第30話

早朝に廃工場から戦闘音が響き渡る。


「なんだこいつ!攻撃が全然効いてねえぞ!?」


「頭よ!頭を狙いなさい!」


天海の方をちらっと見ると既に頭の吹き飛んだ生命体が足元に転がっていた。


(ちくしょう…こういうのはあんまりしたくなかったけど…仕方ねえな…)


桐谷は生命体の頭に手を振りかざす。

手が頭に触れた瞬間、生命体の頭が消し飛んだ。


否、消し飛んだのでは無い。

頭と手が触れた瞬間に頭だけを瞬間移動させたのだ。


(うーわ…残酷ぅ…)


天海は心の中でそう思いながら桐谷の足元に転がっている生命体の頭を見つめた。


「結局何だったんだ…?こいつら。」


「わからない…生命錬金ライフアルケミーの類いかしら?でもこっちの都市でそんな異能聞いたこともないけど。」


「わかんねえ」


桐谷は適当に相槌を打つ。


ここは子供しかいない方の異能都市だ、そんな所で聞いたことない異能(異能なのかはまだ分からない)と戦闘したのだ。

普通に怖いだろう。


「まあ、とりあえず異能審判呼びましょう。」


天海はスマホを取り出し電話をかける。


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