第20話
「よお、桐谷。」
桐谷の肩に手が乗せられる。
「!?」
桐谷はその手を振り払いつつ後ろへ飛ぶ。
「誰だテメェ!お前もアイツの手下か!?」
「おいおい桐谷ぃ、あんな雑魚と俺を一緒にすんじゃあねえよ。」
(雑魚…だと…あんなに強かったんだぞ!?)
そんな桐谷の横から天海が
「そもそもアンタ誰なのよ!答えなさい!でなきゃ打つわよ!」
天海が構える。
「おお怖い怖い。まあ打たれたところでどうってことねえけどなぁ。」
ニタリと不気味な笑みが浮かぶ。
2人は後ろで千奈が震えていることに気がつく。
「あ…え…」
千奈の不安そうな声に
「千奈?どうしたの?落ち着きなさい。」
天海の言葉は届いているのか?それは千奈にしか分からない。
「い、異能都市第一位…橘…神楽…?」
2人は固まる。
「大正解。」
楽しそうに神楽は笑う。
3人はもちろん第一位のことを知っている、ただ千奈以外のふたりは直接見た事がなかったため第一位だと分からなかったようだ。
「何しにきやがった?俺に何の用だ?」
神楽は何も言わずに近づいてくる。
「止ま」
りなさい、と天海が言う前に神楽が、
お前に興味は無いという表情で
「うるさい。」
「なっ、何よアンタ!」
神楽は何も言わない。
桐谷は身構える。
「千奈!バリア!」
天海の声に千奈は3人にバリアを張った。
「
バチバチと音を立て突き進む攻撃に神楽は見向きもせず手を差し出す。
すると、天海の攻撃が消えた(吸収された?)のだ。
「なっ、嘘でしょ!?あの噂は本当だったの!?」
天海の叫びに少し耳を傾けつつ
「なるほど、良い異能じゃないか。」
と言う言葉だけ放つと
神楽は手を突き出し構える。
「破壊爆発…だっけか?」
天海と同じ技が繰り出される。
だが天海にはバリアが張ってあるためダメージは無い。
驚く天海を眺め
「バリア系の異能か、欲しいな。」
と、天海に手をかざす。
「使ってみるか。」
と、神楽は自分にバリアを張り出した。
千奈が口を開く。
「桐谷君は知らないと思うから」
と、説明しだした。
橘神楽の噂について。
「異能都市第一位 橘神楽はね、異能を吸収して自分も使えるようにするって言う噂があるの。コピーペーストみたいな物かな。コピーされるだけだから異能はなくならないらしいよ。」
天海は ホントだ と自分の異能が使えることを確認する。
「まあ、そういうことだ。」
「で?その第一位サマが一体俺に何の用だ?」
「そう警戒すんなよ桐谷、俺は挨拶に来ただけだ。また会うことになるだろうからな。」
神楽は手を差し出し握手を求める。
桐谷は恐る恐る神楽の手を握る。
「よし、じゃあ俺はこれで」
そう言い残し虚空へ消えた。
「何だったのよアイツ…」
天海の言葉に2人も頷く。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます