第一章第一話

確か、あの頃は小学五年目だっけか?あまり覚えていないが、ただあの時は好きな子がいて、あの子の誕生日でプレゼントしたかっただけだ。


二千十六年半ば、緑山小学校の夏休みの前


夏、皮膚を貫けるほどの日光は林や枝を枯れかせて、校舎内の気温度を最頂点と示している。

「あつー」

「ヤバいよね、こんな暑いのに数学って」

僕の前方の席に腰を掛けるケンタはランドセルから財布を取り出し、カフェテリアへ行こうとする

一方

「でも、もう直ぐ夏休みだからいいんじゃないですか?」

後ろ席から眼鏡を掛ける剣崎が言う。

「そうなんだけど、宿題がね〜、お前はどうなんだよ、美月?」

「どうって、急に聞かれてもな~」

夏休み、学生にとってこの休暇は必須なイベントであり、近頃で見ていた高校生の恋愛ドラマでは夏休みがないと絶対面白くならないこととか、ツイッターのSNS世界で話題になっている。

そして夏休みでしかやれないこととかもある。しかし、それと同時に学校側から問題起こさないためか、あるいはあまり自由感を与えないためか、山ほどの宿題を課しているのだろう。


と、お母様から聞いた


「またまた~どうせ楽勝じゃん、お前、優等生だもんな」

「いや~、それほどでも…」

突然の褒め言葉の発言に、心臓の鼓動が早まり、頬っぺたが熱くなると感じた

まぁ、本当はそんなに楽勝じゃないけど、数学とかまだ苦労する必要ところもあったんだけど、今は褒め言葉を受け取って、自身を甘やかそう。


「優等生と言えば、美月、この間の試験で転校したばかりの生徒が二位を突破したって、もう知ってますか?」

「ん?」

三人で教室の中を出て、廊下へ歩き出す。

この学校では一年から三年生までランキングがない上、宿題という学生への負担もあまり出されなかった。しかし、何故かサキナ財団が成立したこの私立学校は大会とか、良く受賞する

それだからか、当学校に入学させようとする親が多数いる。

今回剣崎が持ち込んだ話題は、隣のクラスで転校したばかりの子が僕の成績を奪い落そうとしてる。

「あ、あの転校生のことか?知ってるぜー、かわいい子だよなー」

「お前、どこ気にしてんだよ?」

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