第6話 面接受からなかったので、次は……
「なんでですかっ社長!」
そう食って掛かったのはライさん。……というか社長?今社長って言ったよね!?
面接官自体が社長だった……!?
というかなんで不採用!?
「それはなぁ、ワシの女房を可愛いって言ったからに決まってるだろうがっ!」
「そんなこと言うやつがうちの女房に何かしでかさんと言い切れないこのご時世、あいつの身を脅かしかねない奴は排除するのが夫の義務だろう?」
あ……あのお姉さん社長の妻だったんだ……?年離れすぎてない?見た感じ50代と20代だよ!?
よーするに、この人は超愛妻家……いや、これは愛妻家どころじゃない……狂妻家!
「は…はぁ?」
社長と知り合いらしいライさんも呆れてる。そりゃそうだよね。狂妻家過ぎるもん。
「面接ぐらいしてくださいよ!」
「無理だ!帰れ!」
※
「いやぁ……。まさか断られるとは思いませんでしたよ」
とライさんがコーヒー片手に言っている。
「あれはびっくりです……。そういえばあの社長と知り合いみたいでしたけどどんな関係なんですか?」
と俺はソファーに腰掛けながらきく。
「あれ?言ってませんでしたっけ?私が独り立ちするまで雇ってくれていた社長さんですよ。結局あそこではえーっと、部長?あ、副社長まで行きましたね」
ブブッーー!
俺は盛大に吹き出した。
「ライさんってあそこで副社長だったんですか!?」
「えぇ……そうですが。」
「まじですか……。というか今は?」
「言ってませんでしたっけ?社長してるんですよ、自分の会社建てて。」
……………。
「そうすけさん!そうすけさーん!もしもーし!」
「ん、あっ……!ライさんって社長だったんですか!!!!!!…………何の会社ですか?」
「うわっ!え、普通に日本で考えられたものを売る会社ですが」
まじですか。異世界転生モノにつきものの、日本発案の物をこっちで作って売ってるんですか。
それなら――……
「ライさんの会社に入社させてください!」
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