第19話

「あ、やべ、ゲームしてたらいつの間にか戦闘終わってるじゃん。まったくアシストしてないや。」


まあいいかと絶対的探求心はゲームを再開した。


「おいおいそんなんでいいのかよ?絶対的探求心サンよぉ。」


絶対的探求心の背筋が凍る。

振り向かずに絶対的探求心は


「…いつからそこにいた。」


と、不満そうに物申した。

謎の少年は不敵な笑みを浮かべながら


「まあそんな怪訝そうな顔すんなよ。せっかくここまで来てやったんだ、俺とお前の仲だろ?」


そんなに仲良くないだろうと言わんばかりの表情で絶対的探求心は


「で?何の用だ?異能都市第一位の橘神楽たちばなかぐらがこんなとこまでやってくるなんて。」


「ハッ、そんなに褒めるなよ、照れちまうだろうがよぉ。」


面白くなさそうに笑いながら喋る神楽に少し腹を立てながら


「早く本題に入れ。」


怖い怖いと少しばかり馬鹿にしながら神楽は


「桐谷?だっけか?少し気になってんだ。」


「お前が他人のことを気に掛けるなんて珍しいな。」


だろ?と神楽は絶対的探求心の言葉に相槌を打つ。


「んじゃ、行ってくるわ、桐谷ンとこ。」


待て!


という前に神楽は消えた。おそらく瞬間移動系の異能を“使った”のだろう。


「本当に厄介な奴だ…性格も…異能も…」


“アイツ”と少女を倒した三人は異能審判と教師達に現場を任せ一息ついていた。


「そういや絶対的探求心のやつ途中から消えたよな。」


そういえばそうね。と天海が相槌を打つ。


「一応一件落着っていうことでいいのかな?」


千奈の言葉に二人はうなずく。


「やっとおわったな。」


桐谷は思わずつぶやく

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る