第16話 特訓開始!

その放課後。

早速私達は大会に向けて特訓を行うこととなった。


「じゃあ、始めるよー!ほら、アイルもナンパやめて!」

「ユーリエさん、僕が絶対活躍するので、必ず優勝しましょうね!って・・・あ?これがナンパに見えるか?目腐ってんのか?」


ちなみに、私はあれからずっとアイルに付きまとわれ続けている。本読みたいのに・・・。まあ、なんでも頼みを聞いてくれるからパシリにできるという利点があるから別に良いのだが。


「私には一方的に話しかけているように見えるんだけどねえ・・・。」

「いいから早く始めるぞ。」


ちなみに、このメンバーだと皆のまとめ役は王子になる。王子単体だと変な人だとしか思わなかったが、結構まともな方なので、正直一番信頼していると言っても過言では無い。


「待ってください、その前に一度魔法大会のルールと内容を確認したいのですが・・・」

「え、ポスター見なかったの?」

「いえ、見たかったのですが持ち上げたら何故か紙が粉々になってしまって・・・」

「粉々?え、破けたとかじゃなくて?」

「はい。なんか粉になってしまいました。」

「ほら、ユーリエさんにとってはお前なんてゴミ同然なんだよ!」

「いや、流石にそこまで言ってなかったよ?!」


このように、私が発言すると必ず二人の間で喧嘩が起こる。だからこの二人の前では発言を控えるようにしているのだが・・・はあ、今回も長くなりそうだな・・・


「あー、とりあえずルナがゴミでも何でもいいから特訓始めないか?」


王子ナイスー!これは絶対将来良い王になるな。


「そうですよ!早く始めましょう!」

「む・・・分かったわよ。ちなみに、今回の大会は予選と決戦があって、予選では学年の中で、決戦では学校の中で一位のチームが決められるの。確か、予選では4ブロックに分けられてそれぞれチームから一人出場してサバイバルマッチを行ってポイントを稼ぎ、最終的にチームの総合得点で競う・・・みたいな内容だったはずよ。ちなみに、決戦の内容はまだ明かされてないわ。」

「ああ。ちなみに、代表的なルールとしては『試合前に出場者の妨害をしてはならない』、『出場者を殺してはならない』などがあったな。」


なるほど・・・。大体の内容は分かった。だが、やはり『出場者を殺してはならない』というルールが面倒だな。まあ確かに考えてみれば当然のことなのかもしれないが・・・普通に魔弾を飛ばすだけで殺しちゃうかもしれないからなあ・・・。うーん、手加減するといってもどうすれば・・・


「そうですか・・・。しかし、殺すわけにはいかないのなら・・・どう手加減したら良いのでしょうか?」

「あ、心配するところそこなんだ・・・。」

「当たり前だろ!ユーリエさんは誰も傷つけたくないんだよ!」

「あー、それなら今日一度、何も手加減をせずに予選と同じ形式で戦ってみないか?そうしたらユーリエもどう手加減したらいいかが分かるだろ。」

「確かに・・・。分かりました、ではそれでこの4人で戦ってみましょうか。他の二人はどうですか?」

「まあいいんじゃない?・・・あ、私には手加減してよ?!」

「いいですね!・・・グフフ・・・盗撮するチャンスだ・・・」


何かアイルが怪しげなことを呟いているが・・・まあ良い、始めるとするか。


「じゃあ皆さん、森に散らばりましょう!」

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前世天才魔法研究員の私は、実力至上主義の魔法学園で無双する。 霜月レイ @ichigodaisuki

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