前世天才魔法研究員の私は、実力至上主義の魔法学園で無双する。

霜月レイ

学園生活の始まり

第1話 転生①

「お嬢様。起きてください。」

その声で目が覚める。って、え?お嬢様?一体誰のことだ?

「ユーリエ様。」

ユーリエ様?一体誰のことだろう。だって私は、国の魔法研究員、アメリア。闇魔法の研究をして、死刑になって……

え?死刑になって?では、今なぜ私は生きているのだろう。もしかして……転生?

いやいや、それは小説の中だけのお話で……しかし、それしか考えられない。では、私はユーリエという人に転生したのか?しかし、お嬢様とは?もしかして、貴族なのか?いや、こう考えるよりも実際に起き上がって周りを見たほうが早い。

とりあえず、ベッドから体を起こし、辺りを見回す。さっき自分を起こしに来た人は、もういなくなったようだ。一番に目につくのは、大きなクローゼットと、勉強机、それと……鏡だ。私は、鏡にうつる自分の姿を見て、自分の目を疑う。

私の髮も目も真っ黒だ。これのどこが変なのかというと……


この世界では、魔力とは生きる力。そのため、生きている者は皆魔力を持っており、その魔力の属性によって髮や瞳の色が変わる。魔力には、6種類の属性がある。

1つ目は、火。

2つ目は、氷。

3つ目は、風。

4つ目は、土。

5つ目は、光。

そして、最後の6つ目は、闇だ。

これらの中でも、保有している属性の魔法しか出すことができない。

しかし、保有できる属性は1種類だけではなく、複数の属性を所持している者もいる。しかし、光と闇は1種類ずつしか所持することができない上、保有している人が極めて少ない。特に、闇は魔族や魔物に多いため、闇属性の人間は「悪魔の子」として周りから差別される。


そして、私の髮と目は真っ黒。この事実が示しているのはーーー

自分が闇属性であり、周りから軽蔑される対象であることだ。

普通なら、悲しむべきところであろう。しかし、私はそうは思わず、逆に嬉しさのあまり感動していた。

こんな奇跡があるのか。ああ、神様ありがとう!、と。

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