リアとレベル上げ:殺戮の大天使

「居たよスレアちゃん。あれが【殺戮の大天使スローター・アークエンジェル】」

「なんか…【殺戮の天使スローター・エンジェル】よりも若干小さい?」

「そうそう、【殺戮の天使スローター・エンジェル】よりも小っちゃいんだけど、その分攻撃が当てにくくて素早いから、【殺戮の天使スローター・エンジェル】よりも厄介なんだよね」

殺戮の天使スローター・エンジェル】では剥き出しだった胴部が純白の鎧に覆われていて、関節部も装甲で覆われている部分が多くなっている。

 羽も機械的な銀色から綺麗な白色に変化している。

「気を付けて、【殺戮の大天使スローター・アークエンジェル】は武器もそうだけど、【殺戮の天使スローター・エンジェル】よりも速く空を飛ぶから」

「【殺戮の天使スローター・エンジェル】って空飛ぶんだ…」

「あぁ…羽をさっさと壊しちゃったから飛ぶとこ見てないんだっけ。まあでも、スレアちゃんなら大丈夫だよ」

「分かった。じゃあ行ってくる」

殺戮の大天使スローター・アークエンジェル】がこちらに気付く。

 地面からゆっくりと浮き上がった【殺戮の大天使スローター・アークエンジェル】のハイロゥから、後方に向かって光が放射される。

 直後、【殺戮の大天使スローター・アークエンジェル】が剣を斬り上げながら横切っていく。

 間一髪でどうにか躱すことはできた。

 後から吹きつける風に巻き上げられる砂塵が、僕の視界を奪う。

「…っ!」

 砂塵で視界が奪われている中、【殺戮の大天使スローター・アークエンジェル】からの斬撃が繰り返し僕に襲い掛かる。

 どうにかこうにか感覚で避けてるけど…このままだと砂塵が巻き上がっていくだけだな…。


「【刀身剛性化ソード・ステフニング】!―――おりゃぁっ!」

殺戮の大天使スローター・アークエンジェル】の剣にアビリティで強化したナイフを食い込ませる。

「【刀身属性付与ソード・アトリビュートグランテッド】、フレイム!」

 ナイフの刀身が赤熱し始めて、刀身の根元から徐々に炎に包まれていく。

 流石にこの火力だと溶断は…できなさそう。

殺戮の大天使スローター・アークエンジェル】の持っている剣の鍔に片手を掛けて、ナイフを抜く。

 そして、抜いたナイフで【殺戮の大天使スローター・アークエンジェル】の腕の関節部を切り落とす。

「スレアちゃん!」

「…受け身取ったから大丈夫」

 あとちょっと落下点がずれてたら剣の柄に体刺さってたかも…。

 っていうか、受け身取ってても普通に痛い。まあそりゃそうか、推定15m弱から落ちたんだから。

「ライジング・フレイム!」

 リアの放った炎魔法が【殺戮の大天使スローター・アークエンジェル】の鎧に当たる。

 爆炎が収まると、純白だった鎧の一部が赤熱していた。

「あんまり効いてないみたいだけど…?」

「うん、だってこれ2つ目に習得する炎魔法だからね」

「あぁ…そう」

「ちなみにスレアちゃん、ナイフだと若干リーチ不足だと思うよ?」

「分かってるから大丈夫」

 地面に突き刺さった【殺戮の大天使スローター・アークエンジェル】の剣を引き抜く。

「あ、結構軽い」

「それ使うの?」

「うん」

 剣は思いの外軽く、刀身は長いのに片手で扱えるほど軽量だった。

 …こんな重さで斬れるのかなぁ。

 まあ、いいや。


 剣の腹で【殺戮の大天使スローター・アークエンジェル】の射撃攻撃を防ぎながら、地面を勢いよく蹴って飛び上がる。

「―――スレアちゃん!」

殺戮の大天使スローター・アークエンジェル】の左手には拳銃が握られていた。

 剣を頭上に投げて、ナイフに持ち替える。

 銃口が光って―――。

 金属音が響く。弾丸は向きを変えて、上空へと飛んでいく。

 ナイフを下に投げて、剣をキャッチして【殺戮の大天使スローター・アークエンジェル】の中心部に突き刺す。

「【刀身属性付与ソード・アトリビュートグランテッド】、フレイム!」

 刀身を炎が覆っていって、鎧は剣が刺さった箇所から赤熱していく。


 そして、【殺戮の大天使スローター・アークエンジェル】は鎧に突き刺さった剣と共に消滅していく。

「スレアちゃんすごい!今の動き何!?」

「ちょ、落ち着いてリア…」

「落ち着けないよ!今の動きすごかった!一瞬でナイフに持ち替えて銃弾を弾いて今度は剣に持ち替えて突き刺すなんて!すごよスレアちゃん!」

 テンション高すぎ…。

「…う~ん、でもどうやったら銃弾をナイフで弾けるようになれるのかなぁ…」

「別に撃たれても良ければいいんじゃない?」

「いや、でも避けられない時だってあるじゃん?」

「盾とかは?」

「使う機会が殆ど無いから持ち歩いてても意味ないよ?」

 まあ、基本的に剣で戦うからね…。

「…じゃあ、自分の銃弾を相手の銃弾に当てる、とか」

「ん~…現実的じゃないかも。それだったら避けた方が速いし」

 だから避ければいいって最初に言ったのに。


「そう言えばさスレアちゃん、ステ振りした?」

「…あ、してない」

 ステ振り…ステータス開いて…。【OFE攻撃】と【AGI敏捷】…あと【INS瞬発】に振っておこうかな。


【ステータス】

 Name:Threaスレア

 状態:正常

 Lv:22 - Level UP

HP体力】200

OFE攻撃】13

DFE防御】10

AGI敏捷】14

INS瞬発】13


SPステータスポイント】5


 アビリティ

刀身剛性化ソード・ステフニング

刀身属性付与ソード・アトリビュートグランテッド

高速化ハイ・スピード】 - New ability

高跳躍ハイ・ジャンプ】 - New ability


 魔法

【炎魔法Lv:2】ライジング・フレイム - New magic

【水魔法Lv:2】ウォーターウォール - New magic


 その他

【痛覚リンク】有効


 …よし、こんな感じで良いかな。

「ステ振り終わった~?」

「うん」

「よし、じゃあ残りの【殺戮の権天使スローター・プリンシパティ】もちゃちゃっと討伐しに行こう!」

「あぁ、うん…」

 リアに手を引っ張られて、【殺戮の権天使スローター・プリンシパティ】の方へと向かう。

 もうこの際移動は全部リアに手引っ張ってもらおうかな。


――――――――

作者's つぶやき:はい、ナイフで銃弾を弾くあれ、登場させました。

ちなみになんですが、レベルが1上がると【SPステータスポイント】が5貰えて、【SPステータスポイント】を10消費して【OFE攻撃】なりを上げることができます。

スレアくん…もとい彼方くん、本当に何者なんでしょうかね

――――――――

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