第21話

「今日はいろいろあったなあ。」


天海と千奈は相槌を打つ。


「突然アイツと出くわして、絶対的探求心がアシストするって言ったのに途中からいなくなって、最後に第一位が桐谷に会いに来るなんて…ホント疲れたわー。」


流石にみんな疲れたようだ。


「もう遅いし早く帰ろう。」


桐谷は自分の男子寮へ、天海と千奈は自分たちの女子寮へ帰っていった。(天海と千奈は同じ寮)


男子寮にて


「今日は疲れたなあ。飯どうしよ。」


晩御飯のことを考えていると


ピンポーン


インターホンが鳴った。


「はーい。」


ドアを開けるとそこには


「ああ、やっぱここだったんだな。」


と、黒髪に白いメッシュを入れ、ハーフアップにしている女の子のような美形の少年が立っていた。


「橘…神楽!?」


桐谷は固まる。

神楽が目の前にいることにではない、いや、それも驚くべきなのだろうが、桐谷はそれより


(こいつ…近くで見るとこんなにかわいいのか!?男なのに!!)


神楽の可愛さに驚いているようだ。

それもそうだ。


橘神楽、彼の身長は162cm程でスタイルもよく顔も整っている。


「ンだよ?あんまじろじろこっち見んな。」


と、神楽は桐谷をげしげしと蹴る。


(ああもう!いちいち可愛いな!)


桐谷の新しい扉が開きそうになる。


「ま、まあ暑いしとりあえず入れよ。」


そうか?わりぃな と神楽は家に入る。


「で?こんな時間に何の用だ?」


神楽は話がある、と


「俺はお前が気に入った。これからもお前は何かしらの事件に巻き込まれる。何かあったら力を貸してやる。」


おそらくコピーした異能で視たのだろう。


桐谷は

(まじかよ…やだなあ)


とか思いながら


「事件に巻き込まれるのは嫌だけど…お前がいてくれると心強いよ。ありがとな、神楽!」


ただし、と神楽は付け加えるように


「桐谷、おまえは強くなる。だからそん時はお前の異能を俺に使わせろ。」


コスパの良い提案だろう。


「俺には何のデメリットもないってわけだろ?」


そうだ、と神楽はうなずく。


「なら答えは決まってる。これからよろしくな!」


二人は固い握手を交わす。


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