第34話

桐谷たちが戦闘を開始する数時間前に遡る。


異能都市第1位 橘神楽はとある事件を調査していた。


(通り魔…ね…今どきそんなことするやついんだなぁ)


そんなことを考えながら人気の無い路地を神楽は一人進んで行く。

路地は暗い、ビルに光が遮られているためだ。


(つーかこんな所で通り魔とか…趣味悪ィな…)


欠伸あくびをしながらゆったりと歩く。

何も無い。

歩いても歩いても暗いだけだ。


(クソ…こんなんじゃキノコが生えちまう…)


冗談を言う余裕はあるようだ。

だが本当に何も無い。

野良猫が2匹戯れてるくらいだ。


(…なんか頭いてェな)


神楽は頭痛に襲われていた。

風邪でも引いたかと思いながら立っている。

視界が霞む。


(やべェなこれ…一旦帰るか…)


そう思い瞬間移動系の異能を使おうとした。

だが発動しない。

何かがおかしい。


(そういや…俺は…なんで…歩かないんだ…?ずっと…立ちっぱなし…)


「あ」


思わず声が出た。


(そっか…俺…倒れてたんだ…)


気づいた時にはもう遅い。

橘神楽は既に



死んでいた

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