・トランジション】 - New ability

瞬発変転エクスプローシブネス・トランジション】 - New ability

敏捷変転アジリティ・トランジション】 - New ability


 魔法

【炎魔法Lv:Max】ヘーパイストス - New magic

【水魔法Lv:Max】モーセ - New magic

【風魔法Lv:5】ハリケーン - New magic


 称号

終末の先駆者ラグナロク・プロトポロス】 - New degree

神殺しゴッドキラー】 - New degree


 その他

【痛覚リンク】有効


「お、【変転トランジション】系のスキルが軒並み揃ってるね」

「【変転トランジション】もそうだけどさ…レベル上がり過ぎじゃない?」

「いや、神殺しして43しかレベルアップしてないのがおかしいと思うけど…?」

「…そう?」

「うん」

「…私も、そう思う」

 キュスまで…。

「っていうか、【SPステータスポイント】振ったら?」

「あぁ、うん」


【ステータス】

 Name:Threaスレア

 状態:正常

 Lv:88

HP体力】200

OFE攻撃】23

DFE防御】13

AGI敏捷】24

INS瞬発】23


SPステータスポイント】5


 アビリティ

刀身剛性化ソード・ステフニング

刀身属性付与ソード・アトリビュートグランテッド

縮地シュリンク・グラウンド

高飛躍リープフロッグ

攻撃変転オフェンス・トランジション

防御変転ディフェンス・トランジション

体力変転ヒットポイント・トランジション

瞬発変転エクスプローシブネス・トランジション

敏捷変転アジリティ・トランジション


 魔法

【炎魔法Lv:Max】ヘーパイストス

【水魔法Lv:Max】モーセ

【風魔法Lv:5】ハリケーン


 称号

終末の先駆者ラグナロク・プロトポロス

神殺しゴッドキラー


 その他

【痛覚リンク】有効


「…うん、これでいいかな」

「良いんじゃないかな。…あぁ、そうそう【変転トランジション】系のスキルは簡単に言うと、ステータス数値を別のステータスの数値に移し替えるっていうやつ」

「…えっと…とりあえず実演してみる…。【攻撃変転オフェンス・トランジション】」

「【攻撃変転オフェンス・トランジション】なら、【DFE防御】の数値を全部【OFE攻撃】にプラスする感じかな。【防御変転ディフェンス・トランジション】なら【OFE攻撃】を【DFE防御】の数値にって感じで。一定時間後に元に戻るよ」

「そうなんだ」

 …【変転トランジション】スキル、かなり使える…かも?


「折角だし、【殺戮スローター】シリーズで試してみる?」

「…久しぶりに聞いたかも、【殺戮スローター】シリーズの名前」

『…、…【殺戮の天使スローター・エンジェル】のこと?』

(そうそう)

『…だったら、【変転トランジション】なんて要らないと思うけど…』

(まあ、いいんじゃないかな)

「よーし、そうと決まれば早速【残骸の砂漠ウェアケッジ・ディザート】にゴー!」



 鋼が浮かぶ、砂の海。【残骸の砂漠ウェアケッジ・ディザート】は【凍った深淵フローズン・アビス】と違う、見渡す限りの砂の世界。

『…すごいね、こんなにたくさん砂があるんだ…』

(…だね。…ここからしばらく歩くよ)

『うん』


 それから、暫く歩き続けて【殺戮の天使スローター・エンジェル】のいる場所へと向かう。

『…スレア、一応砂に足を取られにくい形に変形させておいたよ』

(あぁ、うん。ありがとう)

「…お、見えた見えた。…ってありゃ」

「どうしたのリア?」

「あれ、【殺戮の亡天使スローター・スリエル】だね」

「…あぁ、特殊個体だっけ」

「そうそう。…まあでも、確かに【殺戮の亡天使スローター・スリエル】なら【変転トランジション】はあったら戦いやすいかもね」

 …まあ、丁度良いや。

「…行くよ、リア。キュス」

「『うん』」

攻撃変転オフェンス・トランジション】は使うとして…【殺戮スローター】シリーズで優先するのは敏捷性よりも瞬発力。…まあ、別にこのままでも良いか。

「【攻撃変転オフェンス・トランジション】」


――――――――

作者's つぶやき:いやぁ…ステータス表示は書くこと少なくて楽です…。

と、まあそれは置いておいて。

変転トランジション】はちゃんと諸刃の剣なんですよね。

例えば【攻撃変転オフェンス・トランジション】。防御が0になって、防御分のステータス値が全て攻撃に回る…所謂捨て身とかっていうやつです。

――――――――

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