第28話

一通り食べ物を買った桐谷は誰もいない早朝の道を天海と歩いている。


「この時間だと涼しいな。」


そうね、と天海は言ったが


(私は体が火照って暑いけどね!)


内心穏やかではないようだ。


「そういや、なんで天海は朝早く立ち読みしてたんだ?」


(げっ、立ち読みしてんのバレてた…)


そう思いながら天海は


「あ、あー…あれよあれ!友達に頼まれててたやつ買いに行ったのよ!気になったからちょっと読んでみただけ!」


立ち読みしてるのがバレたくないからわざわざ人のいない時間にコンビニに行ったとは口が裂けても言えない…と思う天海に対し、朝早くから行く必要ないよな?と、思うが口には出さない桐谷だった。


「あ、ベンチあるじゃん。あそこ座ろうぜ。」


つかれたー、と天海もベンチに座り込む。


「天海もなんか食うか?」


「私はダイエットしてるからいいや。気持ちだけ受け取っとく。」


痩せてるんだからもっと食べればいいのにと桐谷は思っているが、天海は少食アピールがしたいだけのようだ。


そんな話をしていると突如廃工場の方から眩い光が輝いた。

遠目からでも眩しい光に2人は思わず目をつぶる。


「なっ、何よ急に!」


わからん、と桐谷は立ち上がる。


「ちょっと!まさか行く気!?」


「確かめるだけだ、着いてこなくてもいいぞ。」


天海は少し考えて


「私も行くわ!」

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