第26話

メモを貰った現真似はメモに書いてある住所へと向かった。


「ここ…よね?」


そこには高級そうなビルが建っていた。


(ここは一応大手企業の本社らしいけど…あくまで隠れ蓑ってことかしら。)


自動ドアを通って受付へ向かう。

外見からもわかる通り、中も煌びやかだ。

会社ではなく高級ホテルのようにも見える。


「いらっしゃいませ、今日はどのようなご要件で?」


受付の少女が微笑む。

ここは異能都市だ、学生がほとんどで大人は基本教師だけの為、殆どの企業は学生が立ち上げている。(従業員も学生)


(確かこう言えばいいのよね。)


「今日はザクザクとしたメロンパンと揚げたてのカレーパンにアップルジュースのセットを買いに来ました。」


この合言葉に出てくるセットは橘神楽が好きなパンとジュースを詰め込んだだけの適当なものである。


「かしこまりました、こちらへどうぞ。」


受付の少女が地下へと案内する。


「着きました。」


重たいドアを開けるとそこには神楽がいた。


「あれ、さっき会いましたよね?速くないですか?」


真似の疑問に対し神楽は瞬間移動したんだよ、と軽くあしらう。


「本題にはいるんだが、真似にはひとつ任務を行ってもらう。」


急な真面目顔に真似は面食らう。


「簡単に言うとお使いだ。」


簡単すぎる内容にまたしても真似は面食らう。


「これを買ってきてくれ。」


と、神楽はメモを渡す。


「えーとなになに?メロンパン、カレーパン、りんごジュース。」


そこで1度読むのをやめ、


「ほんとに好きなんですね。」


と微笑む。

続けて


「プラモデル…?好きなんですか?」


「ああ、暇な時にやってるんだ、案外楽しいぞ。」


神楽は案外子供っぽいようだ。

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