リアとレベル上げ:殺戮の権天使

「【殺戮の権天使スローター・プリンシパティ】は【殺戮スローター】シリーズの中で2番目に強いから気を付けてね」

「2番目?」

「うん、一番強いのは特殊個体の【殺戮の亡天使スローター・スリエル】だから」

「あぁ…そういえばそんなのも居るんだっけ」

「うん、居るよ。…まあ、とりあえず今は【殺戮の権天使スローター・プリンシパティ】を倒さないとね」

「じゃあ…とりあえず、また腕を切り落として剣を拝借しようかな」


「よっ…と」

刀身剛性化ソード・ステフニング】で刀身を強化したナイフを投げて、【殺戮の権天使スローター・プリンシパティ】の腕を落とす。

「投げる技術も高いって…すごいね…」

「あはは、ありがとリア」

 そう言いながら、地面に落下した【殺戮の権天使スローター・プリンシパティ】の剣を拾う。

「…前のより軽くなってる…」

殺戮スローター】シリーズの剣はとても軽い。軽いのにそれなりに物を切れる。

「【高跳躍ハイ・ジャンプ】」

 強化された跳躍力で、飛び上がる。その勢いで【殺戮の権天使スローター・プリンシパティ】の肩を斬り上げて、【殺戮の権天使スローター・プリンシパティ】を飛び越える。

 さらに、自由落下で付いた勢いで羽を切り落とす。

 地面に落下してダウンした【殺戮の権天使スローター・プリンシパティ】の胴体部目掛けて、剣を構える。

「【刀身剛性化ソード・ステフニング】、【刀身属性付与ソード・アトリビュートグランテッド】、ライジング・フレイム」

 刀身を強化して炎属性を付与して、突き刺す。

 鎧を貫通した剣は、【殺戮の権天使スローター・プリンシパティ】の胴体部に深く突き刺さって、稼働を停止した【殺戮の権天使スローター・プリンシパティ】が消滅する。


「いやー、もう手慣れてきたね?」

「まあね。もう3回も倒してるから」

「確かに、それもそっか。…それじゃあ、一回プライマリに戻ろっか」

「うん」

「…って言っても、ここ【残骸の砂漠】の【転移所ポータル・ポイント】って今の場所からじゃ遠いんだよね…あと数回くらい戦闘があるかも」

「分かった」



 リアの予想通り、僕とリアは今【炎蜥蜴フレイム・リザード】に囲まれている。

「【炎蜥蜴フレイム・リザード】…完全に囲まれてるね…、よし…スレアちゃん、行くよ」

「うん。【刀身属性付与ソード・アトリビュートグランテッド】、ウォーターウォール」

「…じゃあ、正面突破で駆け抜けるよ!」

「分かった」

 刀身に水を纏ったナイフで、飛び掛かってきた【炎蜥蜴フレイム・リザード】を倒しながら、僕とリアは【転移所ポータル・ポイント】の方角へと走り抜ける。


「…で…逃げた先には【殺戮の天使スローター・エンジェル】…、まあ、いい経験値にはなるかな?」

「…今回はナイフ一本だけで攻略してみようかな」

「よし、そうと決まれば行くよ!」

「うん」

「ヘル・ファイア!」

「【刀身剛性化ソード・ステフニング】」

 リアの魔法と同時に、刀身を強化したナイフを胴体部へと突き立てる。

「もう一回!ヘル・ファイア!」

 ナイフを突き立てた後の傷口に、リアがヘル・ファイアを叩き込む。

殺戮の天使スローター・エンジェル】を倒した後、僕達は再び【転移所ポータル・ポイント】の方に走っていく。


「ふぃ…着いたね、スレアちゃん…」

「そうだね」

「じゃあ、プライマリに戻ろっか」

「うん」

残骸の砂漠ウェアケッジ・ディザート】の【転移所ポータル・ポイント】から、プライマリの【転移所ポータル・ポイント】へとテレポートする。



「いやー、結構レベル上がったんじゃない?」

「そうだね…今のレベルは…30だね」

「おぉ~、結構上がったね」

 …推奨Lv:60の所にいる敵を倒して上がったレベルは28…まあ、こんなものだよね。

「最高レベルは100でカンストだから、頑張ってあと70レベル上げよう、スレアちゃん」

「…えぇ」

 あと70レベル…どれくらい時間がかかるんだろう?

「じゃあ、そうだね…なんか適当なクエストでも受けようか?」

「そうだね」

「じゃあとりあえず【掲示板クエストボード】見に行こうか」

「うん」


「これとか良いんじゃない?報酬が不明ってなってるクエスト」

 そう言ってリアが指差したクエストは、溶けゆく世界の果てに という名前のクエスト。

「…推奨レベル…表示なし?」

 …推奨レベルの表示が無いってどういう事だろ?

「きっと簡単って事じゃないかな」

「…推奨レベルが計測不可能なクエストの可能性もあるけど…?」

「まさか…無いよね?」

「いや、受けてないから分からないけど」

「そうだよね、やってみないと分からないよね!じゃあ受けよう!」

 …強引だなぁ、まあいいや。


「それで、クエストの場所は?」

「えっとね~…【溶けた深淵メルテッド・アビス】?…どこだろそれ?」

「そんな名前の場所ってあったっけ?」

「う~ん…多分ない…と思うけど…特殊条件をクリアしたら出現したりするのかな?」

「まずは【溶けた深淵メルテッド・アビス】を見つけるところからって事だね?」

「そうなるね」

 …でも、【溶けた深淵メルテッド・アビス】に関しての情報なんて何も知らないしな…。

溶けた深淵メルテッド・アビス】…深淵…って言う事は、地下だよね…地下がありそうな場所ってどこだろう?

 …駄目だ、僕の言ったことのある場所が【狼の平原】と【残骸の砂漠ウェアケッジ・ディザート】しかないから全く分からない。

「意外とプライマリの下にあったりしてね」

「あぁ…灯台下暗しってこと?」

「そうそう」

 …まあ、可能性としてはあり得るのか。

「でも、もしそうだとしても【溶けた深淵メルテッド・アビス】を開く条件って何なんだろう?」

「【溶けた深淵メルテッド・アビス】…溶けたメルテッドだからさ、高温を用意してみるとか?」

「ライジング・フレイムとか?」

「そうそう、あとは…深淵ってどうやったら開けるんだろ?」

「何かのステージギミックがあるとか?」

「あぁ~、そういうこともあり得るかも。…それじゃあ、取り敢えずプライマリの中をくまなく探索してみよっか」

「分かった」

「何か見つかったらいいね」

「そうだね」


――――――――

作者's つぶやき:次回はプライマリの探索になりそうです。早く見つかると良いですね。

っていうか、溶けゆく世界の果てに のクエスト内容を考えないけないので結構面倒なんですよね。

まあ、頑張ります。

――――――――

よろしければ、応援のハートマークと応援コメントをポチッと、よろしくお願いします!

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る