校内魔法大会
第14話 新メンバー
あの暗殺者事件から数日後。私は、数日ぶりの教室へルナと共に向かっていた。
ルナとは、暗殺者の件は終わったのだがぼっちになるのは嫌だというルナの意見によってあのまま仲良くしている。
そして、教室へ向かっているのだが・・・
「はあ・・・。クラス替えか・・・。」
私は絶賛憂鬱中であった。
「なんでそんなにクラス替え嫌なの?」
「そんなの決まってるじゃないですか。覚えなきゃいけない名前が増えるんですよ?」
「はあ・・・。なんか、ユーリエって頭は良いけど勉強以外バカなのよね・・・。ていうか、なんで敬語なの?タメ口でいいんだけど。」
・・・。なんか今あっさり馬鹿にされたような気がするのだが、気のせいか?まあ良いや。タメ口か・・・。私、敬語以外使えないんだよな・・・。でも、これを言ったらまたバカにされるだろうし・・・。よし、ここは適当な理由をつけてはぐらかそう。
「あ・・・いや、あの私はいくら仲の良い人でも尊敬する心を忘れないことを大事にしているので、敬語以外は使わないようにしているんです。どこかの誰かとは違って初対面の人にタメ口で話すようなことはしないんですよ。」
「尊敬って・・・ていうか、最後、私のことバカにしてたよね?!尊敬の心なんてないじゃん!ほら、良いから早くタメ口で話しなさい!」
げっ・・・これは、タメ口で話さなくてはいけない流れなのか・・・?まあ少しぐらいなら・・・
「わ・・・えーと、わかったよ!えー・・・えー、ほら、タメ口で話し・・・あれ、違うか?あ、これだ!ほら、タメ口で話しましたからもういいでしょ?!」
よし、この私の完璧なタメ口は・・・あれ?なんかすごい冷たい目で見られている気が・・・
「もしかして、ユーリエ・・・敬語以外話せない?」
「そ、そんなわけないじゃん!ホラ、タメグチダヨー」
「すごい棒読みだけど・・・え、本当に話せないの?」
ヤバい。これはヤバいぞ。このままだと私がコミュ障であることがバレてしまう・・・!(もうバレてます。)早く話題を変えねば・・・!
「あー、トコロデキョウハソラガキレイダネー。」
「窓無いけど?」
「ほら、教室着きましたよ!アータイヘン、シュクダイヤンナイトー!」
ルナの冷たい視線から逃れるべく急いでドアを開けて入ったのだが・・・
なんと、入ったのは職員室だったのだ!
後ろを振り返ると、他人のような顔をしたルナが遠ざかっていくのが見えた。
私が急いで職員室から出ようとすると・・・
「待ってください、ユーリエさん?少しお話があるのですが・・・」
と、満面の笑みを湛えた先生が前に立ちふさがり、私は朝から先生に怒られる羽目になったのであった。
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「それでは、Aクラスに新しく来た三人の生徒を紹介します。」
あれから30分後。私は、結局猛スピード教室に滑りこみ、なんとか遅刻を免れることができた。ふう、全く何故私だけがこんな目に遭うのだろう。
「では、三人とも立って自己紹介をしてください。」
その先生の言葉と共に白髪の男子生徒と緑髪と茶髪の女子生徒が起立する。あ、そういえばアイリスは当然の事として、アーサーみたいなのとヨハンがいないぞ。なるほど、そこで入れ替わったのか。
「わ、私はグリーンです・・・。名字は・・・ごめんなさい、言ったら長くなると思うので言いません・・・。Bチームから来ました。」
「私はマリア・アイレット。私も彼女と同じくBチームからよ。」
最後は白髪の男子生徒だ。彼を見て、心無しか先生も含めてここにいる女子全員(私以外)が頬を赤らめているような・・・。まあ、気のせいか。
「僕の名前はアイル・グレーシング。Fチームから来ました。」
「ふう・・・。はい。では、三人とも席に座ってください。ちなみに、今回のテストのトップ3は、一位はユーリエさん、リアム王子とアイルさんで同立二位でした。では、入学してから一週間経ったところで、イベントのお知らせをします。三週間後の土曜、校内で魔法大会を実施します。四人でチームを作り、一次大会では学年一位のチームを、二次大会では学校一位のチームを決めます。ちなみに、参加は任意です。」
へー・・・。魔法大会か・・・。こういうのって、クラスの陽キャが出るイメージがあるな・・・。それよりも、さっきからアイルとかいう男子がこっちを見てくるのだが・・・なんだろう。何か気になることでもあるのだろうか。
「詳細はこちらのポスターに書いてありますので、興味のある人は見てください。これで朝の会を終わります。」
よし、終わったか・・・。じゃあ、早く本を・・・
「あの、僕とチームを組んでいただけませんか?!」
読みたいのにー!なんで私は毎回まともに本も読めないんだ?全く、誰だよ話しかけたやつは・・・
顔を上げると、そこにいたのは尊敬の眼差しで私を見つめてくる、アイル・グレーシングがいた。
そして、そいつはその後さらに爆弾発言をかましてきたのだ。
「僕、あなたの大ファンなんです!」
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