第2話 転生②

前世の私は、光属性だった。

そのため、周りから期待され、尊敬された。

確かに、最初は嬉しかった。そのため、周りの期待に応えようと努力し、ついに天才とまで呼ばれるようになった。

しかし、いつからか、その期待や尊敬が鬱陶しくなった。

魔法の研究に没頭したいのに、

研究の途中で他の研究員から質問される。

他国からうちで働かないかと勧誘される。

魔法学校長からぜひとも学校に来て生徒に話をしてほしいと言われる。

私は、それらに耐えきれなかった。そして、闇属性に憧れた。

闇属性になれば、誰にも話しかけられない。魔法の研究にも没頭できる。

そして、闇魔法にも憧れた。

全てを闇に還す闇魔法。この魔法こそが、魔法の頂点に立つだろう。

そんなことを考えていて、私はふと閃いた。闇に「還す」ではなく、「吸収する」魔法を作れば、無駄のない、最高の魔法ができるだろう。また、魔力とは生きる力なので、魔力量が多ければ体を循環する魔力も増え、スピードや腕力などの身体能力も高くなるだろう。つまり、魔力を吸収する魔法こそが、最強の魔法だ、と。

それからは、職場である研究所には行かずに、家でひたすら闇魔法の研究をした。

そして、ついに開発したのだ。

魔力を吸収する闇魔法、「リテラマリア」を。

そして、それと共に私が闇魔法を研究していたことが露見し、死刑になった。

牢獄に入れられている間、私は人生を振り返った。

正直、後悔することは何も無かった。しかし、ただ一つ、やり残したことがあるとすれば、

作った最強の闇魔法を実際に使ってみたかったな、ということだった。

とはいえ、それは今の自分の属性では不可能だ。と、諦めていた。

そう。前世は。

しかし、今の自分は闇属性。

リテラマリアの唯一の弱点は、発現に大量の魔力を必要とするすること。しかし、言い換えれば、弱点はそれだけだ。つまり、魔力量を増やせば、発現させることは可能。

多くの人は、魔力を上げるために、魔法をたくさん使って魔力を消費しようとする。しかし、その方法は間違っている。

私は、初めに、魔力とは生きる力だ、と言った。それをさらに言い換えると、魔力=体力と考えることができる。

つまり、魔力を上げるためには、

ランニングや筋トレなどの運動やバランスの良い食事などの体力作りが大切だ。

有言実行。それを考えた私は、すぐさま行動を始めた。

……………………………………………………

そして、それから10年後の現在。

私は、人質にされていた。

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