第31話

もしもし?と天海は異能審判に電話をかけ

た。


その間桐谷は廃工場を歩き回っていた。

他に生命体が居ないか確認するためだ。


しかし桐谷は10分ほど辺りを探したが何も無かったので、とりあえず天海の元へと戻ることにした。


「あ、戻ってきたのね!あと少しで異能審判も来るらしいから座って待ってましょ!」


桐谷と一緒に居ることが嬉しい天海は感情を隠しているつもりだが全く隠れていない。

しかし桐谷は全く気づいていないようだ。


しばらくして、異能審判が男女で15人ほど到着した。


「ここですね、先輩。」


「ええ、ここね、後輩ちゃん。」


謎の掛け合いが聞こえる。

天海は心の中で舌打ちしつつ


(思ったより早かったわね、もっと二人きりで居たかったのに…まあ、しかたないわね。)


異能審判たちがこちらへ歩いてくる。


「“これ”が天海さんの言っていた謎の生命体ですね?」


「そうよ。」


天海が頷く。


異能審査の“先輩”と呼ばれる少女がひとしきり生命体を観察したあと

「とりあえず色々調査しますね。」


そう言うとカバンの中から色々と道具を取りだした。

素人の桐谷と天海には何をしてるかイマイチ分かっていないようだ。



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